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片思い

日向葵

47話 些細なきっかけからのスタート

 元の発端は、私の恋愛の免疫の無さが原因だったのか、田辺の性格に問題があったのか、今となっては不明。でも、ほんの些細なことだったんだって思う。

 委員会を決める時、学級委員から決める。
 学級委員とは、クラスのまとめ役でリーダー的存在。田辺はこのまとめ役にぴったりな性格だった。よく男子とつるんでは問題を起こして先生に怒られつつも、男子たちとはに仲が良くクラスの中心のポジションに位置していた。
担任の先生が誰か学級委員を立候補する者はいないかと尋ねると教室は静まりかえった。
誰もがやりたくない、目立ちたくない、誰かやってくれると思い込んでいる。
というより、誰かやれよという声が心から漏れていた。
すると一人の男子が声を発した。
「田辺がいいと思いまーす!」
その声でどれだけの人が安堵しただろう。
決めてくれないと他の委員が決まらない。進まないし、帰れない。
「おー、だそうだ。田辺、やってみないか?学級委員」と担任の先生にも声をかける。
だが、田辺は口をへの字にして、「えー、だりー。面倒だから却下。」と、推薦を拒んだ。
「そうか。誰か学級委員やる人いないか?いないんだったら先生が決めてもいいんだぞ?」
その言葉に生徒たちからのブーイングの声が発せられ、「はい、静かに。何か言いたいことがあるなら挙手をしろー。」と指示する。
「はい!やっぱ田辺がいいと思いまーす!田辺はリーダーシップがあるし、まとめ役には適任だと思います!友達として推薦しまーす!」
「田辺、やれよー。ここでいいとこ見せつけとけば、成績上がるかもよ?」
「いいねー!田辺、やってよ!お願ーい」
田辺を支持する声が集まるが、本人は顔色変えずにめんどくさそうに聞き流していた。
「おい、お前ら。無理強いはよくないぞ。田辺の気持ちも考えてやれ」
先生は田辺の表情からして、やりたくないのは分かっていた。
「じゃあさ、条件付きってのはどう?」
田辺とよく一緒にいる男子が提案した。
「条件?」
「そう!例えば…このクラスから学級委員の女子を決めれる権利とか!」
その声には賛否両論あり、特に女子からはブーイングの声が聞こえた。
だが、その案には田辺が食いついた。
「俺が選んでいいってことだよな?」
「そういうこと!な?好条件だろ?」
「じゃあ、こいつで。」
田辺が親指を横にして示すのは、なんと私だったのだ。
「え?沼田さん?なんで?」
「え、沼田さんー?大丈夫なの?」
「沼田さん…ねー」
私は大人しめでリーダーシップなんてないことを周りは知ってたし、クラスの代表となるには相応しくないと思ったらしい。
「こいつと一緒じゃないなら、やんない」
「え?田辺、女を選ぶキャラ変わった?笑」
と、からかう声も。
私は耳が痛くて聞いてられなかった。
それでも、田辺は頑と譲らず「なんで?」と聞いても「なんとなく」と話をはぐらかした。私は知ってる。なんで、私を選んだのかを。理由は簡単。いじりやすいからだ。田辺にとって学級委員は面倒なこと。面倒なことに巻き込まれるなら暇つぶしがいる。いじりがいがあって、何されても何も言わない(正確には言えないだが)。
困惑する教室の中で田辺だけが余裕のある顔をした。
「ならやめる?だったら、俺はやらないけど。」
田辺が決めたんだからいいんじゃない?と言う声がポツリポツリと出て、最終的には「じゃあ、沼田さんよろしく!」と任されてしまった。私の意見は聞かんのか!と内心思ったが、もう後には引けない状況だった。
先生は「じゃあ、学級委員2人。前に出て進めてくれ」と促し、私は渋々教壇の方へ向かった。
なんで私が…。



ーこれがきっかけだったのかと私は思うー

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