不幸な男は異世界で最強になったようです
41天界の危機
翔太達が雪まつりをしている時、魔界アインズヘルムでは、大きな野望が蠢いていた。
ここ、アインズヘルムは天界のアークと対立関係にあり、天界の最高神女神アテナと、魔界の最高悪魔悪魔サタンは宿敵でもあった。
そして今、天界の悪魔に対して張られた結界を打ち破り、天界を悪魔界の支配下に置こうという野望の計画がされていた。
「申し上げます。天界への攻撃準備、整いました。いつでも準備は出来ているとのことです」
「ふむ、よくやった。実行は明日、あの天に飛ぶ羽虫共を駆逐し、天界を我がものとする」
「御意」
この計画が、翔太たちに波乱を巻き起こすことはまだ本人達は知らない。
◇
同刻、天界ガルガンド
「はぁ......」
「どうしたのですかクレア。すごく元気がないように見えますが」
「最近、ハクアと連絡を取ってませんから、少し心配なのですよ」
「大丈夫ですよ、ハクアは安心です。そう言えば、最近ショウタさんが剣聖になられたらしいですよ」
「え!ショウタさんが!?あの先代を速攻倒したとされている剣聖に勝ってですか!?」
「そのようですね、ロイから聞いた時は驚きましたが、ショウタさんならば確実にありえます。今度こちらに来た時に伺えばいい話ですよ」
「そうですね、ハクアのことも聞いておきたいですしね。それはそれでアテナ様、嫌な予感がします。近いうちに何かが起きるかと」
「そうですか、クレアの予感は本当に当たるので注意しておきます」
アテナはそうして、自身の近くに武器を近づけていた。確実に戦闘の予想がしたのだろう。その時、どこからか激しい爆音が城内に轟き、戦天使がかけてくる。
「アテナ様!大変です!」
「どうしました!?」
「何者かによって天界と魔界の間の結界が破壊されました!すぐに戦闘準備をなさってください!私はこれで!」
そう言うと戦天使は城内を駆けていった。
「クレア!至急天翼十二議会を集めなさい!」
「了解しました!」
クレアも城内を駆けていった。数分して、ハクアを除く天翼十二議会の11人が集まった。
「皆さん、聞いているとは思いますが結界が破壊されました。おそらくもうすぐサタンがやって来ることでしょう。ハクアがいなくとも皆さんはこの天界を守れますね。頼みましたよ」
「アテナ様、どこへ向かいましょうか!」
「クレア、アズリエルは、破壊されたところで悪魔の進行を止めてください!ガブリエル、ルミエル、マリンは天界内に転移してきた悪魔の処理、残りは城の護衛です!」
「「了解しました!」」
そう言って11人の戦天使は散らばって行った。
「.....さて、私が散らばらせるからそこに幹部を送るという姑息な真似をするために待ち伏せしていたサタン、出てきなさい」
「ふむ、やはり貴様には気付かれるか。だが勘違いするな、我は貴様を封印しここを我がものとするためだけに単独で来た、他の幹部は各自で動いている。最も、貴様ら羽虫ごときに我の幹部は倒せんがな」
「随分と口を聞くようになりましたね。もう1度沈めて差し上げます」
「やれるならやってみるがいい、もう我は貴様に遅れをとるようなことは無い」
「ニケ!」
「ダインスレイフ!」
アテナは槍、サタンは剣を構えて対峙する。ニケの槍からは聖なる光、ダインスレイフの剣からはおぞましいオーラが溢れ出ていた。
両者床を蹴り獲物を振る。金属音があたりに響き、火花が散る。だが、両者互角といったところだろうか、どちらも傷ついている様子がない。
「中々やるな、やはり腕を上げたか」
「あなたこそ、どれだけ私への恨みが多いかわかりましたよ」
「ふん、ほざけ。貴様などに我が憎悪がわかってたまるものか」
両者の獲物がまたもぶつかり合う、だが今回はダインスレイフの方が早かった。
振り切ったダインスレイフはアテナの肩をかすり、血をつけた。
「さぁ、これで分かったか?我の方が有利だ」
「何を言ってるんですか、まだかすっただけです」
「ふん、時期に思い知るさ、はぁ!」
「ぐっ!なぜさっきよりも重く!?」
振り下ろされた剣はニケによって受けられるが、その一撃はとても重かった。
「貴様の血をもらったことに気づかなかったか?」
「.....!?まさか!」
「やっと気づいたか、だがもう遅い。『ダインロード』!」
跳ね返ったニケごとアテナの体が切り刻まれていく。その刃は体をかするだけだが、どんどんとアテナの自由を奪っていく。
「はぁ......はぁ......はぁ.......か、体が.......」
「思うようには動かぬだろう?まぁ、当然だ。最後に貴様にこの剣の秘密を教えてやろう。この剣は相手の血を少しでも浴びると相手の体のエネルギーを少しすつ奪っていく。もうほとんどたってもいられないだろう?」
「くっ.......でもあなたは私を侮っている。私にはまだ奥の手があります」
「.....なんだと?」
瞬間、ニケが輝き出す。そしてアテナは残る力すべてを込めて、ニケをサタンめがけて投擲した。
「はぁぁぁぁ!『光玉の槍』!」
「ちっ!ぬぅぅぅぁぁぁぁ!」
サタンはその攻撃さえも跳ね返し槍を彼方へと飛ばす。
「さぁ、これで貴様もおしまい........なぜ笑っている?」
「本当に集中が私だけに向いていてくれて助かりました。あの槍を投擲したのはあなたにではありません」
「........!まさか!」
「残念ですが、もう届きませんよ?あなたが槍を見つけるより先にあなたを倒しにやってくる。ざまぁ.......みろ.........で..............す」
あとは頼みましたよ、ショウタさん!
