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努力は才能、才能は堕落

ゆーD

第15話




 今俺は闇光本部に顔を出している。
 普段は訓練施設に顔を出すが今日は大切な用事があるとのことで呼び出されていた。
 最近呼び出しが多いなと思っていると。
パーーンッ!!
「婚  約  お  め  で  と  う  大  虎  福  隊  長!!」
「よしこれやったやつ前出てこい」
「「はーい!」」
「やっぱりお前らか〜!ゆき!あき!なんで毎回毎回変なことやらかしてくれるんだ!ひどいぞこの弾幕!
 しかも漢字違うし!」
「えぇ喜ぶと思ってやったんだぞ!感謝して!」
「うん、右に同じ」
「よ~くわかった。久しぶりにメニューの量を10倍にする。今日中に終わらなかったら明日も10倍を課す。明日も終わらなかったら、もうわかるね?」
「「ごめんなさい~!!」」
 この二人は双子でゆきとあき。名前で呼びすぎて苗字忘れてしまう事ってあるよね?
 二人とも白髪でゆきの目は翠、あきの目は橙とそれぞれ魔眼の持ち主だ。
 ゆきほよく喋るがあきは時々しか喋らない。性格は真逆だが上手くそこがフィットしているらしい。
 まだ幼いため完全な幼児体型でステージ3だが強さは二人が合わされば闇光でも筆頭の強さになる。
「俺がどれだけ苦労してると思ってるんだよ・・・・・・」
「そうなの?苦労してるというより楽しそうだけど」
「私もそう思った」
「いやステージ7.8なんて滅多に見れるものじゃないのにあんなに沢山いたら楽しくなるよ?けど、ねぇ?」
 そのとき大虎の頭の中には走馬灯のようにあのSクラスの生徒からされた行為を思い出して震えていた。
「ねぇ?って言われてもゆきは何も知らないよ?」
「まぁそうだよな・・・・・・。
 あっそうだ。澪那ってどこにいるか知ってる?」
「隊長?んー。そういえばさっきまで副隊長待ってるって言ってたけど1分も経たないうちに遅いっ!っていって川の方に出ていったよ~」
「相変わらずだよな。澪那の短気さ加減は・・・・・・」
「ねえゆき、隊長が伝言頼むって言ってたこと言わなくていいの?私はあのとき寝起きだったから何も覚えてなくて」
「え~!ゆきはあきが覚えてるかと思ったから覚えてないよ!」
「本当にしっかりしよ?」
 もう嫌になってくるよこの二人相手するのは。
「あ、でも川の方に歩いていったからそこで何かやってると思う」
「お、そっか!ありがとう」



「澪那~!どこにいるんだ?澪那~!」
 川の方に歩いていったとあきが言ってたからとりあえず川沿いをずっと歩いているのだが一向に見つかる気配はない。
 それどころか探しすぎてこちらの体力がなくなってきたほどだ。
 闇光の本部の敷地はとてつもなく大きい。
 それゆえに見つかることもないしもし見つかったとしても全員が余裕を持って逃げだせることができる。
 ただ人を探すときに限ってはこの環境は向いてない。

「このやり方あまり好きではないんだけど、しょうがないか」
 そこで大虎は自分の殺気を最大限に引き出しそこに魔力を漂わせることで常人ならば触れてしまうだけで最悪死に至らしめるほどの力を出した。

