世界最強の暗殺者はまだ中学生だそうです。

キラ・キルリア

世界一の暗殺者は部下の質も世界一だそうです。1

「ここか」


ガラッ


俺は自分の教室のドアを開ける。中に入った途端に全員の視線を集めた。


「一年のときもこんな感じだったな」


俺は黒板に書かれた自分の席を確認し、座りに行く。


「よう、俺は松田琉まつだりゅう。よろしくな!」


前の席の人に声をかけられる。・・・去年も同じようなことがあった気がする。


「・・・夜霧仁だ。よろしく」
「へー。それより夜霧。一緒に帰ろうぜ」
「嫌だ」
「何でだよ」
「用事があるからだ。あと、お前と帰ると何か起きる気がする」


去年は山口と帰って、予報外れの雨が降り出し、雨宿りしようとボロい店の屋根に入ると屋根が崩れ、結局びしょ濡れのまま帰らされた。


「おいお前らー。席につけー。担任の加藤だ。今日はプリントを配って終わりだ。自己紹介とかは各自で済ませてくれ。プリント配るぞ」
「プッ、クククッ」


自己紹介を各自で済ませるとか適当過ぎて笑えるんだけど。ていうか笑ってるやつもいるし。俺の前のやつとか。


「はい終わり。各自で適当にしろ。もう帰っていいから」


俺はすぐに教室を出た。何度も言っているが去年学習している。このまま残っていると、女子の質問責めと、軽く殺意のこもった視線。・・・あれは酷かった。さっさと校門まで向かおう。


「ん?・・・おい、迎えを用意しろと頼んだ覚えはないぞ」
「あの方からの命令ですので」


あの方とは、おそらく『王』のことだろう。『終焉』の現リーダーだ。







前の話の続きをしよう。俺は意識を失い、眼が覚めると、知らない場所で寝かされていた。


「お、起きたね」
「・・・」
「ど、どうしたのかな?もしかして、怒ってる?」
「もしかしても何も怒っているに決まっているでしょ。人違いで殺されかけたんだから。君、声は出せる?」
「きみってなんだ?ばかにしてるのか?それならしね」
「おぉ、威勢のいいガキね。もう1発毒くらわせるか」
「そのときはなにがなんでもぶっころす」
「落ち着いて『悪魔』ちゃん!」
「『悪魔』ちゃんって呼ぶな!『毒蛇』!で?どうするのこのガキ」
「がきっていうな、あくま」
「こいつ・・・」
「えっと、うちのメンバーにしようと思うんだけど」
「え?このガキを?」
「だまれあくま」
「呼び捨てにするな!」
「今回のターゲットを殺したのはこの子なの」
「・・・へぇ、こいつが」
「なんのはなしをしてるんだ?」


メンバー引き入れるとか何とか話している。


「えっと、私達の組織、『終焉』に入らない?」
「いやだ」
「えっと、このまま私達はあなたを警察に突き出すこともできるの。そうなったら、困るのは君だよ?」
「きょうはく?」
「交渉だよ。ちょっとこちらが有利だけどね」
「・・・なにをするそしき?」
「暗殺」
「おれでもできるの?」
「もちろん」
「なら、いいよ」
「オッケー。じゃあ取り敢えず、本名を捨てて貰おう。今とは別の名前を考えてあげる」
「いや、しぶんでかんがえるよ」
「決めました。君は今日から夜霧仁君です」
「だから・・・。はぁ、もういいよ。それで」


この時まではこの『毒蛇』がリーダーだった。なぜ今は違うのかは、また別の機会に。







「車にお乗りください。『悪魔』様も乗っていますが」
「あいつも乗ってるのかよ」


文句を言いつつ、俺は車に乗り込もうとした。


「『死神』さーん!会いたかったでグヘェ!」
「大人しくしろ。年下でも上司だぞ」


『悪魔』が車のドアを開けた途端に飛びついてきた。昔の偉そうな態度から、ある意味前より腹の立つ態度になっている。俺がこいつを倒した時からこれだ。取り敢えず腹を殴って黙らせる。


「上司って、あのゴミクズが決めただけじゃない。そんなの別にいいでしょ!」
「良くない。あいつの言うことに従うのは嫌だが、お前の上司になったのは俺の方が強いからだ」
「それでも私の方が先輩だ!」
「お前が先輩でも俺は上司だ。どっちが偉いかはわかるよな?」
「クッ、たしかに・・・」
「そろそろよろしいでしょうか?」
「構わない。出発してくれ」


『終焉』の中の、グループの1つ、『死神界』。俺こと『死神』を中心に、殺しの技術がトップレベルの人だけでできたグループで、9人だけでできている。そして、俺たちはその『死神界』の拠点に向かっている。


「何の用で迎えまで寄越してんだよ。大した用事でもないならマジで殺してやる」
「機嫌悪いっすね。何か大事な用でもあったんすか?」
「その喋り方をやめろ。です、ますで話せ。折角の休暇を邪魔されたんだ。苛立つのは当然だろ」
「分かりましたよ。仕方ないですね」
「そろそろ着きますよ」
「分かった」
「はーい」


そして俺たちが着いたのは、大きな怪しい建物、ではなく、ただのビル。会社員が中でせっせと働いている、ただのビルだった。

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