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時塚オイモ

第44話 〜赤髪の鬼人〜

気がつけば、僕は知らない教室にいた。辺りを見渡すと、教室は古びていて机や椅子は壊れていた。時計も17時14分に止まったまま壊れていて、今何時か分からない。


どうして僕はこんな古びた教室にいるんだろうか?確か、新しい部室で信長や瑠美、透の皆でこれからの事を話そうとして……えっと………それからどうなったんだっけ?


何も思いだせずに、とりあえず窓際に向かって歩き外を見てみる。すると、此処が何処だか直ぐに分かった。


ここって………まさか!もう誰も使われていない廃校の教室!?


窓から見えたのは、隣に新しく出来た高校、聖陽高校が建っていた。


「どうして……僕は此処に?一体どうやって…………」


僕は不思議に思っていると、隣の聖陽高校の窓から透と瑠美の姿が見えた。2人は慌ててる感じで学校を走り回っている。


もしかして…………僕を探してる?


僕は慌てて廊下に出て廃校の出口に向かって走る。


チリン………………


ひたすら、長い廊下を走って下に続く階段を目指す。


チリン………………


早く皆の所に行かないと…………


チリン………………


………………あれ?


僕は足を止め、何か異常な事に気づく。


「階段に………辿り着かない……………」


そう。いくら走っても長い廊下が続いたままで、奥の階段に辿り着かない。


一体………どうなってるんだ?


横を見ると、最初にいた教室があった。上を見ると、何年何組が書いてある看板がある。少し消えかかっていて、目を凝らしてよく見てみると僕は驚いた。何故ならそこには、こう書かれてあったのだから。


「1年……3組………?」


これは偶然なのか?どうして僕のクラスと同じ…………


チリン………………


すると、何処からか『鈴』の鳴る音が聞こえた。


僕は直ぐに後ろを振り向くが、誰もいない。


チリン………………


また後ろから鈴の音が鳴り、僕は慌てて後ろを振り向いた。


「かかっ!!」


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」


僕は目の前に突然現れた彼女に驚いて大声を出して叫んだ。


「かかっ!驚きすぎじゃ馬鹿者!」


そこに居たのは、両手首に鈴を付けてあり、何処に居ても目立つ赤く長い髪に独特な喋り方、そして見る限り140cmぐらいの綺麗な和服を着た女の子だった。


「えっと………君は?」


「かかっ!儂を忘れるとは、相変わらず冗談が好きじゃのう。我が主様は。」


あれ?僕はこの子を知っている……のか?いや、でも今日初めて会った子………だよね?僕が忘れてるだけなのか?でも、こんな分かりやすい赤髪ロングの和服少女を忘れるわけがないし、コスプレにしてもハロシィーンにはまだ早いし………


「その顔、どうやら本気で覚えていないようじゃのう。はぁ………全く、じゃから女子の1人も出来んのじゃ。」


なんか、凄い言われようなんだけど………てか、関係ないと思うんだけど!


「えっと、君は誰なんだ?僕、急いで皆の所に戻らないといけないんだけど………」


「戻れないんじゃろ?」


「っ!?」


彼女はニコッと微笑みながら此方を見る。


僕は何も言ってないのに、何で戻れない事を知ってるんだ?まさか、この子が…………


「君は一体何者なんだ?この現象も君が起こしているのか?」


「かかっ!そうじゃのう。どうやら、何も覚えておらんようじゃし、教えてやろうかのう。」


すると、和服の少女はドヤ顔をしながら自己紹介を始めた。


「儂の名は『花火』。最強の妖『鬼人』じゃ!まぁ、分かりやすーく言うと『妖怪』『怪異』『UMA』のような存在じゃな!」


「……………『花火』?」


「そうじゃ!と言ってもこの名前を付けたのはお前様じゃがの!」


「えっ!?僕が……君の名前を付けたの?それに……鬼人?鬼人って事は君は、あの有名な鬼って事?」


「何を馬鹿な事を言っておるのじゃ!この愚か者は!儂が只の鬼じゃと?かっ!儂をそこら辺で食っては寝ての鬼どもと一緒にするでないわ!儂はあの白虎や九尾、更に吸血鬼よりも最強と謳われた高貴な妖怪なんじゃぞ!レベルが違うわ!レベルが!」


僕は、彼女の小さな容姿と平らな胸を見て素直な感想が頭の中を横切った。


最強で………高貴?この子が…………?


「おいお前様!今、失礼な事を考えたじゃろ!!」


不味い……心の中を読まれてしまった。何とか話を変えないと…………


「あ!だからそんな歳をとった喋り方を…………」


「かっ!!」


花火は睨みつけながら首を曲げて怖い顔で此方を睨みつけた。


しまった!言葉を間違えてしまった!!


「えっと………花火は、いつ僕と出会ったのかな?ごめん。あまり覚えてなくて………」


僕は慌てて話を変えて、気になっていた事を聞いてみると花火は近づいてきて、僕の頭に右手を当てた。


「ふむ………なるほどのう。お前様!ついさっきまで、神隠し部屋に入っておったな!」


「神隠し………部屋?何ですか?それ?」


「そこで、誰かと会わなかったか?」


「誰かと………?」


ジジッーーーーーーーーーー


うっ……何だ?頭の中でノイズみたいのが………前にもこんな事があったような気が……………


ジジッーーージーーーーーー


駄目だ……思い出そうとしても、ノイズが出てきて頭が痛い…………


僕はあまりの痛さに、頭を抑える。


「まぁよい!無理に思い出さなくても、いずれ思い出すじゃろ!」


「花火……君は一体、何を知っているんだ?」


「かっかっか!儂は何も知らんよ!お主が知っておるのじゃ!のう!叶目悠斗。」


花火がそう言った瞬間、僕の記憶が蘇るように次から次へと思い出していく。


『貴様が、私の主か?』


『だったら!私と仲間になろうよ!』


『よっしゃあ!これで3人揃ったな!』


『また会いましょう。『私の主人公さん』。』


『近々、貴方がたに面白い物をお見せ致しましょう。』


『これからはずっと一緒じゃ!悠斗!』


『フフフフ、何を言ってるんですか?貴方が教えてくれたんですよ。』


『叶目先輩……………』


僕は、忘れていた事全てを思い出した。花火の事、パンドラの事、明智光秀の事。そして…………神宮寺無名の事も。


「思い………出した。花火……なのか?」


「かっ!じゃから、そう言っておるじゃろうが!思い出すのが遅いわ!馬鹿者!」


花火と初めて出会ったのは、確か11年前………僕がまだ5歳の時だった。

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