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背後の記憶

馬と鹿


ただ馬鹿だったわけじゃないと言い張りたい。
でもただの馬鹿だった。ひたすらに馬鹿なのだ。
自分はそうだった。
でも母親は違う。馬鹿だけじゃない本当の馬鹿なのだ。
今まで出会った中で一番の馬鹿なのだ。
近所のおばちゃんがこう言ってたの私可哀想でしょ。
お弁当から汁が出ていた。わかった直すわ。もう何度目だろう。お母さんお金ないの。お父さんからお金貰ってるでしょ、一万円かして。いつ返してくれるのだろうか。何度目だろう。
友達はお母さんは優しい人だよ。お弁当作ってくれる優しい親だよ。
違う。違う。
本当の優しさってなんだよ。
毎日考えた。
でも結論はいつもこうだった。

あいつは馬鹿だから何言ってもわかっちゃくれない。

母親は外国の人だだから仕方ない。
同時に外国の人を嫌い始めた。

一週間洗濯物を洗っていない弁当には虫が入っていた。貸したお金はいつも返ってこない。

それだけで。それだけかもしれない。
それだけならよかった。

私は怒った。

いつもいつも怒った後は

お前は意地っ張りだから。世の中そんなに甘くないぞ。
お兄ちゃんはそんなこと言わない。

違う。違うよ。お兄ちゃんは呆れて何も言わなくなったんだよ。私にはわかるよ。

じゃあ怒らなければいい子だったの?
友達は私の母親を優しい人だと言った。

優しい人というのを深く追求し始めて何年経ったんだろう。

それでも母親は治らない。

ああ、馬鹿なんだ。

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