◇
数分前、リターナ屋敷にて。
「なぁハクア、最近暇じゃね?」
「そうだな、案外お前との生活に変化が訪れたこと以外は暇でしかないな」
「いい加減クエスト行くか?」
「今度みんなで行こう。私も長い間能力を使ってないからな」
「それもいいな、ん........?」
俺の『探知』に何かが引っかかった。反応は2つ、無機物と有機物だ。物凄いスピードでこちらへと向かってくる。
「ハクア.........どけっ!」
「え?ちょっ!」
激しい轟音とともにさっきまでハクアがいた所の地面に半径数メートルのクレーターが出来た。そして、その中心に槍が刺さっており、1人の戦天使が倒れていた。
「クレア......?クレア!!」
「ハク......ア?よかっ........た」
「おい誰か!こいつを医療室に運んでやってくれ!」
数分後、騒ぎを聞きつけたメイド3人が来てクレアを医療室へと運んだ。ニケは俺が回収しておいた。
〜5時間後〜
「うん..........ここは」
「よかった、クレア!目覚めたか!」
「ハクア?そうか。私気絶したんだな」
「そういやクレアさん、何が?」
「そうですね、パーティーメンバーを集めてください。お話したいことがあります」
そうして数分後集まったメンバーに天界に地獄の悪魔族とその頂点に至る魔神サタンが攻めてきたこと、アテナが自分が負けそうになったのを予知して、最後の力を振り絞ってクレアごと俺たちの元へ飛ばしたこと、今天界はとても危険な状態にあることが話された。
「........まさか私がいない間にそんなことが............くそっ!」
ハクアは怒りのあまり壁に拳を叩きつける、相当怒っているようだ。
「だから俺達に助けを要請したのか、なるほどな」
「時にショウタさん、最近剣聖になられたんですよね?」
「.......話が早いようで。最近、本当に1ヶ月ほど前になりました」
「今はその話をしてほしいところですが、時間がありません。一刻を争います!うっ!........」
「無理しなさんな、肩を脱臼してんだから。そいつを倒せばいいんだよな?」
「倒す......追い払えらればそれが一番ですが。何せ倒してしまうと地獄の統率者がいなくなり地獄の均衡が守れなくなるからです」
「でも、倒さねぇとそいつまた来るんじゃねぇの?」
「わ、私が結界を張り直します!」
声を上げたのはルビーだった。その目には覚悟がこもっていた。
「ルビーできるのか?」
「私の職業は上位職が精霊関係なくなってしまうので今の私にしか退魔の決壊は張れないんです、だから私がやるしかないんです。クレアさん、結界はどこが壊れていますか?」
「天界の3分の1が壊されています」
「.......なるほど。分かりました、私がやります」
「なら、ルビーに結界はすべて任せるとして、問題はどうやってあいつをどうするかだな」
「正直、我ら天翼十二議会では1人も歯が立ちません。全員揃ってやっとまともに戦えるかどうかというところです.......」
「そうか、やっぱり俺しかねぇかな」
「......無茶です!いくらショウタさんでもあいつに勝てるかどうかなんて.......」
「分からない、だろ?そんなの俺だってわからない。俺は自分に絶対的な自信なんてないんだよ、やれることはやるだけだ。まぁ負けるわけには行かないんだけどな」
「クレア、残念ながらショウタは負け知らずだ。前も心配なことはあったがなんともなく帰ってきた。今回もやってくれるだろう、私たちを信じてくれ」
「....確かにショウタさんは今無敗と巷ではよく聞きます。それにハクアの太鼓判もあるなら、任せます。我々を救ってください」
クレアはそう言うと俺に頭を下げる。こんな後継あんまり見たことなかったから割と対応出来ない。
「あ、ああ任せろ。俺があいつを何とかしてやるぜ」
というわけで早速作戦会議が始まった。
ここ、アインズヘルムは天界のアークと対立関係にあり、天界の最高神女神アテナと、魔界の最高悪魔悪魔サタンは宿敵でもあった。
そして今、天界の悪魔に対して張られた結界を打ち破り、天界を悪魔界の支配下に置こうという野望の計画がされていた。
「申し上げます。天界への攻撃準備、整いました。いつでも準備は出来ているとのことです」
「ふむ、よくやった。実行は明日、あの天に飛ぶ羽虫共を駆逐し、天界を我がものとする」
「御意」
この計画が、翔太たちに波乱を巻き起こすことはまだ本人達は知らない。
◇
同刻、天界ガルガンド
「はぁ......」
「どうしたのですかクレア。すごく元気がないように見えますが」
「最近、ハクアと連絡を取ってませんから、少し心配なのですよ」
