転生した閻魔様、正体を隠して高校生になる。

たい焼きの餡

7:流石にそれはない

「ねぇ、見て!」
「なんだあれ!?」

天井付近からゆっくりと落ちてくる、黒い半透明の謎の球に皆動揺を隠せない。 

その球が地上にふわりと着地し、割れ目から黒煙が溢れ出す。

そこに現れたのは…………俺だった。


いや、は?なんだよこれ?俺はお前ら以上に驚きだよ。人間を卵(?)から誕生日させんな。

[閻魔様!おはようございます。異世界での目覚めは如何でしょうか?]

[如何でしょうか?じゃないっ!転生神!この状況は何なんだ!?]

[誠心誠意お送りさせて頂いた結果です!異世界に転移される際の転移酔や身体への負担を少しでも減らす、最前線の技術であるのですよ。]

何故か得意げな転生神。


[いや、普通で良かったんだが、]

[あ!あとですね、え、えっと私にとってはとても素晴らしくて隠す必要のない美しい御姿ではあるとは思うのですが………]

転生神はもじもじしながら何かを躊躇っているように見える。



[何故言いにくそうにしている?何か不味いことでもあるのか?]

[あ、あの。怒らないで下さいね?]

[あぁ。分かったから早く言え。]


[閻魔様、裸です。す、すっぽっぽんです。]





[……………。]



はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

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