これって?ゲーム?異世界?

久留米天狗

第7章 第217話 一網打尽?(3)

第7章 マスター権限
第217話 一網打尽?(3)


前回のあらすじ。
ヤーセナイ村の盗賊討伐隊『ミスッタ・チェンジ』に変装の極意、葉っぱを頭に乗せての宙返りを伝授。
僕も、変化へんげが出来るようになる。



「ロンとミーゼは、武器・防具の店を、まゆとルージュはvictoryの店を、エスプリは僕のお手伝い、いいね。君達も、よろしく。おやすみ」

「ショウリ、おはよう」ドン
「おぅっ、おはよう エスプリ」
朝起こす時、エスプリがお腹に飛び乗るようになった、昨晩もいっぱい僕の上で跳ねたのに…。


「ご飯、出来たよ。みんな、待ってる。」
「そう、じゃ下りようか。」
顔を洗って、鏡の前で気合いを入れる。パン

まだ、16だけど、髭伸びないなぁ…疑問に思う。

「おはよう」
テーブルに座る、みんなに挨拶。
今朝の朝食は、ドライフルーツ入りのシリアルと羊グル豚のヨーグルト&羊グル豚のミルク、焼きたてパン。羊グル豚のバターと朝採れのフルーツジャム。
フルーツジャムをビン詰めにして、焼きたてパンもポーチへ。
モンスター広場で、フルーツ缶ジュースとフルーツ缶詰めを作り、モンスター達に魔力譲渡トランスファーして準備OK。

記憶転移が出来る、精霊…シーレン達は既に転移していた。

「じゃ、僕らも行こうか」
ロン、エスプリ、ミーゼ、まゆ、ルージュ、バカデさん、くも爺さんとコイーンタウンへ記憶転移した。

6:55 チッコチッコチッコ

◆コイーンタウン商業ギルド◆
「おはようございます」
「あ、おはようございます、ショウリ様。」
「こちらが許可書です、7:00からですよ、大丈夫ですか?」
「もう少し早く来た方がよかったかな?」
「ショウリが、ぐずぐずしてるから」

普通、お出掛けの際、化粧とかで時間をとるのは奥様なのだろうが、魔法で一瞬で着替え、メイクするこの世界は、僕の方が遅い…、缶詰めとか作ってたから。

「ごめんよ、じゃ4ヶ所同時に準備するよ」
アバターとロン、ミーゼとお手伝いさん。
アバターとまゆとルージュとお手伝いさん。
アバターが精霊界へトレーラーと、バンドのお迎えに
僕とエスプリとお手伝いさんが、転移していた。
受け付けさんと、お手伝いさん達が、驚いたのは、言うまでもない。


◆怪しい武器屋の前◆
指定の位置に転移した。
「キャッ」「わっ」「何だ?」
回りの人が驚いた。
「すいません(ペコリ) おはようございます」

シートを広げ、看板を立てて
「じゃ、ミーゼよろしく。」「はい」
アバターは消える。

「剣の研磨、手入れもします。直ぐ出来ま~す」
「盾も鎧も兜も籠手も、槍も斧もなんでも作りま~す」
「俺の剣を磨いてもらえるか?」
ロンは、人差し指と中指で剣を挟み、スーっと動かし、剣を反しもう一度スーっと動かす。
「終わりました。」
「何? バカにしてるのか?」
剣を確かめる…、
「ま まさか? 磨かれている」
「銀貨1枚、頂きます。」
「え? 銀貨1枚でいいのか?」
「はい、今日は特別サービス、初市記念です。」
「俺のも頼む!」「私のも!」

「剣は、出来るんだな?」
「素材は何を希望ですか?」
「お嬢ちゃんが、受け付けか?」
「ロンさんは、無口ですから」ニコッ
「オリハルコンは、有るのか?」
「お金は有りますか? オリハルコンは、準備してますが…」
ミーゼが、オリハルコンの塊を、ポーチから出す。 直ぐポーチへ戻す。
販売交渉中もロンは、剣等の手入れをしていた。 チャリン…、貯金箱に銀貨が入れられる。

