これって?ゲーム?異世界?

久留米天狗

第14話 誰かが見てる?(1)

第1章 両親の思い
第14話 誰かが見てる?(1)



前回のあらすじ

カメレオンスライム(亜種)に『エスプリ』という名前をつけました、ステータス入力…変更はエスプリには刺激的だったみたいです。ピンク色で可愛いくよがるエスプリを意識してしまう、ショウリはテントを建てた



「ショ…ショウリ~ ショウリのバカ~」
可愛い~ ピンクのエスプリが色っぽい声で呟く
パジャマにテントが建ちました

頭の上に飛び乗ったエスプリに優しく触りながら
「ど どうした?」


「バカ~」って可愛い過ぎます
バカにした「バカ」ではない…恋人関係の二人がイチャつく時などに使う「バカ」的なそれ
僕にはそういう経験がない…が、なんとなく分かる。エスプリが僕に甘えている
エスプリを優しく抱き、胸の前に降ろした


エスプリは、ピンク色で綺麗だ、通常灰色の核まで赤くなっている

「ショウリ…ボク…こんな体験、始めて…312年、生きて来たけど…ショウリが始めてなの…」

テントを張った状態でその言葉は、ダメです

「そ そ そ その~ そうだろうね…ステータスをいじれるスキル持ちは、珍しいだろうし、その人に会うことは、もっと無いことだろうし、ステータスをいじられることなんてそうそうないだろうし…」

僕は、ステータスの話に強引に結び付けて、そう答えた

「違う…違う」
エスプリは、とても可愛い声で目に涙を浮かべ否定した
「ショウリがね…入ってきたの…ボクの中に…」
エスプリは、もじもじしながら呟いた

 ~ ~ ~ ~ ~ ~
いやいやいやいやいや…
僕は、そんな事してませんから~
ステータスいじってましたから、エスプリきみには触ってませんから~
 両手の中のエスプリは温かく少し震えている、ピンク色で、その感触はまるでパイ乙…いや触った事ないから分かりませんが…
 ~ ~ ~ ~ ~ ~


僕は、これ以上、ここで…昼間の草原では…耐えられない、誰かに見られたら、変人になってしまう
スライム相手にテントを張る変態
強引に話題を変えた


「あの~、エスプリ…」
「僕は、この世界について何も知らないから、教えてもらえるかな?」
あからさまに、話題を変えた

「ショウリ…」
エスプリは、涙目で僕を見つめる

「エスプリ、聞いてくれ、その話しは、ここでは…今は、止めよう…なっ」
僕は、エスプリの言い方が男の子(僕ではなく下の方にある男の子です)を刺激する言い方だと説明した後、恥を忍んでテントが見せた
(たぶん、スライムにも分かるよね?この状況)

「キャッ ご ごめんなさい、分かった…」
手の中のエスプリが消え、熱くなっていた


「エスプリ、消えたそのままでいいから…答えて、この世界には詳しいんだよね?」

「そうでもない…ボクら、スライムは、余り移動しないモンスターだから……この辺りの事しか…」

「そう…この辺りの事しか、分からないのかぁ~」

「ショウリ…この世界の事が知りたいの?」

「あぁ、僕、目が覚めたら、ダダイヤ草原に居たんだよね…そして、君らに襲われた…だから、この世界の事なにも分からなくて…」

「だから、パジャマなんだね」
今更だけど僕は、パジャマのままです

「はははっ」
笑うしかなかった

 ~ ~ ~ ~ ~ ~
僕は、この時、気配を感じていた
見られたら、恥ずかしいそんなモードが敏感になっていたからなのか?
草むら等に隠れたような気配じゃない、スキルに反応がないし、敵意や殺気もない
隣の部屋から、聞き耳を立てているような…
見えない何かに見られてる?
(まさか、天界?神界?から…なんて事無いよね?)

ピンクモードから少し気持ちが落ち着いてから不思議な何かを感じていた
 ~ ~ ~ ~ ~ ~



「ねぇショウリ…スマホ使ったら?」

「????? はい?(・・;)?」
「スマホ?」

「うん、スマホ。たぶんスマホなら、ボクより詳しい情報ことが分かると思うよ」

(あれだけ激しく動いたのによく落ちなかったなぁ…そんな事を思いながら)
消えたままのエスプリを頭のところにやると頭に重さを感じた(乗ったな)
そして、パジャマのポケットからスマホを手に取った
そういえば、[未登録]だったよな

「へ~…ショウリのスマホ、黒なんだね?ボク、初めて見た」

「え? 黒って珍しいの?」

「よく分かんないけど、ランクで色が違うみたい」

「ランク? 冒険者の強さみたいな?」

「たぶん」

エスプリが見たことないって…300年以上生きてきて1度もない?このスマホも激レアかな?


取り敢えず、スイッチを入れてみよう

「…… 動かない?壊れてる?」
激しいバトルをしたから壊れた?そんな風に思っていたら

「魔力切れじゃない?」
エスプリの冷静な声が頭の上から聞こえた

「魔力 切れ?」

「じゃないかなっと」

「困ったなぁ…充電器持ってないよ…」

「ううん、スマホはね、魔力で充電するの。普通、魔力持ちが所持していたら、自然充電するの、魔力切れになることは無いの…ショウリみたいな魔力持ちで魔力切れになることは無いと思うんだけど、ショウリがこの世界に来たばかりだとしたら充電されて無い可能性があるの、箱出しのスマホ…だから魔力を込めてみたら?」

「自然充電ね、便利だね」
現実世界でも充電器に繋がない自然充電が出来たら便利だろうなぁと思いつつ魔力を込めた

箱出しねぇ…いつも使ってた僕のスマホと同じヤツなんだけどなぁ…

□□□□□□□□□□
空ってこと?

スマホの上…空中にゲージが出てきた…モンスターの頭の上に出るHPゲージようなものが…
みるみるゲージが…充電されていく
■□□□□□□□□□→


「凄いね…流石ボクのショウリ、急速充電されていくね♪」

エスプリにそんなことを言われると少し照れくさい
「ところで、エスプリは、スマホとかに詳しいね?」

「うん、ボクね、『擬態』で人間から気がつかなくなってから、町の中とかに行ってたの。魔道具屋の屋根裏にしばらく住んでたこともある。そんなことをしてたら、人間の言葉が分かるようになったの、魔道具屋はね、魔力を放つアイテムがいっぱいあるから、ボクの気配ことに気がつく人間はいなかったの、魔道具屋でスマホも修理するんだよ…だから」

「そうなんだ……なぁエスプリ…エスプリは友達とかいないの?」

「いない…」

「なぁエスプリ…僕の友達になってくれないかな?僕と一緒に居てくれないかなぁ、この世界が、夢なのか、ゲームなのか、異世界なのか?分からないけど、たぶん、この世界に僕の知り合いは居ないと思うんだ…僕と友達になってくれないか?」

エスプリは、姿を表し、長イスの上に降り、僕の方を見上げた
「ボク、モンスターだよ」

「そんなの関係ない、僕はエスプリと友達になりたい、友達になってくれますか?一緒に居てくれますか?」

「……………」
「ボクねボクねショウリと友達になりたい!一緒に居たい!ずっと一緒に居たい!」
エスプリが飛び付いてきた、僕は、片手で抱きしめた。

スマホは充電を終えていた(速っ)



〈作者の呟き〉
スマホ依存性?の作者も自然充電を熱望します


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