落ちこぼれの復讐者

紗砂

プロローグ


「マシェリ……あなた、だけは……生きて……。
そして……あの人を、助けてあげて……。
私の、愛しい子………あなたは、落ちこぼれ…なんかじゃ、ないわ…。
ごめん、なさい……愛して、る……」

「母、上…?
母上、母上?
いや、だ……。
母上ぇぇぇ!!
うわぁぁぁぁぁん!!」


父上は、王は何もしてくれなかった。
助けられたはずなのに!
母上は父上の事を助けてって言っていた。
なんで、なんで母上のことを父上は助けなかったのに僕が父上を助けなければいけないんだ。
僕は、母上に生きていて欲しかったのに!
僕は父上が憎い。
憎い、憎い、憎い憎い憎い憎い憎い!!
母上を救えるだけの力をもちながら何もしてくれなかったあいつが憎い!


復讐してやる。
あいつも同じめに合わせてやる。
母上の味わった苦しみを…あいつにも!!


僕は強くならなきゃいけないんだ。
落ちこぼれじゃないって言ってくれた母上の為にも。
なにより、あいつに復讐するためにも。
強くならなくちゃいけないんだ。
弱いままじゃダメだ。
もっと強くならいと………。


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