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片思い

日向葵

プロローグ

「君、大丈夫?」

泣いてる私に天使の声が降りてきた。
ふと見上げると知らない男子が私の目に映った。私の手を取り貴方の温もりを感じた。その笑顔が私の沈んだ日常を晴天の日にしてくた。
その笑顔と優しさに惹かれ私は貴方に恋に落ちた。ドキッと心臓の音が跳ね上がったり沈んだり。

でもこの気持ちは絶対誰にも伝えない。
心の中でしまっておくね…



今日から新学期。空は雲一つない晴天。でも、私の心は曇り空。
「あーあ、また始まるんだ…。」私はため息が出る。
重い身体を起こして私は制服に着替えて鏡を見て更にため息をつく。
重たい鞄を持って私は一階に行き、朝食を食べる。
味がない…。パンをかじり悲惨なニュースが流れているテレビを目にする。
「何で犯罪が起こるんだろう…」私の何気ないつぶやきを母が返す。
「ほんと、やーねー。せっかく晴れてるのにどんよりよ!」母を横目に私の心はさらに暗くなっていった。
そして晴天の空を見て、その空に墨汁で汚してしまいたくなった。

(早く今日が終わらないかなー)
そう思いながら学校に行く。バス停につきバスを待つ。
周りは眠そうな人、携帯をひたすらいじってる人、朝から電話してる人…あー、もう見たくない。
目を閉じていたい。目を閉じ真っ暗な世界に一時的に入っていったがすぐ追い出されるようにバスが来た。
目を開けるとバスの中でぎゅーぎゅー詰めになっていく人々を目の当たりにした。満員バスに揺られながら私は大嫌いな学校へ行くのだった。

教室に入ると誰もいない。それもそのはず、まだ登校するには早い時間ー8時前だからだ。
がらんとした教室に入るなり自分の席に座る。授業の準備のため教科書を机の中にしまいっていたら、ガシャーン!と派手な音が教室に響き渡った。
私は驚いて後ろを振り返ると一人の男子生徒がいた。どうやら見たところ、その男子生徒が何かを落としたらしい。何を落としたのかはわからないが特に気に留めなかった。
(うわー、関わりたくない…)と内心思い、私はまた作業を再開したーまるで気づかないフリをして。
教科書を机の中に入れ終わると、ぞろぞろとクラスの人たちが入って来ては「おはよう」と挨拶を交わしていた。
私といえばその人たちと入れ替わるように教室を離れ、廊下に出て行くあてもなくフラフラしてした。
(あんなとこにいるくらいなら一人になりたい)と私は思っていた。私は人と関わるのが一番苦手で、極力一人でいたい。結局、非常階段を下っていつもの場所にたどり着いた。やっぱりここが落ち着く、誰にも邪魔されない、静かな私の唯一の場所。私はその場にしゃがみこみ、ボーッと何もせずただ一点を見つめていた。その先にあるのは大きな木だったー桜の木。珍しいところにぽつんとあるその木をただ飽きずにじーっと見つめて絵を描く。

キーンコーンと予鈴がなってしまった。はっとして私は絵を描くのをやめて急ぐこともなく教室へと向かった。
教室の中は、複数のグループに分かれて「1時間目から数学かよ〜。だりー。」とか「この〇〇買ったんだけど〜!」「可愛いー!良いなー、私も欲しいなー笑」とか、いつもと変わらない日常がそこにはあった。
「よー、眼鏡ー!」
いや、一部はこういう連中もいる。
「朝からどうしたのー?暗い顔してさー?まさか、俺がいなかったから寂しかったとか〜?」
ある男子生徒ー田辺亮介は朝から私をからかっているが、私は完全に無視する。
(どっかいけ!うるさいな)
どかっと、わざと私の前の席の椅子に座り、しつこく私に言い寄ってくる。
「おいおい、なんとか言ってくれよ〜。な〜。愛しのマイハニー」と言い、私に投げキッスをした。
「朝から熱いね〜、ヒューヒュー!」と冷やかしてくる男子たち。「また、あの地味野郎、目立ってんじゃねーよ。調子乗りやがって」と嫉妬してイラついてる女子たち。
(うえー!気持ち悪!お前なんて大嫌いだよ!勘違いしないでよね!)と思うが何にも言わない私。こんな人に正論吐いても無駄だと諦めている。だから、何もせず無抵抗な姿勢でいる。
(言いたきゃ勝手に言ってれば)と心でつぶやき、担任の先生が教室に入ってきて田辺はその場を後にした。
離れ側にも「愛してるぜ」と言い、次はウインクしてきたが、私はスルー。その態度に周りの女子は「マジ、ムカつく!」と言って腹立たしく私に吐き捨てる。
だから、もう一度私は心でつぶやく、(言いたきゃ勝手に言ってれば)と。

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