努力は才能、才能は堕落

ゆーD

第1話


 結局この世の中は才能だ。
 才能のないものにはなにもない。
 
 だがその才能のないものの中には才能があろうと超えられないものがある。
 
 それをどうするのかを考える。抽象的だがそれしかない。
 超えるのかそれとも避けるとか人それぞれだ。色々な考えがあるだろう。

 ただ俺は超える方を選んだ。

 ただそれだけ。



 ▼▼▼
 
 俺の名前は神木大虎。
 2192年。魔法と魔術が先進的になった時代に俺は生まれた。
 そして2207年のこの春から日本の三大魔法学校と言われる魔法第一高校に入学することになった。
 俺の魔法能力はステージ2。一般的にこの学校の生徒はステージ5から入学権利が与えられるのが暗黙の了解だ。

 そんな中俺はどのようにして権利をもぎ取ったかというと端的にいえばこの学校の生徒会長さんに気に入られたというか一瞬で能力見極められて半ば無理やり入学させられた。
 
 魔法能力がステージ2以上の生徒は基本的に一度にまとまられてそこで試験が行われる。
 その試験中に会長に気に入られたということだ。
 正直荒波立てずにそこらへんの底辺学校に入学したかったのが俺の本心だ。
 なんてったって第一高校でステージ2が入学するなんて話を聞いたことがないし会長はまさかの最上位のステージ8。そのステージ8が第一高校には7人いるらしい。そんな場所に俺が入学とか本格的に洒落にならない。

 まぁそんなこんなで第一高校に着いたが他の生徒は浮き足立ってるようで自分のデバイスを出して自慢したりしている。
 授業で使えばもちろんのことバレるだろうが自分のデバイスを自慢することは自分の能力を晒すことになるため自殺行為だ。

 この学校にはC~Sクラスまであるが俺は生徒会長権限でSクラスなうえに生徒会強制入会。ほんと何やってくれてるんだ。平和な日々が一気に周りに睨まれる生活に早変わり。
 それはそうだろう。自分より能力が低い人間が自分の上に立つことになるのだ。誰でも不満しかないだろう。
 はぁ・・・・・・とため息をついていると
「大虎くん、おはよう?」
「あ、会長さん。おはようございます」
 今話しかけてきたのがこの学校の生徒会長こと南梓。
 黒髪ロングで片方の目は黒いがもう片方は燃えるように赤い。恐らく魔眼の一種だと思われる。
 出るところはでて引っ込むところは引っ込む、まさに理想の体型でそれでいて絶世の美少女。綺麗系よりかわいい系だろうか?それでいてステージ8でこの学校随一の力の持ち主だ。
 彼女の父親がこの学校の設立者らしい。この人の家系は完璧人間が多過ぎて驚きを隠せない。

「会長さん、ここで話しかけるのは目立つので控えてください」
「え?みんな同じように話してるけど?」
「会長さんがこの学校で人気者なので目立つからって意味です」
 この会長こんなにすごい人なのにめちゃくちゃ天然らしい。
「それじゃ生徒会室行きましょう?」
「これから入学式ですよ!?」
「Sクラスは入学式免除だし琴里ちゃんが入学式では学校代表で喋るからつまり大丈夫!」
 めちゃくちゃ理論!琴里さんはこの学校での副会長さんだ。あの人もステージ8。おそらく生徒会の生徒はステージ7以上のはずだ。
 しかもその間に手は引っ張られ無理やり生徒会室に連行されられている。
 なんという力の強さ、男として不甲斐ないが抗えない。
 しかも胸が当たっていて決して嫌な気分ではないし会長さんのことだから多分何も考えてないんだと思う。

 会長さんに連れられている途中にこの学校をある程度見てみたが金の掛け方が尋常じゃない。
 まずはもちろんの事外装だが綺麗なのは当たり前、そして常時発動の防御結界を張っているのがわかるし迎撃もできるような術式が校舎の至るところに張り巡らされている。
 しかもめちゃくちゃ高価なものばかりだ。1つ
つけるごとに300万ほどするだろう。それが校舎のいたるところにあるのだ。
 校舎の内部には魔法を使えないようになっていて実技訓練場の前を通るとそこだけ術式補助の機械がある。
 さすがの第一高校といったところだろうか。

 ここで過ごす日々は苦しそうでもあるがまた楽しそうだとも思う。
これから俺の生活は始まるのだ。

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