最弱天職でなんとか生きていきます!
4話 死の香り
ガァァァァァァ!!!!!
叫びを上げた大男が周囲に目を走らせる。
先ほどの雄叫びに反応したかのように、柱の陰に隠れた何かが動く。
それを見つけた大男は、柱に向かってその大きな腕を振り下ろす。腕が振り下ろされる寸前、柱から人が飛び出した。
「チッ!なんでわかるんだよ!しかもうるさいし!」
大男の腕は柱をあっけなく壊し、地面にクレーターをつくった。
大男に似たオーガはさっきの飛び出した人、カムを追いかける。オーガはその巨体からは想像も出来ないスピードで追いつこうとする。しかし、追いつけなかった。なぜなら地面が揺れはじめたからだ。本来ならば、オーガという存在はこの迷宮にはいないはずだが、なぜか出現し暴れまくったのだ。それにオーガはVIIランクの中でもパワーが強いため、I, II, III程度の魔物しかいない迷宮の地面では耐えられなかったのだ。
「ちょっ!なんで地面が揺れてるんだ!」
そして地面に亀裂ができ、だんだんと大きくなりはじめた。
だが、オーガは揺れや亀裂を気にすることもなく真っ直ぐにカムに向かって走る。そのせいか、地面の亀裂が更に大きくなった。地面が割れるのも、もう時間の問題だ。
「クソっ!!こんなところで死んでたまるか!」
カムは亀裂の少ない場所に向かおうとした瞬間、ついに地面が割れた。
「地面がっ!?俺は絶対に死なない!!生き抜いてみせる!」
オーガも、ともに落ちていく。奈落の底へ。
ガァァァァァァ!!!!!
〈レナ〉
ゴゴゴゴゴゴ!!!!
「?地面が揺れてる?今までにこんなことはありましたか?ディートさん」
「いや、なかったな。オーガが暴れている影響かもしれんな」
その時、奥の方から地面が割れるような音が聞こえた。
今までにも何かが壊れるような音が聞こえたりしたが、この音はレナを不安にさせるほど大きかった。
「カム、大丈夫かな」
「あいつなら大丈夫だろう!ほらもうすぐで着く!」
「そう……ですね」
なぜかレナの不安は晴れないままだった。
レナの不安は的中した。
レナたちが着いた頃には地面が無かったのだ。
「おいおい。嘘だろ!?どうして地面が無くてオーガもカムもいないんだ?」
「そんなっ!!!どうしてカムがいないの!?私は……間に合わなかったの?」
カムとオーガがいたエリア自体が割れてしまっていた。あるのは奈落への入り口のみで、カムもオーガもいなかった。
レナはしばらくして現実を理解したのか、ここが迷宮ということも忘れて大声で泣きはじめた。
カムっ!絶対に死なないって約束したのに!!
どうしていないのよ!
そこへ、ディートがレナに言った。
「レナ!カムが死んだ証拠はないのだろう?なら、まだ生きているかもしれない。そう信じろ!それにこの迷宮に奈落の底があると今回初めて知った。だから危険があるかもしれないし、もしかしたら安全かもしれない。生きてるか分からないなら、生きていると信じろ!そして、強くなって助けに行くんだ!」
この言葉はレナの心に強く響いた。
そしてこう思いはじめた。
まだ死んだ証拠は見つかってない。ならカムは生きているかもしれない、と。
「わかりました。確かに、カムが死んだ証拠は無いので、生きていると信じることにします。そして助けに行くことにします!」
他の人がこの現場を見れば確実に生きているはずがないと言うだろう。しかし、レナはカムの幼馴染なのだ。
死んだなんて思わない。生きていると信じる。
それが今日、レナが心に決めたことだった。そして、レナは強くなる決意をした。
〈カム〉
「うぅ、どこだここは?………そういえば俺は落ちたんだ!」
カムが起き上がると、そばにオーガが溶けて死んでいた。そして、カムは足に変な感触を感じた。
プニプニ    プニプニ  とても柔らかい!!
