クロスの騎士達の冒険記

ドラゴン

第三章 ヒースの剣術

この老人、ヒースはかつてクロスワールド全体を震わせ、この世界を救った、正義のヒーロー。と話では語り継がれている。
ヒースはこの世界の剣の型、四つを遥かに凌駕する剣術の使い手である。
その四つのフォームとは、ガレス型、マニト型、ソール型、ゲイル型である、
ガレス型とはかつてこの世界が四つに分かれていた時の一国の王、ガレスが敵国の王と一騎打ちをした時にしたという剣術。騎士になるためにはこれを絶対に覚えていないといけない
マニト型とは古代神話に出てくる英雄、マニトが村を襲ってい神の攻撃を延々と耐えた防御が基本の剣術。
ソール型とはまるで舞を待っているように敵の攻撃を避けながら的確な位置に攻撃を当てていく剣術。ただし使うにはかなりの修行が必要だ。
ゲイル型とはこれでもか!と言うほど攻撃を当て、相手の武器を破壊する剣術。但しこれはある一族しか使えず、その一族以外が使うと、次の日には狂ってしまうと言われている。
この四つにも当てはまらないのは、ヒースが使う、流星型。
この流星型は構えはマニト型と似ているが、攻撃をすると、剣先が見えないほど早く、そして剣を振るたびに星のように光を出せると言われている。このことから流星群の流星を取ってできた技だ。
これ程の技を受ける日が来るとは思わなかった。
夢でも見てるのではないかと自分でも耳を疑ったが、ヒースは本当にやるようだった
「?何だ?早くやるぞ、外に来い」
ヒースは短くつぶやくと、家から出て行った。
そして俺も家から出る、そうするともう外は夕方になっていた、山に消える太陽がまだ赤々と光っている。カラスの鳴く声が響いて、静かな村を少しばかり賑やかにする。
「ヒースはどこに行ったんだろう」
俺はヒースを探した。
だがすぐに見つかった、家の屋根の上に腰を下ろしていた
「ほら、若いのすぐに行くぞ?」
ヒースは屋根から飛び降りると、手招きした
連れてこられたのは村の広場、ここに来た時は人が多かったのに、今では人の影は見えず、噴水の水の音が響いている。
「若いの剣がないだろ。これをくれてやる」
ヒースは俺に剣をくれた、が、
「ありがとうござい──重っ!」
そう、軽く30kgはあるんじゃないか、と思われる剣をくれたのだ
「そんなのでへばるな若いの...全く、騎士団も落ちたものだな」
ヒースは呆れるようにいうと、剣を引き抜いた、
刃は夜空のように黒く、柄は血で塗られたように赤い。
「剣の手入れを忘れてる...?」
「馬鹿者、これはもともとこういう刃だ」
「そ、そうか...」
ヒースは剣先を下に向け、戦闘意欲を無くすような姿で立っていた
「では、こっちから行く...ぞ!」
俺は剣を振り上げ、ヒースの所へ即座にダッシュ、服の腕の布を切りさこうとした、が、
「手応えなし?!」
「そんなものではわしを倒せんぞ、若造」
「なっ──」
「俺の勝ちだな」
振り向いた瞬間、俺の喉元に剣先が当たるか当たらないかのところで止まっていた
「なぜ...だ?」
「俺が剣の稽古をサボってるように見えたのか?残念だがこんな姿になっても、稽古は続けている。強くなりたいたら付いてこい、修行をさせてやる。」
俺は、思わず
「お願いします!」
と言ってしまった、その声のせいで住民が気づいてしまったようだ。
一斉に広場に人が来て、それぞれが、
「えっ、あれロッドさんだよね?」

「なんであの人、剣を持っているんだ?」
と、みんな言っていた。
そこでヒースは口を開いて言った
「俺はロッド...否、ヒース、もと騎士団にいたヒースだ!」
と、村全体に響く声で言った
その時、村中の人が
「ええええええええええええええええええええええええええええええ!」
と驚いた。

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