邪神使徒転生のススメ

黒イライ

30.若妻?

 「ミレイアは可愛いなぁ……。」

 「えぇぇっ!!!きゅ、急に何を言ってるんですか!マヤさんはっ!」

 おっと、つい口に出てしまった。自重自重。

 「ごめんごめん、でもミレイアが可愛いのは本当だし。」

 「~~~~~~~~~っっっ!!!!!」

 ミレイアが恥ずかしそうに俯いている。やっぱり可愛い。まあ可愛いのは本当だけどそろそろからかうのはやめよう。そろそろ可哀想になってきた。

 「ごめんごめん、よし、話変えるか」

 「そ、そうです。そうです。話を変えましょう」

 ミレイアが軽く咳払いをして背筋を伸ばす。でも耳まで真っ赤だからまだ恥ずかしさが抜けてないみたいだ。

 「そういえばミレイアのステータスを見せてもらったし俺も見せるか。」

 流石に俺だけ見せないのはフェアじゃないだろう。

 「いいんですか?」

 「当たり前だ。ミレイアのステータスを見たのに見せないのはおかしいだろ。」

 というわけで今度は俺が版の上に手を乗せて魔力を流す。ステータスを見るのは一週間程前にシェイと見せあって以来となる。



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 天魔魔夜
 《仕事ラボロ》/ 邪神使徒 / Lv.35
 力 5689
 物理耐久 7425
 敏捷 6047
 魔力 6256
 魔法耐久 5239


 《スペキアーリススキル》
 闇眼 Lv.2
 疲労回復 Lv.4
 闇影術式オスクロソーンブラ Lv.2
 気配遮断 Lv.2
 危機察知 Lv.3
 鑑定 Lv.3
 場所把握 Lv.3
 言語理解
 ????
 ????


 あれ、????が1個増えてる…。何だよこれ。

 「ほわぁ……。マヤさんのステータス、すごいですっ……!」

 「そうか?普通がどのくらいかが分からないから強いかどうかも分からないなー。」

 「国に仕えている騎士達のステータスがこのぐらいかそれ以下で並の冒険者ならそれよりも下です。前にいた町のギルドで聞いたことがあります。」

 ほー、みんなそんなものなのか。案外これでも強いんだな。まあ俺の場合身近にステータスがおかしいやつがいるから強くなった感はないよな。

 「まあ、それならミレイアを守ることなら出来るか。」

 並の奴らなら勝てるなら護衛ぐらいなら打って付けだろ。

 「……ありがとうございます。」

 ミレイアはまた照れた様に顔を真っ赤にしている。ミレイアは反応が一々可愛い。

 「そろそろ見張りの時間も交代だな。ミレイアもそろそろテントに戻ろう。多分シェイもそろそろ起きるだろうし。」

 「そうですね、そろそろ寝ることにします。」

 俺達が話を終え立ち上がるとシェイがテントから出てきた。マジか。

 「…おは、ミーちゃんもいたんだね。」

 「おはようございます、シェイさん。見張りありがとうございます。」

 「…気にしないで。ミーちゃんのためでもあるけど自分達の安全のためでもあるから。」

 「そうですね…。では、お休みなさい。」

 「…うん、お休み。」

 「また明日な。」

 ミレイアがテントに戻った少し後。

 「お前…見張りの時はちゃんと起きるんだな。」

 そう、俺が驚いてたのはシェイが時間通りに起きてきたからだ。メヤさんの宿にいた頃は結局俺が毎朝起こしに行っていた。

 「…ふふん。私はやれば出来る女。どう、すごいでしょ」

 「出来ればそれを毎朝やってくれ」

 「…それは無理だね。朝はダメだよ」

 「何でだよ」

 「…眠いから」

 「夜も変わらないだろ」

 「…朝は特別だよ」

 意味が分からない。

 「……まあいいや、俺もう寝るから。あとよろしくな。お休み」

 「…任された。お休み」

 もう疲れたのでさっさと寝ることにした。









 「おはようございます、マヤさん」

 朝起きたら女神がいた。

 「可愛い…」

 「あ、朝から何を言ってるんですかっ!」

 訂正。エプロンを着たミレイアがいた。
 ああ、可愛い。

 「ごめん、つい」

 「もうっ、マヤさんったら…。朝食、出来てますよ」

 「今日はミレイアが作ってくれたのか」

 「はい、お二人に護っていただくのでせめてお食事の用意だけでも、と思いまして」

 うーん、別にそんなに気を遣ってもらわなくてもいいんだけどなー。まあミレイアがいいなら今はそれでいいけど。

 「そっか、ミレイアありがとな」

 「いえ、お気になさらないでください」

 改めてミレイアが作った朝食を見てみた。
 コーンスープのようなもの(ここではコーンスープとしておく)とパンのセットだった。付け合せには野菜があった。この間までは和食だったから今度は洋食ときたか。

 「食材はシェイさんからお借りしました」

 「そうか。それで、そのシェイは今寝てるのか?」

 「はい、テントでお休みになられてますよ」

 「じゃあ起こして来るよ。ミレイアはそのまま準備続けてて」

 「はい、分かりました」

 そんなこんなでまたシェイを起こしに行くことになった。まあ自分から起こしに行くって言ったんだけどな。


 「おーいシェイ、起きてるかー?」

 「………起きてない」

 「起きてるだろ」

 「…もう少し寝かせて」

 「ミレイアが朝食作ってくれてるぞ」

 「…おは」

 釣れた。



 「…ミーちゃんおはよう」

 「おはようございます、シェイさん」

 「…ミーちゃんは可愛いなぁ」

 「シェ、シェイさんまで何言ってるんですかっ!」

 いやぁ、流石シェイ。ミレイアの良さを分かってるなぁ。

 「そうだよなぁ、ミレイア可愛いよなぁ」

 「…この若妻感がたまらない」

 「気が合うな、シェイ」

 「…そういうマヤこそ。分かってるね」

 俺とシェイは熱い握手をした。

 「いい加減にしてくださーーーーいっっ!!!!」

 二人揃って正座でお説教を受けました。

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