大きなスライムだった。暗いためどんなスライムかわからないが、カムはスライムの上に乗っていた。ちょうどスライムの上に落ちたのだろう。
「えぇ〜〜〜!!!なんでこんな大きいスライムがいるんだよ!」
カムが上にいることに気づいたのか、スライムがカムを狙って動き出した。
「オーガの次はスライムかよ!!早く安全な場所を見つけないと!」
カムは走った。スライムは遅いが、触手で攻撃してくるので大変だった。
なんとか逃げ切ったのだろう。スライムはもういなかった。
「なんで今日はこんなに追いかけられるんだ。……あれは」
何かを見つけたのか、カムが壁に向かう。
カムが見つけたのは、ちょうど人が1人入れるくらいの穴だった。
「他に良さそうな場所も無いし、ここで過ごすか」
中は少し広めで水が湧き出ていて、魔物もいなかった。今の状況では良い場所と言えるだろう。だが、少し広めといっても立ち上がれずしゃがむしかないので大変だろう。
「これからどうしようか」
更新が遅くなりました。受験生なので勉強もして、これも書くとなると時間があまり無いですね笑
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叫びを上げた大男が周囲に目を走らせる。
先ほどの雄叫びに反応したかのように、柱の陰に隠れた何かが動く。
それを見つけた大男は、柱に向かってその大きな腕を振り下ろす。腕が振り下ろされる寸前、柱から人が飛び出した。
「チッ!なんでわかるんだよ!しかもうるさいし!」
大男の腕は柱をあっけなく壊し、地面にクレーターをつくった。
大男に似たオーガはさっきの飛び出した人、カムを追いかける。オーガはその巨体からは想像も出来ないスピードで追いつこうとする。しかし、追いつけなかった。なぜなら地面が揺れはじめたからだ。本来ならば、オーガという存在はこの迷宮にはいないはずだが、なぜか出現し暴れまくったのだ。それにオーガはVIIランクの中でもパワーが強いため、I, II, III程度の魔物しかいない迷宮の地面では耐えられなかったのだ。
「ちょっ!なんで地面が揺れてるんだ!」
そして地面に亀裂ができ、だんだんと大きくなりはじめた。
だが、オーガは揺れや亀裂を気にすることもなく真っ直ぐにカムに向かって走る。そのせいか、地面の亀裂が更に大きくなった。地面が割れるのも、もう時間の問題だ。
「クソっ!!こんなところで死んでたまるか!」
カムは亀裂の少ない場所に向かおうとした瞬間、ついに地面が割れた。
「地面がっ!?俺は絶対に死なない!!生き抜いてみせる!」
オーガも、ともに落ちていく。奈落の底へ。
ガァァァァァァ!!!!!
〈レナ〉
ゴゴゴゴゴゴ!!!!
「?地面が揺れてる?今までにこんなことはありましたか?ディートさん」
「いや、なかったな。オーガが暴れている影響かもしれんな」
その時、奥の方から地面が割れるような音が聞こえた。
今までにも何かが壊れるような音が聞こえたりしたが、この音はレナを不安にさせるほど大きかった。
「カム、大丈夫かな」
「あいつなら大丈夫だろう!ほらもうすぐで着く!」
「そう……ですね」
なぜかレナの不安は晴れないままだった。
レナの不安は的中した。
レナたちが着いた頃には地面が無かったのだ。
「おいおい。嘘だろ!?どうして地面が無くてオーガもカムもいないんだ?」
「そんなっ!!!どうしてカムがいないの!?私は……間に合わなかったの?」
カムとオーガがいたエリア自体が割れてしまっていた。あるのは奈落への入り口のみで、カムもオーガもいなかった。
レナはしばらくして現実を理解したのか、ここが迷宮ということも忘れて大声で泣きはじめた。
カムっ!絶対に死なないって約束したのに!!
どうしていないのよ!
そこへ、ディートがレナに言った。
「レナ!カムが死んだ証拠はないのだろう?なら、まだ生きているかもしれない。そう信じろ!それにこの迷宮に奈落の底があると今回初めて知った。だから危険があるかもしれないし、もしかしたら安全かもしれない。生きてるか分からないなら、生きていると信じろ!そして、強くなって助けに行くんだ!」
この言葉はレナの心に強く響いた。
そしてこう思いはじめた。
まだ死んだ証拠は見つかってない。ならカムは生きているかもしれない、と。
「わかりました。確かに、カムが死んだ証拠は無いので、生きていると信じることにします。そして助けに行くことにします!」
他の人がこの現場を見れば確実に生きているはずがないと言うだろう。しかし、レナはカムの幼馴染なのだ。
死んだなんて思わない。生きていると信じる。
それが今日、レナが心に決めたことだった。そして、レナは強くなる決意をした。
〈カム〉
「うぅ、どこだここは?………そういえば俺は落ちたんだ!」
カムが起き上がると、そばにオーガが溶けて死んでいた。そして、カムは足に変な感触を感じた。
プニプニ    プニプニ  とても柔らかい!!
大きなスライムだった。暗いためどんなスライムかわからないが、カムはスライムの上に乗っていた。ちょうどスライムの上に落ちたのだろう。
「えぇ〜〜〜!!!なんでこんな大きいスライムがいるんだよ!」
カムが上にいることに気づいたのか、スライムがカムを狙って動き出した。
「オーガの次はスライムかよ!!早く安全な場所を見つけないと!」
カムは走った。スライムは遅いが、触手で攻撃してくるので大変だった。
なんとか逃げ切ったのだろう。スライムはもういなかった。
「なんで今日はこんなに追いかけられるんだ。……あれは」
何かを見つけたのか、カムが壁に向かう。
カムが見つけたのは、ちょうど人が1人入れるくらいの穴だった。
「他に良さそうな場所も無いし、ここで過ごすか」
中は少し広めで水が湧き出ていて、魔物もいなかった。今の状況では良い場所と言えるだろう。だが、少し広めといっても立ち上がれずしゃがむしかないので大変だろう。
「これからどうしようか」
更新が遅くなりました。受験生なので勉強もして、これも書くとなると時間があまり無いですね笑
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