努力は才能、才能は堕落

ゆーD

第4話

 
 「それではルールの説明をします。
 神木大虎くん一人対他クラスとなります。
 一般生徒クラスが神木くんに勝利した場合その中で一番活躍した生徒を神木くんの変わりに生徒会に入会。
 神木くんが勝利した場合他の生徒はこれ以上不平不満を述べないようにすること。
 そしてそういうルールにすると神木くんが必ず手を抜くので神木くんが・・・・・手を抜いた場合生徒会入会はもちろん毎日の朝掃除、下校時の戸締り、術式管理及び整備、Sクラスの訓練相手を一人でやってもらうことになりますのでご注意を。
 これでルールの説明を終わりとさせていただきます」
 ほう。しっかりと俺がサボることを加味してルールをつけてきた。しかも明らかに一人じゃ終わらない量だ。
 しかも普通に負けても手を抜いてると判断されたら洒落にならないため本格的に負けるわけにいかない。

 俺のことを過大評価するのもいいがさすがに分が悪い。
 しかしこの勝負負けるわけにはいかない。確実に裏があると見るべきだ。少し力を出してみようか。



「それでは、開始!!!」
 溝上さんの合図でまずはCクラスの生徒500人が向かってくる。
 それぞれ大きな魔法を繰り出そうとしているがタメが長くて実戦向きではないだろう。

 俺はあらかた見渡したあとコミカルにダンスを踊るように空間を切り裂きはじめた。
 ただ傍から見ると踊っているようにしか見えないためそこは問題ではない。
 問題はこの動作はわかる人はわかってしまうある特殊な動作であるからある程度オリジナルをしながら刻んでいかなければならない点だ。
 ここまで約3秒。
 空間への切り込みが終わり手に魔素を貯める。
 その魔素で目の前にある切り込みを放つ。

 その瞬間至るところで倒れる生徒が続出し、救護班が慌て始めた。
 この技は『空間斬撃』を簡易にしたもので効果自体は20秒ほどしか持たないがその間に相手を戦闘不能にすることが出来る技だ。
 Cクラスすべてを無力化するまであと3秒といったところか。
 そう考えているときに上空から雷撃が落ちてきた。
 魔素を辿ると生徒会副会長の貝田さんが俺に向かって撃ったようだ。
 そして俺に向かって死にそうな奴がいる、止めろ。どうして求めないなら俺が出ると口を動かす。
 さすがに副会長さんまで出てくると完全アウェーなため術を止める。
 そうするとすぐに救護の先生が全体に治癒魔法をかけ始める。
 瀕死の生徒はすぐに運び出され集中治療室に運ばれる。
 
 
「なんで止めなかった、お前ほどの技量があれば相手が瀕死なのはわかっていただろう」
「ええ分かってましたよ、ただ今の技で全員を倒し切れるほどこの学校の層は薄くない。それなら意味のわからない行動をしたあとに何が起こったかもわからないで倒されているヤツらをみて他クラスの人はなにをおもうとおもいますか?」
「戦意喪失で試合を放棄させることが狙いか」
「その通りです。これだけの事をして何も思わない生徒は少ないでしょう?それに試合を放棄することで本当は勝てたんだとあとから言うことも出来る。彼らの逃げ道はしっかり用意しました。これでもかかってくる生徒がいるならそれはそれで楽しそうですね」


「それじゃBクラスの人やりたいひとはいますか?」
 手は上がらない。
「じゃAクラスの人は?」
 こちらも手は上がらない。それはそうだろう。今の技は簡易の『空間斬撃』だがその実難易度はかなり高い。
 Bクラスから上の連中はこのことが理解できるなら戦いは挑んでこないはずだ。
「じゃ最後にSクラスいるか?」
 そんな心の回想を一気に無にするように全員が前に出てくる。しかも練習用のデバイスではなく、実戦で使用される方のデバイスだ。
 先ほどまでの余裕を浮かべた表情とはうって変わり真剣そのものの眼差しでこちらを見ていた。

 またしてもやってしまった。俺は本当に後悔した。今の技は高難易度だがBクラスの連中でも理解できる技だ。
 それほどの技を使ってSクラスの連中が何もせずに棄権するわけがなかった。

「本当なら私たち全員この無意味な戦いに参加するつもりは全くなかったの。それはもちろんあなたがステージ2ときいて負けるはずがないとも思ったしこの戦いはこんな遊びに私たちの能力を晒すことを恐れたというのもある。だけどさっき貴方の技を見てあなたは私たちから見ても別格ということがわかった。だから本気でやる。殺傷能力も気にしなくていい、思い切り来て」
 Sクラスを代表して一人の女子がこちらに話しかけてきた。
「俺が別格?大した技じゃない。お前らも使えるはずだ」
「そう、確かに私達も簡易版の『空間斬撃』は使える。でもその動きと少しのあいだにおおよそ1000もの斬撃を空間に打つことは不可能」
「え?そうなのか?」
 正直俺はある事件があってから特殊な施設に引き取られて俗物に長い間触れていないため価値観がおかしい。
「えぇ、それでは始めてもいいかしら?」
「いや待て待て、落ち着こう。そして話し合おう」
 さすがにSクラス24人の本気を躱すとなるとどれくらいの力を出していいのかわからない。
 今24人が本気の魔力を練り上げているせいでこの空間は完全な魔力高圧状態だ。
 B~Aのクラスの皆は気絶するなり体調不良になるなり様々だがこの魔力高圧状態のせいで一人一人の本質の魔力が掴みにくい。
 それゆえにどれほどの力を出していいのかわからないために一人一人の魔力を計算中なのだ。
 それまでの時間稼ぎとしてどう稼ぐべきか。
「あ、そういえばお腹もすいたし昼食べてからにしないか?腹が減ってまともに戦えないなんて嫌だろ?」
「安心して、まだ10時。そして今久々に楽しいからお腹すいてない」
 ちっ、まぁ想定内。でも20人目まできた。次にすべて終わらせよう。
「お前の能力は闇か、あらかた対策は出来た」
「なっ!なんでその事を知ってるの」
「まぁ俺の能力といったところか?」
 なーんてかっこつけたものの実際は自分の魔力を相手にぶつけて反応する魔力を逆探知しただけだ。
 2つ種類を持ってるやつも稀にいるがこのクラスにはいないみたいで良かった。
 そして今全員の力量をあらかた調べ終わった。
 久しぶりに5割・・ほど出せる相手に巡り会えてにやけが止まらない。

「さぁ戦闘開始といこうか?」

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