オッサンラブ
序章 1
「資料出来ました」
「あぁ」
私を一瞥して書類を確認するこの人は部長。
ちなみにその書類は両手に抱えないと持ってこれないほどの量で、指示を出したのはこの人だ。
朝一で「昼までに」と言うありえない指示だった。
部長は高学歴で社内異例のトップ成績で入社したと言う、いわゆるエリート。
仕事は凄く出来る。
「下がっていいよい」
愛想はない。
「はい、失礼します」
私は一礼して席に戻る。
部長は物凄く愛想がない。
笑わない。
冗談も言わない。
トイレにも行かない。
うそ。
トイレはうそだけどあり得ない話でもない。
とにかく真面目で、プライベートどころか人間らしさが感じられない。
ロボットみたいだ。
社内の女子達曰く、その素っ気なさがいいらしい。
まあ、私もそんな部長が嫌いじゃない。
「おい」
「…はい、何でしょうか?」
無駄にきれいなフロアをショートカットしながら自分の机に戻っていたら、部長がおい、と呼んだ。
何がおい、だ。
名前を、呼べ。いや、苗字を呼べ。
私は取ってつけたような笑顔で振り返り、返事をする。
「これも」
こちらに目さえ向けず、またしても凄い量の書類をひらひらする部長に、私は引き攣り笑いを浮かべた。
「あぁ」
私を一瞥して書類を確認するこの人は部長。
ちなみにその書類は両手に抱えないと持ってこれないほどの量で、指示を出したのはこの人だ。
朝一で「昼までに」と言うありえない指示だった。
部長は高学歴で社内異例のトップ成績で入社したと言う、いわゆるエリート。
仕事は凄く出来る。
「下がっていいよい」
愛想はない。
「はい、失礼します」
私は一礼して席に戻る。
部長は物凄く愛想がない。
笑わない。
冗談も言わない。
トイレにも行かない。
うそ。
トイレはうそだけどあり得ない話でもない。
とにかく真面目で、プライベートどころか人間らしさが感じられない。
ロボットみたいだ。
社内の女子達曰く、その素っ気なさがいいらしい。
まあ、私もそんな部長が嫌いじゃない。
「おい」
「…はい、何でしょうか?」
無駄にきれいなフロアをショートカットしながら自分の机に戻っていたら、部長がおい、と呼んだ。
何がおい、だ。
名前を、呼べ。いや、苗字を呼べ。
私は取ってつけたような笑顔で振り返り、返事をする。
「これも」
こちらに目さえ向けず、またしても凄い量の書類をひらひらする部長に、私は引き攣り笑いを浮かべた。
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