片思い
6話 再び対面にて浮かび上がる園崎さんの謎
職員室に呼ばれて来たらなんとまたあの5人組と対面してしまった。
園崎華恋、進藤藍、牧田蒼(まきた あおい)、菊永愛梨(きくなが あいり)、脇坂瀬奈(わきさか せな)の順で並んでいた。
(もう、なんなのさ、一体…それに昼休みの時間じゃなかったっけ?)
そうこう考えていたら、担任の先生が「ちょっとお前らこっちこい」と別室へと連れて行かれた。
そこは相談室だった。普段はあまり行かない。どちらかというと先生たちの会議に使ったり、スクールカウンセラーとの相談したりする場である。
まあ、どの道、相談するのにはとっておきの場所であることは間違いない。
何という並びだろう。私の向かいにギャル系女子5人組が並んで座っている。ソワソワせざるを得ないこの状況。本当に嫌だ。
先生は「何で呼ばれたか分かるよな?進藤。」と今回の集まった目的について進藤さんに聞いた。
進藤さんは頷き、他の4人も気まずい様子ながらも「はい」と小声で返事した。
「何であんなことしたんだ?」と5人を見て尋ねた。
すると園崎さんが「なんとなくウザかったから」とめんどくさげに答えた。他の4人は園崎さんの話にのり、調子にのってしまい悪ふざけが過ぎたと説明した。そして、園崎さんは私を見るなり「沼田さんにも非があると思いますが?」と挑発的な態度を示した。
先生は「何がだ?」とやや怒り気味だった。
「やられる方も悪いと思います」と園崎さんが言うが他の4人は無言だった。
私も下を向いて泣きそうになりながらも堪えた。
「だって、言い返してこないし。それってうちらのこと無視してるってことじゃないんですか?それにうちらの邪魔ばっかするし、存在感ないし〜」
と園崎さんは私の心を言葉という凶器で、ズタズタにした。
これで分かったことは、園崎さんは私のことを嫌っているということだ。でも、一つ気がかりな言葉がある。
(うちらの邪魔ばっか?何のこと?)
園崎さんの言葉に先生は怒り爆発だった。私と言えば、相変わらず何にも言えなかった。
もう、ここにはいたくない。早くどこかへ消え去りたいとも思った。
「園崎!つまり謝る気がないということか?」と先生が言うと、「はい、その通りです。もういいですか?お腹空いてるんでマジイラつくんですけど!」と腹立たしい態度だった。
園崎さんはガタッと席を立ち、先生も冷静になれず相談室から出て行ってしまった。残された私たちには重々しい空気が漂っていた。
(目のやり場に困る…)
すると、進藤さんがこの重々しい空気を一変させた。
私をみるなり「ほんとうにごめんなさい!」と深々頭を下げる進藤さん。進藤さんにならい、他の3人も「ごめんね…」「調子にのって悪かったわ…ごめん」「やりすぎ…だよね。ごめん。」と謝ってくれた。
さっきまでの重々しい空気が若干和んだ。私もようやく口が開いた。
「いいよ、もう。大丈夫だから…ね。」
その言葉に4人の表情はやや明るくホッとした様子だった。
緊張がほぐれ空気も軽くなったところで、先生と園崎さんのことを気になりだした。
「なんか、分かんないけど、担任どこ行った?」ポケットの中に入れてた携帯を取り出し操作する牧田さん。
「さあ?てか、なんであそこまで怒るかね〜、華恋。大丈夫かな〜?」牧田さんの質問に答えつつ、園崎さんを心配する脇坂さん。
「華恋、近頃機嫌悪かったよね。やっぱあのことがあったからかな〜。」と進藤さんも園崎さんを心配していた。
(友達想いなんだなー。ほんとは仲間のためならすごく優しいんだなー。)
私は4人ともが園崎さんを心配している姿に暖かい空気を感じた。
(園崎さん、どこに行ったんだろう?)
