不幸な男は異世界で最強になったようです

大島 こうのすけ

51#思わぬ登場

お待たせ致しました。かなりリアルが忙しかったものですから。本当に申し訳ありません。べっ、別に失踪してたとかじゃ...........なな、ないんだからねッ!




夜が明けた、明けたのはいいんだがまず状況説明をしよう。布団に入ってはいるんだ、入ってはいるんだがハクアが完全に俺の上で寝てるのね、これ。だからさ、身動き出来ないんだよこれ。


「はぁ、どうすっかなぁ..........」

「ん、んん〜ん?んん..........」


寝ている顔はとても穏やかで、昨日見たような表情とは全然違う。すごく可愛いんだよなぁ..........。てか今思ったが浴衣ずれて大きいのが見えそうじゃんか!!まて、意識したら感触が.........!


「ちょ..........」

「しょうら〜♡」


なんの夢見てんの!?ちょ、まずいって!抱きつくのはまずいって!
抱きついた瞬間に胸があたって感触が...........。まずい、動けないし。


「ちょ、ハクア!」

「ん、............んん?..............っ!!!?」


目が覚めたハクアが俺を認識した瞬間、固まる。そしてそのまま起き上がった瞬間、パサりと浴衣が落ちて彼女の巨乳が顕になる。............目、逸らしとこ。


「な、なな............」

「............ミテナイデ〜ス」

「この状況でどうやったら見えないのだ!この変態!」


俺はそのまま理不尽なビンタを食らうこととなった。



頬に平手打ちのあとを残しながら俺は虚ろな目で食事をとっていた。何故かって?そんなの理不尽だからに決まってるじゃないっすか。


「痛ぇ...........あいつ、女のくせに力強すぎだろ............」

「主も女難だな」

「ああ神威...........朝からいい目覚まし貰ったよチクショウ」

「朝が弱い主にとっては好都合ではないか」

「うっせ。ほっとけ」


とりあえず朝風呂に向かった。今度こそ昨日みたいな失敗はしない、しっかりと表札を確認して入った。服を脱いで温泉に入る。やはり三日目でも気持ちいいな。


「朝風呂最高〜♪」


と、今度こそ至福に浸っている時、例外イレギュラーが起きた。


「はぁ、俺を休暇させるなど魔王様も一体何を考えて.............」

「ん?」


瞬間、その男と目が合った。肉付きのいい体をしたその男、やだイケメン!。あれ?でもなんか見たことあるよな............んん?


「.............お、お前は!」

「ちょ、ちょっと待ってくれ!まだ名乗るな!」

「は?何を言って..........」

「ササだ!暗殺者アサシンのササ!」

「ズズだ!魔王幹部暗殺者アサシンのズズだ!」

「あー、そうだった☆」

「お前、さっきまで間違えてたろ!」

「まぁ気にしない気にしない〜」

「ふん!ここであったが100年目!今ここでお前をっ...........」

「あ、そこにせっけn............」


注意喚起しようとした直後、まるでコントを見ているかのようにそこに設置されていた(?)石鹸に足を取られそのままズズは頭から風呂のタイルに激突した。痛みで後頭部を抑えて転げ回っている。


「..............お前、ネタキャラって言われない?」

「うるさいっ!」

「あーあ、怪我してるし」

「だまれっ!なんのこれしき!」

「まぁいいけどさ、なんでこんなとこにいるんだ?」

「魔王様が急に俺に休暇を...........ってなぜ貴様に話さなければならない!」

「そうピリピリしなさんなって〜。んでまぁ暇を出されてここに来たわけだ」

「............まぁそういう事だ。なぜ貴様はここにいる!」

「俺は仲間と旅行中。あと俺の療養も兼ねてる」


まぁ実は新婚旅行的な意味もあるんだけどな、まだ結婚はしてないけど。指輪送ってないけど、初夜.............ゲフンゲフン、これ以上はやめようじゃないか読者様。


「なるほど、つまりは今が好機!死ねぇぇぇぇぇぇぇ!」

「うわっ、なんで風呂にそんなもん持ち込んでんだよ!危ないだろ!」

「知るかっ!これが俺だ!」

「...............なーんてな、そいっ!」

「んなっ!?、がぁっ!」


近くにあってオケを投擲したらズズの顔面に直撃、ナイスピッチ〜ング!そのままズズはスライディングするようにタイルを転がって俺の目の前で止まった。


「くっ、貴様、風呂でさえも味方につけるのか!」

「まぁまぁ、今はお互い仕事放棄で風呂に浸かろうじゃないか」

「っ、まさか貴様に説得される日が来ようとはな」


と、なんだかんだ言って洗体し始めるズズさん。まぁ今は一観光者だしね、うんうん。


「.........まぁ風呂も、悪くは無いな」

「だろ?日頃の疲れが飛ぶだろ?」

「..................まぁな。ところで貴様、ヘラクレスの1件から何をしていた?」

「お前らこそ全然攻めてこねーから何してたのか気になってたんだけど」

「それは言えんな。お前は言えるだろ」

「俺は色々してたぞ。うん色々」

「もっと詳細を話せ!」

「だってお前が話さないんだも〜ん。話さないよ〜だ」

「................ならこの話は終わりだ」


と、ズズは湯船から上がり出口の方へと向かおうとする。


「あれ?もう上がるのか?」

「俺は元々風呂は短い方だ。貴様みたいに逆上せるまで入りはしない」

「ふ〜ん、お前、やっぱり人間だな」

「っ............と、とにかくこうしていられるのは今回だけだ!次会った時は殺す!じゃあな!」


そうして去り際に扉を閉めたが最後右足のかかと挟まってたんだよな。もう爆笑もいいところだ。


「............あいつ、最後までかっこつけられたことないんだろうな、可哀想に」



風呂上がりにいつもの定番を飲んだ俺は部屋に戻っていた。特にやることもないしエンペラーの手入れでもしよう、というわけだ。と、扉が開いた。


「お邪魔しますね♪マスター♪」

「ん、ミリア、おはよう」

「おはようございます。朝からハクアさんにビンタされたと聞いたんですが」

「話が早いことで...........。理不尽だよ本当に」

「なので塗り薬をと。はいマスター、頬を近づけてください」


と、近づけると何やら緑色のものを頬をかき回すように塗りつけてくる。俺は塗り薬みたいにいつまでもベタつくやつが苦手なんだよな............。


「はい、これでいいですよ」

「ありがとう。ちなみになにそれ」

「傷口とかに塗ると大変効き目のある薬ですよ。シャーレの葉とサイミスの葉を掛け合わせて作ったんです」

「そういえばエルフは薬草学も詳しいんだっけ」

「はい♪。マスターもこの際学んでみますか?」

「んー、まだいいかな。また今度な、今度」

「分かりました。じゃあ

「え?、行くってどこに?」

「観光ですよ、か・ん・こ・う♪」


いつもの唐突な提案に俺は今日も振り回されるのであった。

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