世界最強の暗殺者はまだ中学生だそうです。

キラ・キルリア

プロローグ

俺は、黒井隆くろいたかし。裏の組織、主に麻薬を売ることを中心に活動している組織のトップだ。活動場所は日本。今回もたんまり売らせてもらった。


「タバコでも吸うか。・・・ふぅ。・・・ククッ。今回も、バレずに売れて、大儲けできたぜ。そろそろ海外にまで手を出そうか」


独り言を言いながら、1人暗い夜道を歩く。深夜3時を過ぎたところだ。


タッ、タッ、タッ


「あ?」


前を見ると、中学生ぐらいの男が歩いていた。


「なんだ、ガキかよ」


家出でもしたのかと思いながら、無視して歩いて行く。


「あー、眠い。そろそろ帰るか」


ちょうど隣を中学生が通り過ぎた。もう帰ろうと足を進めようとすると、力が抜けて倒れてしまう。


「ああ、酒飲み過ぎたか。眠くてしょうがない。もう、良いか・・・寝るか・・・」


そのままゆっくりと目を閉じる。中学生が立ち止まっているのが見えた。電話をしているようだ。









「終わった。金はちゃんと振り込んどけ。今回は別に死体処理はいらない。じゃあな」


それが俺が最後に聞いた声だった。









俺は夜霧 仁やぎりじん。中学2年生、帰宅部。成績優秀、スポーツ万能。容姿は、まあ良い方だと思う。1年の時クラスメイトが自分の好きな子のタイプを知りたくて、男子の人気投票を実施してその子に選ばれず自滅していた奴がいた。まあそれは関係ないんだが、その時俺は1位だったし、容姿が良いのは間違いないだろう。そんな俺は、暗殺者をやっている。






あれは幼稚園児の頃だった。その頃から優秀だった俺は、親が迎えに来れない日は自分一人で帰っていた。あの日もそうだった。迎えが遅かったから、1人で帰った。そんなに遠くないので、すぐに着き、鍵を開けようとした。


「ん?かぎがあいてる」


だが、鍵は開いていた。親はそういうのはきっちりする人だったから、すぐに何かあったとわかった。音が鳴らないようにゆっくりとドアを開け、家に入った。


ガサッガサガサ


すると、家の中で何かを漁るような音が聞こえた。最初は空き巣だと思った。ゆっくり近づいて、リビングを覗いた。家にいたのは強盗だった。親の死体があった。


「・・・」


その時、俺の頭には色んな考えが浮かんだ。普通こんな時、人は叫んで警察を呼ぶものなのだろうか。動けなくなってしまうのだろうか。どちらでもない俺はどうすれば良いのだろうか。そして俺は、リビングと繋がっているキッチンへと向かい、包丁を手に取った。思えば俺には殺しの才能があったんだと思う。俺はゆっくり強盗へと近づき、気づかれる前にその首を切り裂いた。返り血は、浴びなかった。まるで血が自分を避けるかのように飛び散った。


「・・・はぁ、死体はどうしようか」


もう人格が壊れていたのだろうか。初めて人を殺したと言うのに、何も感じなかった。


ガチャッ


玄関が開いた音がした。後ろを振り向くと、すごい速さで、俺の横を通り過ぎていった。頰に切り傷をつけられた。


「こんにちは、私は『毒蛇』。あなたを殺す依頼が来たのだ・・・けど・・・あれ?」


意識が朦朧として、その場で倒れてしまった。この時入ってきた『毒蛇』が、俺の暗殺の師匠であり、親代わりであり、『終焉』のリーダーだったのだが、これは別にいいだろう。






ともあれ、この人のおかげで俺は世界一の暗殺者になった。『終焉』がどんな組織かとか、『毒蛇』はどんな人かなどはまた別の機会に。
そんな俺も、今や中学生になり、今は始業式の最中で、暇だと言うのが現状だ。


「おい、夜霧」
「あ?なんだよ」


話しかけてきたのは俺の元クラスメイトの山口 涼斗やまぐちりょうと。1年の時に自滅していた男だ。


「今度は別のクラスだな」
「俺としては嬉しい限りだ」
「そんなこと言うなよ、俺たちの仲だろ?」
「お前と仲良くなった覚えはない」
「この始業式が終わればお別れだな。そう思うとなんだか校長の長い話がありがたくなってきた」
「話を聞け。あと、校長の話は全くありがたく思わない。・・・それに」
「それに?」
「・・・隣のクラスなんだから、すぐに会えるだろう」
「ツ、ツンデレ?」
「は?別に会いたいとか言ってないだろ」
「こう、なんだろう。男のツンデレは需要ないぞ」
「殺されてえのか」
「ご、ごめんって」
「チッ」


相変わらず訳の分からない事ばかり言って、俺をイラつかせる。殺しの依頼が来たら3秒で殺してやる。


「ーーーこれで、始業式を終わります。礼」


ようやく終わったようだ。


「夜霧」
「なんだよ」
「すぐに会いに行くからな!」
「二度と寄ってくるな」


俺はさっさと教室に向かうことにした。

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コメント

  • バグ

    新鮮でいいと思う。

    7
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