私まで園崎さんをやや心配してしまうほどだった。
「華恋、実は好きな人がいてさ。でも、なんかなかなか向こうが気づいてくれないんだって。」進藤さんが私に園崎さんの話をしてくれた。
「誰とは分かんないんだよねー。友達なんだから教えてくれてもいいじゃんね?でも、頑なに教えてくれなくてさー。」牧田さんも進藤さん同様知らないみたいだ。
「まぁ、華恋のことだからいつかは打ち明けてくれるって思ってんだけどねー。あーもう!こうなったら、3年の園崎兄に聞いてみる?」と、提案する菊永さんに3人とも賛成しなかった。
進藤:「無理だよ〜。華恋の兄って生徒会長でしょう?」
牧田:「そうだよー!知ってそうにないし〜。」
菊永:「だよねー。生真面目でいかにも恋愛なんて興味なさげだし〜。」
脇坂:「それに、華恋を信じようってことになったじゃん!」
「「「「うーん」」」」
4人は園崎さんの好きな人をどうにか聞き出そうとしたいらしい。
進藤さんは私に「あ!ごめん!うちらだけで喋ってて。」と気遣ってくれた。
私はすかさず「大丈夫です」と言った。
「そろそろ出ようよ、用は済んだし残っている意味なし」と菊永さんが言い、ぞろぞろと5人は相談室から出ることになった。
牧田:「華恋から連絡つかないんだけど〜」
菊永:「はぁ⁈何で⁈どこいんのよ〜」
脇坂:「あ!今既読した。でも返事こない。」
進藤:「あー、華恋?今どこ?え?教室?マジかよ〜」
こうして、園崎さんを除く4人は謝ってくれたが、やや気がかりな言葉がいくつもあった。
(園崎さんの好きな人って?それに進藤さんが言ってた「あのこと」って何だろう?友達なのに何で教えてあげないのかな?園崎さんにお兄さんがいたなんて全然知らなかったや。)
私は腑に落ちないこの気持ちを一人で抱え込むこととなった。
私はそぉーっと4人から離れ、満たされていない空腹のまま古井先輩との約束の場所へ足を運んだ。
(もうお腹空いたー。でも行かなきゃ!)
 私はやや小走りになりながら、ちょっと浮足になっていた。
まさか、園崎さんの秘密を知ってしまうなんてこの時は全く想定外だったよ、古井先輩。
園崎華恋、進藤藍、牧田蒼(まきた あおい)、菊永愛梨(きくなが あいり)、脇坂瀬奈(わきさか せな)の順で並んでいた。
(もう、なんなのさ、一体…それに昼休みの時間じゃなかったっけ?)
そうこう考えていたら、担任の先生が「ちょっとお前らこっちこい」と別室へと連れて行かれた。
そこは相談室だった。普段はあまり行かない。どちらかというと先生たちの会議に使ったり、スクールカウンセラーとの相談したりする場である。
まあ、どの道、相談するのにはとっておきの場所であることは間違いない。
何という並びだろう。私の向かいにギャル系女子5人組が並んで座っている。ソワソワせざるを得ないこの状況。本当に嫌だ。
先生は「何で呼ばれたか分かるよな?進藤。」と今回の集まった目的について進藤さんに聞いた。
進藤さんは頷き、他の4人も気まずい様子ながらも「はい」と小声で返事した。
「何であんなことしたんだ?」と5人を見て尋ねた。
すると園崎さんが「なんとなくウザかったから」とめんどくさげに答えた。他の4人は園崎さんの話にのり、調子にのってしまい悪ふざけが過ぎたと説明した。そして、園崎さんは私を見るなり「沼田さんにも非があると思いますが?」と挑発的な態度を示した。
先生は「何がだ?」とやや怒り気味だった。
「やられる方も悪いと思います」と園崎さんが言うが他の4人は無言だった。
私も下を向いて泣きそうになりながらも堪えた。
「だって、言い返してこないし。それってうちらのこと無視してるってことじゃないんですか?それにうちらの邪魔ばっかするし、存在感ないし〜」
と園崎さんは私の心を言葉という凶器で、ズタズタにした。
これで分かったことは、園崎さんは私のことを嫌っているということだ。でも、一つ気がかりな言葉がある。
(うちらの邪魔ばっか?何のこと?)
