それでも俺は君が好き!

日向葵

3話 矢中君への疑問

「毎日毎日しつこいね!矢中のヤツ!何考えてんだか!?」
「真紀ちゃん…」
私の名前は松野紗英。一週間前に転校してなぜか矢中君に2度も告白された。
何であんなこと言うんだろう。
私は毎日のように言ってくる矢中君には躊躇してしまう。
あの時、矢中君泣きそうな顔だったな〜。
告白された時に遡ってみる。




「それでも!それでも俺は君が好きなんだ!」
私の目の前でこう言い放った矢中君。私は何でそこまで言うのか疑問だった。
「あのね、だからね、友達から」と言いかけたが彼はその言葉を聞こうともせず、逃げるように立ち去ってしまった。
泣きそうな表情を浮かべて…。
「矢中君…」
私は教室に残され矢中君のことを考えた。
彼はぶっきらぼうだけど、優しくて…くらいしか思いつかない。
何でこんな私を好きと言うのだろう。




私はますます混乱しそうだったので、真紀ちゃんに相談をしてみることにした。
初めて出来た友達である真紀ちゃんは快く受け入れてくれた。
「矢中君に告白された」と帰り道に真紀ちゃんに言った。真紀ちゃんは「えー?あの矢中に?!」と驚いていた。
今回が初めてじゃなくて2度目だと伝えると、「へー。意外!矢中ってあんまり人と絡まないタイプだと思ってた!ほら、よく一緒に入る篠原くらいでしょ?友達って。」
「そうなんだ。私、矢中君のことあまり知らないからって断ったんだけど、また告白されて困ってるの。本気なのかな〜って。」

私はモテるタイプではないことは自覚してる。黒い髪は長くて眼鏡かけてて、地味な印象を与えてしまい、怖いからとか不気味だからとか言われ、前の学校でもいじめは絶えなかった。学校にいるのも耐えられなくてこの学校へ編入したくらいだ。
私のどこがいいんだろう?
矢中君への疑問は日に日に膨らんでいくんだよね…
今度はちゃんと聞いてくれるかな…

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