片思い

日向葵

55話 誓い

 翔太に言わなきゃ。好きだって。
 私もあいつを見倣って言うこと言わなきゃ!
そう自分に言い聞かせて私、園崎華恋は翔太に話があるからとメールで伝えた。その後、部活で遅くなるから明日でいい?と返事がきた。私は、うん、明日のいつなら会ってくれる?と返信した。しばらくして、翔太から昼休みならと返事が返ってきた。
 今からでも会ってすぐに伝えたい!でも、待ってたら日は落ちて真っ暗。そんな時間に帰ったら親が何時だと思ってるんだ!と言われかねない。それに翔太にも心配かけてしまう…。好きな人だからこそ、迷惑かけたくないと思い、私は素直に帰宅した。私が所属してる吹部は休みで自主練は各自で行う。私は明日のことで頭いっぱいでそれどころじゃなかったし、わざわざ残って自主練する気にもならなかった。
 明日のお昼休みに翔太に告白する。逃げないでちゃんともう一度伝えたいって思った。
1回目の告白は驚かせてしまって、それ以後翔太は私と距離を置いた。話しかけたくても、なかなか翔太を探せなかった。唯一探せたのは、沼田さんと帰っていた時だった。すごく悔しかった。いつも隣にいたのは私だったのに、なんであんな地味子と!
許せなかった。そして、悲しかった…。
翔太のあんな顔私には見せないのに…。
もう一回、翔太を振り向かせてみせる!
私は逃げない。絶対に。翔太は私の!あんな地味女には渡さない!
私は明日の告白を必ず成功させてみせると心に強く誓った。

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