邪神使徒転生のススメ
12.二人のこれから
 シェイの初めて見た顔は、とても整っていて澄んだ蒼の髪と合わさってとても綺麗だった。
 邪神であるシンラと比べても何の遜色も無いほど美しい姿だった。
 ただし1つだけ普通の人間とは違い、頭の先から角が生えていた。
 「…私は、この世にある鬼族の唯一の生き残り。この世界では鬼族は嫌われている。…その反応を見るとやっぱりマヤは知らなかったんだね。」
 世間知らずで悪かったな。
 「俺が思ったのは髪が綺麗、あと角が意外に可愛い。それだけだ。」
 出会ってまだ数時間しか過ごしていないが、感覚的に分かるのだ。
 シェイはすごく優しくて、真面目で温かいことが。
 「…私は、マヤに迷惑掛けたくない。だから、今日が終わったらパーティーは解散したい。」
 「断る」
 即答だった。
 もしシェイが1人でただ旅をしたいだけなら俺に止める権利はない。
 だが、俺のためと言うのなら話は違う。俺はそんなの望んでいない。
 「俺は迷惑をかけられたとしても構わない。シェイが許してくれるならこれからも一緒に旅をしたい。」
 「…ほんとに迷惑掛けても知らないよ?」
 「構わないって言ったろ。」
 「…ほんとのほんとに迷惑掛けちゃうよ?」
 「だから、大丈夫だって。俺はシェイから離れないから。」
 「…絶対マヤが思ってるより大変だよ?」
 「はいはい、分かった分かった。大丈夫だっての。どんだけお前が非難されようがシェイはシェイだろ。」
 「………仕方ないね。そこまで言うなら、一緒に行ってあげる。マヤが1人だと不安だしね。」
 「ははっ、確かに。俺1人じゃ迷子になりそうだからな。」
 「…じゃあ改めて、これからもよろしくね。」
 そう言って握った手は、数時間前と同様、温かかった。
 「…じゃあ早く魔獣狩ろっか。まだ1体しか狩ってないし。」
 「そうだな。シェイに金貸してもらうわけにもいかないしな。」
 俺達は一緒に《迷宮》内を進んでいった。
 
 side シェイヴァル
 不思議な男と出会った。
 名前はテンママヤ
 最初は、ただの興味本位だった。
 自分以外の邪神使徒を見たのは初めての出来事だったから。
 
 私の《スペキアーリススキル》、闇眼。闇眼はLv.1なら人の善悪しか区別出来ないけど、レベルが上がると相手の《仕事》も分かるようになった。少し、マヤに説明した部分とは違うけど。多分もっと上げたらステータスも分かる。これは邪神使徒なら全員持ってるスキルらしい。
 スキルはステータスボードから触れば詳細が分かる。多分マヤはそれも知らないんだろうな。今度教えてあげよう。
 話は逸れたけど、マヤは、とても世間知らずだった。これでも精一杯にオブラートに包んだつもりだ。
 マヤは何も知らない。もしかしたら、私の事を知っても何も言わないんじゃないかと思った。闇眼では善のオーラが出ていた。
今までもそういう人とは会ったことはある。それでも、鬼族の私は理解されなかった。
 もちろん、善のオーラが出ていた人は明確な拒絶はしなかった。でも、鬼族だと知ると自然と距離を置かれるようになった。
それでも、マヤを信じてみようと思ったのは、マヤのオーラから温かい、包んでくれるような感じがした。こんなの初めてだった。…もしかしたらあの二人も同じだったかもしれない。
 今まで私は、出来るだけ人を避けて生活してきた。鬼族がいると分かったら、みんな不安や恐怖が生まれてしまうから。
 マヤと話している間は自分が嫌われ者の鬼族だってことを忘れられた。
 マヤと話していると温かい気持ちになれた。
 でも、だからこそ、いい人のマヤに迷惑は掛けられないと思った。私は色んな人から憎まれ、蔑まれている。
 昔鬼族がしたことを考えれば当然だ。
 そんな私と一緒にいたら、マヤも危険になる。マヤは世間知らずすぎるから、ある程度教えたらパーティーなんて早く解散しようと思った。
 でも、マヤは私を受け入れてくれた。それどころか、私の蒼い髪も、…鬼族の象徴、2つの角も、綺麗だと言ってくれた。
 私は、とても嬉しかった…。
自分を認めてくれた人間なんて殆どいなかった。そのことがすごく嬉しかった。
 その優しさに甘えていいのかは分からない。本当に酷く迷惑を掛けるかもしれない。
 それでも、今はマヤといたいと思った。
 マヤは強い。邪神使徒だからってのもあるけど何に対しても物怖じしない。
 だからマヤのことは私が強くする。誰にもマヤが倒せないように。
 加えて私も強くなる。マヤが強くなるまで守っていられるように。
ずっと、マヤといられるように。
 邪神であるシンラと比べても何の遜色も無いほど美しい姿だった。
 ただし1つだけ普通の人間とは違い、頭の先から角が生えていた。
 「…私は、この世にある鬼族の唯一の生き残り。この世界では鬼族は嫌われている。…その反応を見るとやっぱりマヤは知らなかったんだね。」
 世間知らずで悪かったな。
 「俺が思ったのは髪が綺麗、あと角が意外に可愛い。それだけだ。」
 出会ってまだ数時間しか過ごしていないが、感覚的に分かるのだ。
 シェイはすごく優しくて、真面目で温かいことが。
 「…私は、マヤに迷惑掛けたくない。だから、今日が終わったらパーティーは解散したい。」
 「断る」
 即答だった。
 もしシェイが1人でただ旅をしたいだけなら俺に止める権利はない。
 だが、俺のためと言うのなら話は違う。俺はそんなの望んでいない。
 「俺は迷惑をかけられたとしても構わない。シェイが許してくれるならこれからも一緒に旅をしたい。」
 「…ほんとに迷惑掛けても知らないよ?」
 「構わないって言ったろ。」
 「…ほんとのほんとに迷惑掛けちゃうよ?」
 「だから、大丈夫だって。俺はシェイから離れないから。」
 「…絶対マヤが思ってるより大変だよ?」
 「はいはい、分かった分かった。大丈夫だっての。どんだけお前が非難されようがシェイはシェイだろ。」
 「………仕方ないね。そこまで言うなら、一緒に行ってあげる。マヤが1人だと不安だしね。」
 「ははっ、確かに。俺1人じゃ迷子になりそうだからな。」
 「…じゃあ改めて、これからもよろしくね。」
 そう言って握った手は、数時間前と同様、温かかった。
 「…じゃあ早く魔獣狩ろっか。まだ1体しか狩ってないし。」
 「そうだな。シェイに金貸してもらうわけにもいかないしな。」
 俺達は一緒に《迷宮》内を進んでいった。
 
