夢の世界のSTORY

ノベルバユーザー133853

第2話

青いタンポポを片手に楽しそうなユキを横目で見る。
「今日はどこ行く?」
「森!もうすぐ雪降るからしばらく行けなくなるでしょ?」
ユキが雪降るって言ってる。
クスッと笑う。
「あー何笑ってるの!」
やっぱり仕草が子どもっぽいな。
「そうだね。雪が降るとモコが増えるから……」
「可愛いんだけどな。会えないの残念。」
「だめだよ?勝手に会いに行ったら。」
「わかってるよ。春まで待つから。」
モコって言うのはモコモコした白い生き物。大きさは手に乗るくらいかな。可愛いんだけど雪が降ってる時に会うのは危険。導かれた先はモコの国。そしたらもうモコになるしかない。つまりモコは元人間なの。少し悲しい話だよね。
「絶対だよ。来週からまたちょっと出かけるんだから。一人で無茶しないでね。」
ユキが少し寂しそうな顔をする。
「そっか。また出かけるんだね。大丈夫!ちゃんと待ってる。」
ユキの頭をそっと撫でる。
「ありがとう。迷惑かけてごめんね。」
その日、私たちは思う存分遊んで帰った。

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