片思い

日向葵

38話 告白後

ついに言ってしまった。好きだと。
田辺は教室に戻りホッとしたようなだが、気が気でない様子でもあった。
教室から荷物を持つと、何にもなかったように教室を出て部活へと足を運んだ。
本当の作戦とはやや異なってしまったが、(本当は先に園崎が告ってから俺が告るという順だったが)なんとか相手には伝えることが出来た。返事待ちという結果になってしまったが。まあいい。これで良かったんだ。あとはあっちの出方次第。
それにしても予想通りの反応だったな。でも、予想外にべらべら喋っていたな、あいつ。あんなに喋れるんだなー。必死になってあんな顔するんだ。
田辺は沼田智奈美の違う一面が見れて嬉しかった。それにしても、告るって勇気いるな。
信じてもらえただろうか、返事はいつ聞けるのかといささか不安な田辺であった。



  一方、残された3人はそれぞれ部活へと向かった。翔太先輩はサッカー部、園崎さんは吹奏楽部、私、沼田智奈美は帰宅部。
帰りも田辺のことで頭がぐるぐる回って何が何だかわからなくなった。
家に帰り私は落ち着いて考えてみることにした。部屋に閉じこもりまず田辺の今日言ったことを考える。確かに今までとは違う告白だった。本当に好きと言ってるように聞こえた。でも、今までのことがある。そう簡単に、はい、分かりましたとはいかない。
 ベットに寝転がって枕をぎゅっと抱きしめ顔を埋めた。私がびっくりしたのは田辺のこともさることながら園崎さんのこともびっくりした。まさか本当に翔太先輩に告白するなんて…。2人は恋人同士になったような感じだった。園崎さんのあの笑顔を見たらわからなくもない。
 私の恋、失恋しちゃったの?
 ううん!まだ分かんない!でも…いい感じのあの2人。
私は田辺のことも考えつつ、園崎さんたちのことも気になってしまった。
田辺からの告白は…。

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