 side シェイヴァル
 不思議な男と出会った。
 名前はテンママヤ
 最初は、ただの興味本位だった。
 自分以外の邪神使徒を見たのは初めての出来事だったから。
 
 私の《スペキアーリススキル》、闇眼。闇眼はLv.1なら人の善悪しか区別出来ないけど、レベルが上がると相手の《仕事》も分かるようになった。少し、マヤに説明した部分とは違うけど。多分もっと上げたらステータスも分かる。これは邪神使徒なら全員持ってるスキルらしい。
 スキルはステータスボードから触れば詳細が分かる。多分マヤはそれも知らないんだろうな。今度教えてあげよう。
 話は逸れたけど、マヤは、とても世間知らずだった。これでも精一杯にオブラートに包んだつもりだ。
 マヤは何も知らない。もしかしたら、私の事を知っても何も言わないんじゃないかと思った。闇眼では善のオーラが出ていた。
今までもそういう人とは会ったことはある。それでも、鬼族の私は理解されなかった。
 もちろん、善のオーラが出ていた人は明確な拒絶はしなかった。でも、鬼族だと知ると自然と距離を置かれるようになった。
それでも、マヤを信じてみようと思ったのは、マヤのオーラから温かい、包んでくれるような感じがした。こんなの初めてだった。…もしかしたらあの二人も同じだったかもしれない。
 今まで私は、出来るだけ人を避けて生活してきた。鬼族がいると分かったら、みんな不安や恐怖が生まれてしまうから。
 マヤと話している間は自分が嫌われ者の鬼族だってことを忘れられた。
 マヤと話していると温かい気持ちになれた。
 でも、だからこそ、いい人のマヤに迷惑は掛けられないと思った。私は色んな人から憎まれ、蔑まれている。
 昔鬼族がしたことを考えれば当然だ。
 そんな私と一緒にいたら、マヤも危険になる。マヤは世間知らずすぎるから、ある程度教えたらパーティーなんて早く解散しようと思った。
 でも、マヤは私を受け入れてくれた。それどころか、私の蒼い髪も、…鬼族の象徴、2つの角も、綺麗だと言ってくれた。
 私は、とても嬉しかった…。
自分を認めてくれた人間なんて殆どいなかった。そのことがすごく嬉しかった。
 その優しさに甘えていいのかは分からない。本当に酷く迷惑を掛けるかもしれない。
 それでも、今はマヤといたいと思った。
 マヤは強い。邪神使徒だからってのもあるけど何に対しても物怖じしない。
 だからマヤのことは私が強くする。誰にもマヤが倒せないように。
 加えて私も強くなる。マヤが強くなるまで守っていられるように。
ずっと、マヤといられるように。
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