「大丈夫ですよ、ハクアは安心です。そう言えば、最近ショウタさんが剣聖になられたらしいですよ」
「え!ショウタさんが!?あの先代を速攻倒したとされている剣聖に勝ってですか!?」
「そのようですね、ロイから聞いた時は驚きましたが、ショウタさんならば確実にありえます。今度こちらに来た時に伺えばいい話ですよ」
「そうですね、ハクアのことも聞いておきたいですしね。それはそれでアテナ様、嫌な予感がします。近いうちに何かが起きるかと」
「そうですか、クレアの予感は本当に当たるので注意しておきます」
アテナはそうして、自身の近くに武器を近づけていた。確実に戦闘の予想がしたのだろう。その時、どこからか激しい爆音が城内に轟き、戦天使がかけてくる。
「アテナ様!大変です!」
「どうしました!?」
「何者かによって天界と魔界の間の結界が破壊されました!すぐに戦闘準備をなさってください!私はこれで!」
そう言うと戦天使は城内を駆けていった。
「クレア!至急天翼十二議会を集めなさい!」
「了解しました!」
クレアも城内を駆けていった。数分して、ハクアを除く天翼十二議会の11人が集まった。
「皆さん、聞いているとは思いますが結界が破壊されました。おそらくもうすぐサタンがやって来ることでしょう。ハクアがいなくとも皆さんはこの天界を守れますね。頼みましたよ」
「アテナ様、どこへ向かいましょうか!」
「クレア、アズリエルは、破壊されたところで悪魔の進行を止めてください!ガブリエル、ルミエル、マリンは天界内に転移してきた悪魔の処理、残りは城の護衛です!」
「「了解しました!」」
そう言って11人の戦天使は散らばって行った。
「.....さて、私が散らばらせるからそこに幹部を送るという姑息な真似をするために待ち伏せしていたサタン、出てきなさい」
「ふむ、やはり貴様には気付かれるか。だが勘違いするな、我は貴様を封印しここを我がものとするためだけに単独で来た、他の幹部は各自で動いている。最も、貴様ら羽虫ごときに我の幹部は倒せんがな」
「随分と口を聞くようになりましたね。もう1度沈めて差し上げます」
「やれるならやってみるがいい、もう我は貴様に遅れをとるようなことは無い」
「ニケ!」
「ダインスレイフ!」
アテナは槍、サタンは剣を構えて対峙する。ニケの槍からは聖なる光、ダインスレイフの剣からはおぞましいオーラが溢れ出ていた。
両者床を蹴り獲物を振る。金属音があたりに響き、火花が散る。だが、両者互角といったところだろうか、どちらも傷ついている様子がない。
「中々やるな、やはり腕を上げたか」
「あなたこそ、どれだけ私への恨みが多いかわかりましたよ」
「ふん、ほざけ。貴様などに我が憎悪がわかってたまるものか」
両者の獲物がまたもぶつかり合う、だが今回はダインスレイフの方が早かった。
振り切ったダインスレイフはアテナの肩をかすり、血をつけた。
「さぁ、これで分かったか?我の方が有利だ」
「何を言ってるんですか、まだかすっただけです」
「ふん、時期に思い知るさ、はぁ!」
「ぐっ!なぜさっきよりも重く!?」
振り下ろされた剣はニケによって受けられるが、その一撃はとても重かった。
「貴様の血をもらったことに気づかなかったか?」
「.....!?まさか!」
「やっと気づいたか、だがもう遅い。『ダインロード』!」
跳ね返ったニケごとアテナの体が切り刻まれていく。その刃は体をかするだけだが、どんどんとアテナの自由を奪っていく。
「はぁ......はぁ......はぁ.......か、体が.......」
「思うようには動かぬだろう?まぁ、当然だ。最後に貴様にこの剣の秘密を教えてやろう。この剣は相手の血を少しでも浴びると相手の体のエネルギーを少しすつ奪っていく。もうほとんどたってもいられないだろう?」
「くっ.......でもあなたは私を侮っている。私にはまだ奥の手があります」
「.....なんだと?」
瞬間、ニケが輝き出す。そしてアテナは残る力すべてを込めて、ニケをサタンめがけて投擲した。
「はぁぁぁぁ!『光玉の槍』!」
「ちっ!ぬぅぅぅぁぁぁぁ!」
サタンはその攻撃さえも跳ね返し槍を彼方へと飛ばす。
「さぁ、これで貴様もおしまい........なぜ笑っている?」
「本当に集中が私だけに向いていてくれて助かりました。あの槍を投擲したのはあなたにではありません」
「........!まさか!」
「残念ですが、もう届きませんよ?あなたが槍を見つけるより先にあなたを倒しにやってくる。ざまぁ.......みろ.........で..............す」
あとは頼みましたよ、ショウタさん!
