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片思い

日向葵

18話 恋で始まる成長

「P.S.何て呼んだらいい?」 

私はこの質問に戸惑ってしまう。
な、何て呼んだらいいなんて…
赤面しているのが分かるくらい顔が熱くなった。
だが、質問には答えなくてはいけない。


『苗字でお願いします。』

どんなに考えてもこれしか出てこなかった…

また[送信完了]という画面が表示される。

今度は早く返信が来た。

『沼田さん?で良いのかな?OK!』

私は翔太先輩の返事にホッとした。
変なニックネームとか求められたらどうしようと不安を感じたからだ。
無理強いはしない翔太先輩を優しい人だなと思った。

きゅん。 

え?今の何?

はじめての気持ちに私は驚いた。
そして改めて私は先輩に恋していることを実感した。
そのことを思うとかぁと熱が上がる。
頬が赤くなってくるのも自覚できるくらいに。

それから私たちは、たわいのないメールのやり取りをした。
メールだと何でも話せてすごく楽しくて幸せだった。

(こんな風にたくさん話せると良いのにな…)

私は翔太先輩のことをどんなことでも知りたくなった。
でも、一つ気がかりなのはやっぱり園崎さんの存在だった。
幼馴染とはいえ、園崎さんの話をし出すと胸が締め付けられるみたいにキュッてなる。気持ちがズーンと重たくどこか寂しくなってしまう。

(これは…嫉妬ってことかな…)

私は園崎さんに嫉妬してる自分がいるなんて、少し汚れてしまったようにも思った。
まるで泥を顔に塗られたようなそんな感覚になる。
そしてその泥を綺麗に取り除くために、また恋をして磨かれていく。

(恋すると綺麗になるって聞くけどこのことだったのね)

私はどこかで聞いたことがある恋愛あるあるを思い出し納得するのだった。




翌朝、私は玄関のドアを開け学校に行く。
今日は無事に終わりますようにと願いながら通学路を通っていた。
その時、いかにもガラの悪そうな人に声をかけられた。

「ねぇ、君〜、かわいいね〜。お!制服!JK?いいね〜。」

(朝からなんだよ!この人は!てか誰?知らない人だし、ほっとこう)

私は無視して通ろうとすると、私の前に来て行く先を阻止された。

「ねぇ〜、これから時間ある?一緒に来て欲しいとこがあるんだけど〜。」

そう言って私の肩に手を回して近寄せてきた。その人からは煙草の匂いとお酒の匂いがして気持ち悪かった。

(何なの!?気持ち悪い…。怖い…)

恐怖を感じつつ私は逃げられないこの状況に青ざめた。

(もうー。朝からついてない。怖いし…どうしよう。)

ガタガタ震える私を更に恐怖のどん底に突き落とすかのように不気味な笑みを浮かべた。

その時私の頭の中は真っ白になって何も考えられなくなりそうだった。

(だ、誰か!誰か助けて!!!)

心の中で叫ぶことしか出来ない自分がなんとも情けない。
声を…声を出さなきゃ…

「だ」
私は自分の声を確かめて、一気に息を吸い込み叫んだ。

「誰か助けて!」

その声に驚いたのか、一瞬離れたその隙を狙い走り出した。
すると、「あの野郎!調子超えてんじゃねーぞー!」と言いながら追いかけてきた。

(調子超えてんのはあんただっつうのー!)

私は更に助けを求めて大声で叫んだ。

「誰かー!誰か助けてー!」

すると、バコッと後ろから音と「んが!」という人の声がした。

ドサッ!

「へ?」

振り向くとそこにいたのはその光景を私は目を疑った。

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