恋死の高校生活

山木 美涼介

3話 恋の急接近

「やっと部活行けるぜぇ~」

満面の笑顔えみを浮かべ、雄一は、ため息と一緒に
口から放り出した。

今日の科目はやけにめんどくさかった。
クソババァ先公の古文の授業と
激コワ先公の数学の授業が重なった日は、まじで
体に疲労がたまる。

やけに長く感じる廊下を歩き、体育館まで行き、
適当に準備体操をやり、基礎打ちにとりかかった。

俺、雄一、美香、久美子が所属するのはこの
バドミントン部だ。

女子は1年、二年合わせて28人いるのだが、
男子は二年は俺と雄一の二人、一年は村上卓也の
たった一人の後輩だけだ。
卓也は、少しお茶目な部分もあるが、
俺たち先輩にはちゃんと敬語を使える良いやつだ。

「スマッシュ打とうぜ、タクト」

俺はいつものように雄一と楽しく部活をしている。
いや、違う。
部活の楽しみはもう一つある。
それは、美香がバドミントンをしているときの
あの揺れる胸を見ることだ。

(俺もやっぱ変態になったなー)

だが、どこを探しても美香が見当たらない。

「おいタクト、お前ミス多いぞ?
どうしたんだ?」

「いや、なんでもない。
ちょっと今日は調子が悪いみたいだ。

雄一が心配そうに俺に問いかけるが、気にするな
とその場をごまかす。

休憩時間になると、俺はすぐさま久美子に聞いた。

「なあ、美香見てねえか?」

久美子は、少し考えたかと思うと、辺りを
見渡し、それから答えた。

「見てないね~、
どこ行ったんだろ、、、」

「そうか、じゃいいや。ありがとな」

俺がその場を立ち去ろうとすると、久美子が
腕を引き、止めた。

「そう言えばさぁ~、さっきトイレに行ったとき、
松下先輩が   タクトのこと探してるっぽかったよ」

!!!

俺は驚きの表情を隠せなかった。

松下先輩、名前は松下奈々子。
現在三年生、元バドミントン部の先輩だ。
顔は、モデルやってるんかい?!というほど、
誰が見ても可愛いといえるほどの美人で、
とても心優しい完璧な女性だ。

俺は、久美子にお礼の言葉を言うとすぐに
体育館を出て松下先輩を探してた。

雄一にどこに行くか聞かれたが答えずに
それまま走った。

なぜなら、俺は松下先輩のことが本気で
好きだったのだ。
他の男は「美人だな~」で終わってるかも
しれないけど、俺は、そうじゃない。

本当に心から松下奈々子のことを愛しているのだ。

考え過ぎるかもしれない。
ただ、ちょっとした話かもしれない。
でも、俺はもう松下先輩が引退してから顔も
見てないし、話してもいない。

もう一度、もう少しだけでいいから、松下先輩と
言葉を交わしたい。
その一心で松下先輩を探した。

と、行く途中、俺の教室で物音が聞こえた。
ガシン、ガシンという何が何かを叩く音だ。

「ま、どうせまた担任の先生がストレス発散
してるんだろ」

たまにこんな物音が聞こえた時、教室をのぞくと
いつも担任の先生が机を殴っている。
相当ストレスが溜まっているのだろう。

だが、今回は少し音の質が違ったような、、、

まあいいや。
とにかく、松下先輩に早く会いたい。

俺は教室を見ないで走り続けた。

廊下の角を曲がったところで、誰かに
呼び止められた。

「あ、タクト君」

振り向く前から俺はこの声の主がわかっていた。

(松下先輩、、、)

胸の鼓動が徐々に早くなるかと思うと
もう止まらない。
嬉しさと緊張が混ざり合って何だか変な
気分になったきた。

俺はゆっくりと体を後ろに向けた。

「久しぶりね、タクト君」

「お、お久しぶりです!」

喜びのあまり、情緒不安定になりそうだ。
こんな嬉しいこと、最近あっただろうか。

だが、何だか先輩は元気がないみたいだ。
顔色も悪い。

「私が今から言うこと、真剣に聞いてくれる?」

心配そうに、不安そうに俺に問いかける。

「は、はい」

ツバをごくりと飲み込み、先輩の言葉を待つ。

「私と、、、付き合ってくれない?」

へ?
俺は頭が真っ白になり、体中がじゅわじゅわと
溶け出してくる感じがする。
ま、マジすか?

しばらく沈黙が続いた。


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