園崎さんの言葉に先生は怒り爆発だった。私と言えば、相変わらず何にも言えなかった。
もう、ここにはいたくない。早くどこかへ消え去りたいとも思った。
「園崎!つまり謝る気がないということか?」と先生が言うと、「はい、その通りです。もういいですか?お腹空いてるんでマジイラつくんですけど!」と腹立たしい態度だった。
園崎さんはガタッと席を立ち、先生も冷静になれず相談室から出て行ってしまった。残された私たちには重々しい空気が漂っていた。
(目のやり場に困る…)
すると、進藤さんがこの重々しい空気を一変させた。
私をみるなり「ほんとうにごめんなさい!」と深々頭を下げる進藤さん。進藤さんにならい、他の3人も「ごめんね…」「調子にのって悪かったわ…ごめん」「やりすぎ…だよね。ごめん。」と謝ってくれた。
さっきまでの重々しい空気が若干和んだ。私もようやく口が開いた。
「いいよ、もう。大丈夫だから…ね。」
その言葉に4人の表情はやや明るくホッとした様子だった。
緊張がほぐれ空気も軽くなったところで、先生と園崎さんのことを気になりだした。
「なんか、分かんないけど、担任どこ行った?」ポケットの中に入れてた携帯を取り出し操作する牧田さん。
「さあ?てか、なんであそこまで怒るかね〜、華恋。大丈夫かな〜?」牧田さんの質問に答えつつ、園崎さんを心配する脇坂さん。
「華恋、近頃機嫌悪かったよね。やっぱあのことがあったからかな〜。」と進藤さんも園崎さんを心配していた。
(友達想いなんだなー。ほんとは仲間のためならすごく優しいんだなー。)
私は4人ともが園崎さんを心配している姿に暖かい空気を感じた。
(園崎さん、どこに行ったんだろう?)
私まで園崎さんをやや心配してしまうほどだった。
「華恋、実は好きな人がいてさ。でも、なんかなかなか向こうが気づいてくれないんだって。」進藤さんが私に園崎さんの話をしてくれた。
「誰とは分かんないんだよねー。友達なんだから教えてくれてもいいじゃんね?でも、頑なに教えてくれなくてさー。」牧田さんも進藤さん同様知らないみたいだ。
「まぁ、華恋のことだからいつかは打ち明けてくれるって思ってんだけどねー。あーもう!こうなったら、3年の園崎兄に聞いてみる?」と、提案する菊永さんに3人とも賛成しなかった。
進藤:「無理だよ〜。華恋の兄って生徒会長でしょう?」
牧田:「そうだよー!知ってそうにないし〜。」
菊永:「だよねー。生真面目でいかにも恋愛なんて興味なさげだし〜。」
脇坂:「それに、華恋を信じようってことになったじゃん!」
「「「「うーん」」」」
4人は園崎さんの好きな人をどうにか聞き出そうとしたいらしい。
進藤さんは私に「あ!ごめん!うちらだけで喋ってて。」と気遣ってくれた。
私はすかさず「大丈夫です」と言った。
「そろそろ出ようよ、用は済んだし残っている意味なし」と菊永さんが言い、ぞろぞろと5人は相談室から出ることになった。
牧田:「華恋から連絡つかないんだけど〜」
菊永:「はぁ⁈何で⁈どこいんのよ〜」
脇坂:「あ!今既読した。でも返事こない。」
進藤:「あー、華恋?今どこ?え?教室?マジかよ〜」
こうして、園崎さんを除く4人は謝ってくれたが、やや気がかりな言葉がいくつもあった。
(園崎さんの好きな人って?それに進藤さんが言ってた「あのこと」って何だろう?友達なのに何で教えてあげないのかな?園崎さんにお兄さんがいたなんて全然知らなかったや。)
私は腑に落ちないこの気持ちを一人で抱え込むこととなった。
私はそぉーっと4人から離れ、満たされていない空腹のまま古井先輩との約束の場所へ足を運んだ。
(もうお腹空いたー。でも行かなきゃ!)
 私はやや小走りになりながら、ちょっと浮足になっていた。
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