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片思い

日向葵

51話 強がり

 廊下を歩くと、せかせかと歩く田辺の姿があった。どこ行くんだろうって思ったら、その次に沼田さんの姿を見かけた。
 尾行なんてって思いと、ちょっとした好奇心で葛藤しても身体が彼らを追っていた。一体何が起こるんだろう。屋上の扉の影に隠れて私は耳を傾けた。
 さすがにまた告白でもするんじゃないよね?って思った。でも、田辺の口から、振ってほしいなんて言うとは思わなかった。
まさかの聞き間違いじゃ?って思ったけど、彼ははっきりそう言って沼田さんから離れた。
 私は彼がやってくる前に、階段を降りた。ちょっとムカついた。自爆するもんじゃん!って思って悔しかった。私はこんなに頑張って翔太にアタックしてるのに、好きな人に好きな人がいるからってそんな簡単に諦めるなんて!
田辺が来たら喝入れてやる!って思ってた。でも、いざ彼の顔を見たら、一気にその気持ちが怯んだ。涙を流した顔。涙の跡があって、でも、強がっちゃって。もう、なんなのよ!その顔は!
 私は大きなお世話かもしれないけど、田辺に忠告した。田辺は私が言い終わったら、苦笑して、困り笑顔を見せた。でも、また強がった。
もう、それがいけないんだってば!
「ねえ」
「ん?」
 私は大きなお世話の一言をさらに言ってやった。同情?かもしれないけど
「私、ちゃんと返事聞こうと思うの。ダメかもしれないけどさ。その時は一緒に泣こうね!振られたもの同士?ってことでさ!」
 田辺は頷きもせず、さっさと行ってしまった。まだ、感傷に浸っていたいよね…。
私は田辺の気持ちを勝手に解釈した。そして、自分の気持ちを奮い立たせた…。 

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