オッサンラブ
序章 2
突然ですが、この週末私は引っ越しました。
高級マンション。
私の家ではない。
親戚夫婦の持ち物だ。
海外に駐在になったから貸し出したいけど見ず知らずの人に貸すのは心配、と言う話で私が借りる事になったのだ。
一応家賃は払う。
破格の安さだけど。
やっぱりタダで借りるのは申し訳ない。
ダンボールの散らかった部屋でとりあえず隣近所に渡す引越しソバならぬ引越しタオルを広げる。
私は意外と古風なのだ。
最初の挨拶は肝心だと思うし、良好なご近所関係を築きたい。
隣の部屋に行ってドアをノックする。
隣と言っても20歩ほど離れている。
高級マンションだから広いのだ。
「…留守?」
出直すか、私が一歩足を踏み出したところで中からドタバタ足音が聞こえた。
ガシャン!なんて何かが倒れる音も聞こえる。
「よい!!」
バタンと勢いをつけてドアが開かれた。
聞き慣れた声と口グセ。
非常にダサいメガネを掛けて、ちょっとどうしたの?と言う程ひどいセンスの部屋着をしっかりとズボンINした部長……らしき人が居た。
ずれ落ちたメガネを両手であわあわと直した目の前の男は、ようやくこちらを見て、固まった。
ちなみに、私は既に固まっている。
「……ぶ、ちょうで、すか?」
「…よい」
【誰だ、ギャップ萌えなんて言葉を流行らせたヤツは】
私は何も見てない
高級マンション。
私の家ではない。
親戚夫婦の持ち物だ。
海外に駐在になったから貸し出したいけど見ず知らずの人に貸すのは心配、と言う話で私が借りる事になったのだ。
一応家賃は払う。
破格の安さだけど。
やっぱりタダで借りるのは申し訳ない。
ダンボールの散らかった部屋でとりあえず隣近所に渡す引越しソバならぬ引越しタオルを広げる。
私は意外と古風なのだ。
最初の挨拶は肝心だと思うし、良好なご近所関係を築きたい。
隣の部屋に行ってドアをノックする。
隣と言っても20歩ほど離れている。
高級マンションだから広いのだ。
「…留守?」
出直すか、私が一歩足を踏み出したところで中からドタバタ足音が聞こえた。
ガシャン!なんて何かが倒れる音も聞こえる。
「よい!!」
バタンと勢いをつけてドアが開かれた。
聞き慣れた声と口グセ。
非常にダサいメガネを掛けて、ちょっとどうしたの?と言う程ひどいセンスの部屋着をしっかりとズボンINした部長……らしき人が居た。
ずれ落ちたメガネを両手であわあわと直した目の前の男は、ようやくこちらを見て、固まった。
ちなみに、私は既に固まっている。
「……ぶ、ちょうで、すか?」
「…よい」
【誰だ、ギャップ萌えなんて言葉を流行らせたヤツは】
私は何も見てない
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