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片思い

日向葵

35話 謎のお誘い

翔太先輩、彼女いないんだ…
私は心の中で呟いた。
翔太先輩から園崎さんのことをいっぱい聞いた。聞くたびに心が苦しくなって呼吸するのもやっとだった。
こんなに好きな人からほかの女子の話を聞くのが難しいのかと思った。
それでも聞いたのは他でもない翔太先輩のためだった。辛いけど携帯越しだからこそ話せるメールだった。
翔太先輩に恋する自分の気持ちに胸がいっぱいになった。
でも、園崎さんの存在がこんなにも大きくて私には敵わないと思った。
しかも園崎さんは翔太先輩のことが好きでそのことについても胸がいっぱいで…。
言葉にならない、この気持ちはなにものなのか。
携帯を閉じ、翔太先輩とのメールは終わった。




「いってきます。」
私は朝早めに学校へ行った。
今日は日直だ。先生からプリントをもらって配布する仕事がある。
私の隣誰だっけ?
ああ、田辺じゃん。
あいつちゃんと来るのかな?
田辺とは毎回私に告白をしてくる困った人だが、近頃はない。
好きな人が変わったのか。
まぁ、私には関係ないやと思っていた。
学校に着き、職員室へ向かうその時だった。
「よう」
田辺だ。
「おはよう。」
小さく挨拶をする。私は田辺が持っているプリントの束を見て仰天した。
驚いたことに田辺の手にはすでに先生から受け取ったと思わられるプリントがあった。
「半分持てよ。重いんだから。」
「はい。」
私は半分持つことにした。 
田辺は他に何も言わず教室へと向かった。
シーンとした教室には二人っきり。
田辺はサッカー部のはずなのに。
今日は部活休みか?朝練あるはず。
外周を走るサッカー部員をよく見かける。
今日は天気がよく、走るには絶好の日。
なのに何故?
そんなことを頭の中で考えながらプリント配布は行われた。
だからといって、話しかけるのも…と考えていた時だった。
最初に口を開いたのは田辺の方だった。
「あのさ。今日、放課後空いてるか?」
さりげなく田辺は私の方を見るわけでもなく話しかける。
「とくにない。」
「そうか。じゃあ、付き合え。以上。」
へ?今なんと?
有無も言わせず、放課後何故か田辺と付き合わせることになった。
面倒なことにならなきゃいけど…。
田辺が教室から出る前に、「分かった」と了解の返事をした。

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