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片思い

日向葵

23話 嘘の告白

清々しい気持ちだな!
さあ、早く翔太に言いに行かなきゃ!
私、園崎華恋は、これから大事な報告をしに行く。

あ、あの!と私の足を止める彼女。
振り返らなくったって分かってる。その名は沼田智奈美。だから敢えて私は彼女に振り向かずつい余裕ある笑顔を見せる。

そんなことよりも会いたい人がいるの。
私たち5人は、沼田さんと別れて2階にいる2年の教室へ直行した。
ちょうど廊下に翔太と江口先輩が話ししている。

「翔太!」私は一目散に彼の名を呼んだ。

「お!華恋〜。今日は会えたな。」
きゅん。
翔太の声好き!…じゃなくて!!

「あのさ、この前のこと覚えてる?」
「え?なんだっけ?」
「もう!話したいことがあるって言ったじゃん!」
「あー。はいはい。覚えてるよ。何?」
「えーっと、ここではちょっと…。」
「え?なんか悩み?」
「悩みっていうか…だから…その…」

と、私が口ごもってるとき江口先輩がからかい始めた。
「え?まさか!ここで告るの?おー!」

「そんなんじゃねーよ、バーカ!」と翔太が言う。
「でも、華恋ちゃん顔真っ赤だし〜。これはもう告白しかないだろ!笑笑」
江口先輩の冷やかしはエスカレートしていく。
「え、江口先輩!」愛梨が江口先輩の腕を自分の腕にからめて「ちょっとじゃまだから!!!」と離し始めたとき禁断の一言を話してしまった。
「でも、華恋ちゃん残念!コイツ他に好きな人いるよ!確か名前は…」
「江口!」と翔太が怒鳴った。
初めて見せたその表情にマジなんだって思った。
顔を真っ赤にさせて髪をクシャクシャして恥ずかしがってて両手で顔を覆っている。
「…違うよ。告白なんてするわけないじゃん。」
もうどうして私は素直になれないんだろう。
「ただ…」
そしてどうしてこんなに強がりなんだろう。
私は涙目になりながら、「沼田さんが絡まれてたとこ助けたからそれを褒めて欲しかっただけだよ!」

それだけ言い終えて翔太の顔が涙で歪んで見えないのをいいことに走って一階まで行った。

ドン!

「「痛!」」

途中誰かに当たったがもうどうでも良かった。

残された6人は苦渋の表情になり、5人は鋭い視線を江口に向けるのだった。

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