◇
数分前、リターナ屋敷にて。
「なぁハクア、最近暇じゃね?」
「そうだな、案外お前との生活に変化が訪れたこと以外は暇でしかないな」
「いい加減クエスト行くか?」
「今度みんなで行こう。私も長い間能力を使ってないからな」
「それもいいな、ん........?」
俺の『探知』に何かが引っかかった。反応は2つ、無機物と有機物だ。物凄いスピードでこちらへと向かってくる。
「ハクア.........どけっ!」
「え?ちょっ!」
激しい轟音とともにさっきまでハクアがいた所の地面に半径数メートルのクレーターが出来た。そして、その中心に槍が刺さっており、1人の戦天使が倒れていた。
「クレア......?クレア!!」
「ハク......ア?よかっ........た」
「おい誰か!こいつを医療室に運んでやってくれ!」
数分後、騒ぎを聞きつけたメイド3人が来てクレアを医療室へと運んだ。ニケは俺が回収しておいた。
〜5時間後〜
「うん..........ここは」
「よかった、クレア!目覚めたか!」
「ハクア?そうか。私気絶したんだな」
「そういやクレアさん、何が?」
「そうですね、パーティーメンバーを集めてください。お話したいことがあります」
そうして数分後集まったメンバーに天界に地獄の悪魔族とその頂点に至る魔神サタンが攻めてきたこと、アテナが自分が負けそうになったのを予知して、最後の力を振り絞ってクレアごと俺たちの元へ飛ばしたこと、今天界はとても危険な状態にあることが話された。
「........まさか私がいない間にそんなことが............くそっ!」
ハクアは怒りのあまり壁に拳を叩きつける、相当怒っているようだ。
「だから俺達に助けを要請したのか、なるほどな」
「時にショウタさん、最近剣聖になられたんですよね?」
「.......話が早いようで。最近、本当に1ヶ月ほど前になりました」
「今はその話をしてほしいところですが、時間がありません。一刻を争います!うっ!........」
「無理しなさんな、肩を脱臼してんだから。そいつを倒せばいいんだよな?」
「倒す......追い払えらればそれが一番ですが。何せ倒してしまうと地獄の統率者がいなくなり地獄の均衡が守れなくなるからです」
「でも、倒さねぇとそいつまた来るんじゃねぇの?」
「わ、私が結界を張り直します!」
声を上げたのはルビーだった。その目には覚悟がこもっていた。
「ルビーできるのか?」
「私の職業は上位職が精霊関係なくなってしまうので今の私にしか退魔の決壊は張れないんです、だから私がやるしかないんです。クレアさん、結界はどこが壊れていますか?」
「天界の3分の1が壊されています」
「.......なるほど。分かりました、私がやります」
「なら、ルビーに結界はすべて任せるとして、問題はどうやってあいつをどうするかだな」
「正直、我ら天翼十二議会では1人も歯が立ちません。全員揃ってやっとまともに戦えるかどうかというところです.......」
「そうか、やっぱり俺しかねぇかな」
「......無茶です!いくらショウタさんでもあいつに勝てるかどうかなんて.......」
「分からない、だろ?そんなの俺だってわからない。俺は自分に絶対的な自信なんてないんだよ、やれることはやるだけだ。まぁ負けるわけには行かないんだけどな」
「クレア、残念ながらショウタは負け知らずだ。前も心配なことはあったがなんともなく帰ってきた。今回もやってくれるだろう、私たちを信じてくれ」
「....確かにショウタさんは今無敗と巷ではよく聞きます。それにハクアの太鼓判もあるなら、任せます。我々を救ってください」
クレアはそう言うと俺に頭を下げる。こんな後継あんまり見たことなかったから割と対応出来ない。
「あ、ああ任せろ。俺があいつを何とかしてやるぜ」
というわけで早速作戦会議が始まった。
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