ラノベ作家になりたい俺とヒロインになりたい嫁

アレクさん

7話 二人が進む道

「ただいまー!」
カクヨムでいくつかの小説を読み終えて、掲載用の小説のプロットを立てていると、元気よく扉を開けてある人物が帰ってきた。嫁の美佳だ。


「おかえりー!」
俺も玄関まで赴き、そして美佳を優しく抱きしめて、数秒で開放する。
昨日のように極端にテンションが下がっていない限り、どちらかが帰宅すると俺たちは毎回こうして抱きしめ合う。これが俺たちなりの愛情表現だ。


「なんか、うれしそうだな」
今日はなんだか、テンションが高い。何かいいことでもあったのだろうか。いや、あったのだろう。美佳はすぐに感情が態度に表れるから。
「うん!今日ね、久しぶりに深見さんに会ったの!それでね、私はこれから声優として、どうしていけばいいかってことをアドバイスしてもらったの。今までがむしゃらに努力してきたけど、そうじゃなかったんだって。なんか、自分が何をしていけばいいか見えた気がする…」
そう言った美佳の顔は、どこか硬い意志がこもっていて、前を向いていた。
こんな美佳の顔を見たのはいつぶりだろうか。
…俺も頑張らなくちゃな。


「ゆうくん、今日は何してたの?」
レッスンでかいた汗を風呂で洗い落とし、部屋着に着替えた美佳がリビングに入って聞いてきた。
「新作のプロット作ってた。机の上にノートパソコン置いてるから見ていいよ」
俺はキッチンで晩御飯を作りながら答える。
「うん。…あれ?次はサイスター文庫には送らないの?この、カクヨムって…?」
「あぁ、それはネット小説だよ。昨日、渡瀬わたせさんにネット小説に投稿することを勧めてもらったんだよ。それでさっきまで色んな作品を読んでて、自分のスキルアップにはネット小説への投稿もありなんじゃないかなって」
「そうなんだ。ジャンルを大学生ラブコメに変えたのはどうして?」
「今まで一つの観念にとらわれすぎてたかなって。ラブコメにもいろいろジャンルがあって、違うジャンルに挑戦するのもいいのかもって。それに、俺の恋愛経験って美佳だけだからさ、大学生ラブコメが一番書けるのかなって思って」
そう言うと、美佳は少し頬を染めていた。美佳自身も、恋愛経験は俺だけなので不意に俺が変なこと言ったから照れてるのかもしれない。


「…そっか、ねぇ、ゆうくん。結婚してくれてありがとね」
「なんだよ、急に…。ほらっ、ごはんできたぞ!机の上片付けて」
不意の美佳の発言に対して照れ隠しをしながら言う。
今のは反則だ。…可愛すぎる。


「はいはい。……頑張ろうね、私たち」
真面目な顔になり、美佳がそう言ってくる。
「あぁ。俺たちの夢の実現のために」
そう。俺たち夫婦にはある夢がある。


「俺がラノベ作家になって、アニメ化する」
「私がゆうくんの作品のヒロインになる」
これを実現したからどうということはない。
でも、きっと幸せな未来が待っているのだろう。


決して簡単な道ではない。実際に俺は10年もつまずいている。
美佳も4年間立ち往生だ。


しかし、お互い自分の目指すべきが見えてきた。
今なら叶えられる気がする。

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