不幸な男は異世界で最強になったようです

大島 こうのすけ

01#不幸な日

朝の光が目に差し込む。[あぁ眩しい....]と思うのは人間の感性だろう。
外で遊んでいるちびっ子のうるさい声が耳に響いてくる
そうだ、俺は人間だ。当たり前だが人間だ。今日は誕生日。ん?誰のって?俺のだよ。
てかうるさいな。


「んん......今何時だよ.....」


そう言いながら半分苛立っている翔太は近くにあった時計を見る。


「10時か......まぁ俺が遅いだけか」


そう言いまた布団に潜ろうとする。


「....え?10時?やべっ!」


いつも通りの生活になれていたせいか、はたまたまだ寝ぼけていたのか、今日がなんの日か忘れていた 


「今日俺の誕生日じゃねぇかぁぁぁぁ!!!」


家中に翔太の声が響き渡る。
翔太は階段を慌ただしく降りてリビングに飛び込む


「お、おはよう!!母さん」

「あら翔太、こんな日まで寝坊なんてどういう神経をしてるのかしら?」


母親は翔太の挨拶に対して満面の笑みで返答する。しかし目は笑っていない。


「い、いや......目覚ましが......」

「あなたのその言い訳は聞き飽きたわよ!さっさと買出しに行きなさいっ!」


怒られながらも財布とメモを渡された翔太は逃げるように家を飛び出す。


「ひえー怖い怖い」


翔太は怒る母の鬼のような顔を思い出しながら口走っていた。
そして、暇つぶしにとスマホでニュースを見ることにした。
しばらくすると交差点についた。信号は赤なので翔太はその場で青に変わるのを待っていた。
その時


「ブウゥンゥン!」


凄まじいスピードとエンジン音とともに自動車が交差点に侵入してきた。
その車は曲がろうとしてスピードが落とせなかったのか、はたまたハンドル操作を誤ったのか、翔太へと突進してきた。

だが翔太が気づくはずもない。まさか自分に突進してくるなんて思ってもいないからだ。
翔太は身体能力は上の下、反射神経と体感はトップクラスだ。
だが翔太が気づいたのはぶつかる7秒前だ。7秒前というともう目前もくぜ
である。


「......え?」


故に翔太は固まってしまった。
そのまま車は翔太へと吸い込まれるように突進していく。そして
「キィィィィ!ドンッ!」

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コメント

  • ノベルバユーザー267622

    七秒あったら早い人なら50メートルくらい走れるよね

    1
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