「この剣を下取りで、新しい剣が出来るか? 素材は、そちらに任せるが…。」
ヒビの入った、鉄の長剣、お手伝いさんに見積もってもらうと、銀貨2枚だと言う。
「これは、チタンです。銀貨13枚と下取りの剣で、新しい剣を作れます。」
「チタン? 聞いたことが無い素材だ。 鉄とどう違う?脆いなら断る」
「チタンは、錆びない鉄と思ってもらって構いません。ロンさんの仕事でしたら、このヒビの入った剣より長持ちしますよ。」
ロンは、ミーゼから、チタンの塊を受け取ると、一瞬で剣が出来た。ヒビの剣と同じ大きさの剣が。
「…「なにー!?」…」
「こ これが、追加銀貨13枚か?本当に?」青黒く輝く剣
ロンが、元の剣を横で構える。
「斬れ!」
チタンの剣を振り下ろす
チュン 手応えなく剣が斬れた
「…「なんですとぉー!」…」
男は銀貨13枚を払って、喜んで去っていった。
「私の剣、作れる?チタンで」
「剣を」
彼女の剣…、細身の剣レイピア
「ミーゼさん、チタンを」
「その前に、お手伝いさん、レイピアは通常価格はいくら?」
「金貨5枚です、この材質は鋼の様ですし」
「ロンさん、チタンで鋼より固く出来ます?」
「可能だ。」
「「え? この細さで?」」
ミーゼも驚いた。
ロンは、飴細工の様にチタンを伸ばし重ねる、究極金属ウルティマコンの刀台に乗せ、『鍛冶屋の金槌』で打つ
 カーン カーン カーン カーン
チタンのレイピアが出来る。
ロンが、魔力を込めると深紅に染まる。
「え? 青黒くじゃない?」
「チタンは、魔力を込めると色が変わる。」
「貴女の服の色に合わせたのだが、黒がお好みか?」
首を横に振り
「これでいい、この深紅がいいわ。」
「振ってみてくれ。」
ビュン ヒュン ビュンブン シュッシュッ
「どうだ?」
「もう少し長くて軽くするのは贅沢な望みかしら?」
「長くしたら収まるのか?」
腰の鞘を指差す
「そうね、鞘まで新調しなくちゃいけなくなるわね」
「鞘を」
彼女は、鞘をロンに渡す。
鞘の素材を確かめる
「これは、普通の木ですね、同じ物でいいですか?」
「二つは、装備出来ないわ」
「じゃ、下取り?」
彼女は、首を横に振る
「この剣は、売れないわ」
「では、二刀流に申請し直せば?」
「これは、転職じゃないわよね? ね?」
お手伝いさんも頷く。転職ではない。

チタンのレイピアに『微調整』を使う。 軽く、長くする。木で、鞘を作る。
「どうだ、これで」
「え?」
彼女は、鞘からレイピアを抜く
「さっきより、軽い?長い!」
鞘の残りの丸太を地面に突き刺し
「試し切りをしてみろ。」
シュッ プス 丸太を突き抜けた
ヒュン サクッ 丸太が斬れた
「うそっ?」
「嘘じゃないわよ、はい、金貨5枚。鞘と丸太は、サービス。」

販売は、続く


◆精霊界◆
「迎えに来たよ、準備はいい?」
「おはようございます」
「みなさん、お疲れです」
困った顔のクラリス
魔力譲渡トランスファーした。
元気にするスピリート』も使う。
トレーラーにみんな乗せて転移。

指定の位置に転移した。
「キャッ」「わっ」「何だ?」
回りの人が驚いた。

トレーラーが開く
「何だ?」「えー!」「なに?」

黒ペリニャン召喚、監視眼モニタリングアイとシアターを結ぶ。
トレーラーのウイングが真っ直ぐになり、両面スクリーンになる。
後ろからもスクリーンが見える。
何故なら、妖精、精霊が小さいから。

黒ペリニャンから見た映像がモニターに映し出される。
「妖精、精霊のバンドです。楽しんで下さい。」
演奏が始まる。♪…、♪~

「すごーい」「かわいい」「格好いい」
ザワザワ ガヤガヤ

「また後で、来るから、よろしく。」
アバターは消える。

モニターに名前が表示される。
〈男性バンド〉
『ディグダグ』
ディカイ・ストーン
グラフ・トーン
ダーク・オンブル
グランド・クルス

観客から声がかかる
「ストーン」「ディカ~イ」
「グラフ~」「ト~ン」
「ダーク」「オンブル~」
「グラン~」「グランド~」「クルス~」
     
〈女性ロックバンド〉
『クレヨン』
アーリヤ=クラリス
ルクス=クレア
シ・クラメン
くれない
     
観客から声がかかる
「クラリスちゃ~ん」「クレアちゃ~ん」
「紅ちゃ~ん」「シクラメ~ン」
野太い声が聞こえる
「アーリヤー」「ルクスー」
「シ ク ラ メ~ン」
「く れ な い~」

