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片思い

日向葵

33話 ざわつく心

「華恋のことなんだけどさ」

翔太先輩の第一声で私の心がチクリと痛かった。でも、相談されている以上聞かなきゃいけない。辛い。

「この前、沼田さんが言ってた華恋が助けてくれたって話、華恋から直接聞いたけどその後泣いてたんだよね。」

え?その話をしに行って泣いた?不思議だ。
違う。本当に言いたかったことじゃない。
私の勘はこういう時に限って当たる。やな予感がする。

「でも、そのあと走ってどっか行っちゃってさ。俺、追いかけようか迷うすきもなかったよ。」

「え?追いかけなかったんですか?」

つい、本心からの言葉が漏れた。そしてなぜかホッとしてしまう自分がいた。少しずるいと言うか悪魔的?な私がいることを知った。

「うん。足早すぎて声もかけられなくて…。ラインするのもしづらいし…。まあ、そもそも江口が変なこと言うからいいづらくなったのかもな。」

「何か言われてたんですか?」

つい…ううん。気になる。翔太先輩を取られたくないもん!

「俺に好きな人がいるって話。」

グサっ。…う、嘘…。

「でも、俺いないのよ。本当はさ。」

へ?なんだー。いないんだー。あー、驚いた。ってええええ!いないんですか!?
内心驚いたが、メールでよかった。この気持ちを隠せる。

でも、園崎さん、好きな人がいるってことで泣いたなら園崎さんも翔太先輩のこと好きなんだよね。
これは…三角関係?いや。進藤さんも好きって行ってたから四角関係?そんな言葉ないけど(^◇^;)

「だからさ、なんで泣いてたのか分かんないんだよね。怖かったのかな?本当は。」

違う。そうではない。多分私の勘だが、園崎さんは間違えなく翔太先輩に告白をしようとしていたんだ。
翔太先輩の彼女になろうと。

「華恋とは幼馴染だからなんでも分かるって思い込んでたのかもな、俺。」

私は本当は言いたくないことを言ってしまった。

「ちゃんと話聞きましたか?その後怖いからって逃げちゃダメですよ。ちゃんと園崎さんと話してみて下さい。あ!ラインじゃなくて直接!その方がいいと思います。」

あまりにも正当化すぎる。そして本当なら言いたくないし、これで上手くいってしまったら失恋となる。

でも、話し合ったほうがいい。うやむやにして園崎さんの気持ちが素直に伝わるなら、解決できるならその方が…。

「そう言うと思った。実は俺もそう思ってたんだ。ありがとう。相談にのってくれて。」

「いえいえ。翔太先輩のお役に立てれば幸いですよ。」

「じゃ、またなんかあれば言えよ。助けに行くから。」

ドキッ!ちくん。ぎゅ。きゅん。ちくん。
嬉しいようなそうでもないような…。
園崎さんの気持ちが前へ前へと行くのであれば私の立場はどうなるんだろう。

もし、彼女になってしまったら?
その時は…私はどうすればいいんだろう。
先輩と後輩の仲でもいいの?
どうすれば一番幸せ?

翔太先輩…。

私の心はグラグラと揺れていて、ざわざわとざわついていた。

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