 すると向こうからとんでもない速さでこちらに向かってくるものを確認した。
 あちらも殺気と魔力を織り交ぜており、こちらに向かってナイフを10本投げてきた。

 それを弾いたあとすぐさま殺気を鎮め魔力を元の状態に戻す。
 すると向こうからこっちに顔を出す。
 ・・・・・・本当にわかりやすいなこの人は。

「あ、なんだ大虎だったのですね。私より強い人が急に現れたと思い飛んでまいりましたが驚かせないでください」
「澪那より強い?俺が?
 ここを出ていく前に特訓だとかいって俺をぼこぼこにした澪那が?」
「そ、そんなことやったかしら?
 それより!婚約おめでとうございます。
 まさかあの南芳樹様のご息女と聞いたときはそれはもう驚きましたよ?」
「え?澪那も知らなかったの?正直言って澪那を一番疑っていたんだけど」
「いえ、知っている事には知っていましたよ?あの学校にいるのは知っていましたし事前に婚約許可の申請もこちらの方に来ていましたので」
「その申請はいつ来てたの?」
「大虎がここを出ていく三日前ですわ。
 驚かすには最適かと思い当日まで言うのを避けていたんですが特訓という名目で色々ありましたし、言いにくくなり言えなかったと言いますか・・・・・・」

「やっぱりあんたかあああああ!!」

「ごめんなさい。反省しています」
「反省してる声じゃないよ?!態度じゃないよ?!驚きだよ?!」
「久々に大虎のツッコミをもらえて楽しいですわね。さあ何か用があるんでしょ?話してください」
「無理やり話そらしたな・・・・・・」

 この女性は柊澪那。風魔法で世界的に有名な柊一家の長女にあたる人だ。
 夜の清々しい空気にはふさわしいほどに神々しい金髪に端正な顔立ち、スタイルは誰もが憧れるほどに出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる。
 風呂を終えたばかりなのか煽情的な格好になっていて精神的にきついものがある。
 そして風魔法ではステージ8と同等かそれ以上で戦えるこの人はステージ3。
 幼い頃風魔法の練習ばかりしていたせいで風魔法しか使えなくなってしまったらしい。
 この人は出会った頃から抜けているというか言ってしまえば馬鹿そのものだ。
 それでも戦闘でこの人より頼りになる人はいない。
 ステージ8と同等かそれ以上となるとステージ7の魔法士弱点をついたところで簡単に押し返してしまうし自己加速を完全にマスターしているため速すぎて目が追いつかない。
 つまり戦闘中にこの人を目に入れることは通常の魔法士、いや熟練の魔法士でも不可能なことだ。
だからこそ頼りになるがそれは戦闘の時だけ。
 なんたって普段の世話係は俺こと神木大虎が担当しているのだから。

「はぁ・・・・・・。それで話っていうのは明日からのことなんだけど学園の都合上1週間くらいは任務も訓練も出れないから把握しといてね」
「明日からってなにかあったかしら?」
「入学してちょうど1ヶ月経つからより親睦を深めるためにってことで研修旅行って体で合宿することになったって一昨日に文書で送ったよね?」
「あぁ、文書は三ヶ月に一回ほどしか見ないから知らないわよ」
「ねぇそれ軍の大切な資料だったらどうするの?」
「軍関連の仕事は私に直接届けに来るように上に言ってあるから問題ないの」
 この人はとことんダメな人だな・・・・・・。

「それでどこに行く予定なの?」
「海の方としか聞いてないんだよ。
 それ以上のことを教えると調べたり先読みする生徒が出るらしくてね」
「へぇ、結構厳しいのね。
 そうなると軍事系のこともやるっぽいわね。
 そして恐らくここらで退学者が出る。そんなとこかしら?」
「俺もそれは思ってた。
 一年の生徒は千人近くいるのにも関わらず2年生以降は400いるかいないか。
 つまりどこかで退学してるかさせられてるってことになる。
 まぁ今のところは様子見だが極悪なテロ組織を学校が雇って宿舎を襲撃でもさせられたらたまったもんじゃないけどな。そこで恐怖を埋め込めばこれから受けるダメージは少なくて済むし辞めて人数が少なくなれば教えやすくもなる」
「極悪なテロ組織なんか雇ったら殺されてしまうのではないの?」
「それは否定出来ないけどそれも一環なのかもしれない。
 この先魔法士として道を歩むならそういう光景も多く見ることになるだろうし」
「でも、あなたが守ってあげなさいよ?」
「俺が守る前にみんながやってくれるさ」

 そう語る二人はさっきの緊迫した様子とは変わり穏やかで優しげに笑っていた。

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