男女12人の混声合唱ミックスコーラス舞踊団ダンスバンド
『ディグダグ』『クレヨン』の演奏に合わせ、歌って、踊る。
「すご~い」「かわいい」「格好いい」
「すてき~」「スゲー」


◆怪しい店の隣◆
指定の位置に転移した。
「キャッ」「わっ」「何だ?」
回りの人が驚いた。

テント(中が見えないテント)を建てる。
テーブルにサンプルを並べる。看板を立てる。
「え? victory?」
「ランジェリーショップ、『victory』のテント販売です、オーダーメイドも受け付けます。」
ワーワー キャーキャー
 ガヤガヤ ザワザワ

「まゆ、ルージュよろしく。」
「「はい」」
アバターは消える。

行列が出来、支払いはルージュのスマホに。
販売は、続く…。


◆本命の店の前◆
指定の位置に転移した。
「キャッ」「わっ」「何だ?」
回りの人が驚いた。

テント(中が見えないテント)を建てる。
テーブルにサンプルを並べる。看板を立てる。
「え? 何でも屋?」
「エスプリ、じゃんじゃん売っていこうか?」「うん」

「なにそれ?」「フルーツの缶ジュース」
「缶ジュース?」
サーバーから、試飲をさせる。木のコップ
「どうぞ」「美味しい」
「このジュースが入ってるの」
小さい子供が欲しそうに見ている
手招きして、「はい、どうぞ」「美味しい」
「友達呼んで来ても、お父さんお母さんを呼んで来てもいいよ。」
妖精を呼ぶ、「宣伝をお願い」魔力譲渡トランスファーする
「おじさん、試飲は1回だけ」
エスプリに注意されるおじさん
笑いが起きる
「何でも屋って、何でも有るの?薬草も」
「あるよ」
「メーテルポーションは?」「あるよ」
「塩」「あるよ」「砂糖」「あるよ」「ナバナ」「あるよ」「ミスリルの指輪」「あるよ」「真珠のネックレス」「あるよ」
商業ギルドのお手伝いさんは、大忙し、スマホ払いは、エスプリのスマホで。
デリバリーボックスは、僕が対応。
「ドラゴンの肉は流石にないだろう」
「あるよ」 「えー!」
「串焼きでいい?」「あぁ」「はい、どうぞ」 「えー!?」「焼き立て?」
「た 鯛は?」「あるよ」「えー!?」
「取り立て1匹、切り身、刺身、焼き魚?どれ?」
刺身を試食で出した。
「旨い!」「美味しい」「初めて食べた」
「商業ギルドで、予約制で販売します、今日だけでなく、明日からも食べられますよ。新鮮な海の幸。」
「…「なんですとぉー!」…」
「あんた、何者だ?」
「帝都ススペードから来ました、何でも屋です。」
慌てたのは、商業ギルドのお手伝いさん。
「ショウリ様、どう言うことですか?」
「妖精の館のゲートを使って、魚を運ばせます、鮮度が命の魚なので、完全予約制で、今、決めました。」
「…「なんですとぉー!」…」
子供達が、集まってきた。妖精の宣伝効果が現れ始めた。
「子連れのお客様には、お菓子のサービスを致します。薬草1つでも、クッキーやキャンディ、チョコレート、好きな物をサービスします。」

本命の店の前から、客が消えた。
全部僕の店に、回りの店は慌てない。何故なら、商業ギルドの使いが、話を付けていたから。 回りの店の商品も僕の店に、並んでいます。デリバリーボックスでの販売は、回りの店の商品も含まれます。
 回りの店は僕の店で売れれば売れるほど、顔がゆるんでいきます。
焦るのは、盗賊とグルの店の店主のみ。




残り1761日(2月7日)



妖精バンドの名前
〈男性バンド〉
『ディグダグ』
岩の妖精 ディカイ・ストーン
     ボーカル&マナギター

木の妖精 グラフ・トーン
     ボーカル&マナシンセイザー

闇の妖精 ダーク・オンブル
     メインボーカル、時々ドラム

土の妖精 グランド・クルス
     マナベース、時々サックス

〈女性ロックバンド〉
『クレヨン』
風の精霊 アーリヤ=クラリス
     マナギター

光の精霊 ルクス=クレア
     ショルダーマナキーボード

花の妖精 シ・クラメン
     マナベース

火の精霊 くれない
     ドラム

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