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時塚オイモ

第42話 〜新しい部活〜

信長と瑠美は倒れ込むルパンを無視して、また言い合いを始めた。


「私の名前の方が格好良いだろ!!」


「いいえ!私の名前の方が沢山の人に知ってもらえる良い名前よ!」


「貴様のは只の、キラキラが大好きな変人が集まる集団みたいな名前ではないか!」


「貴方こそ!何よその、バトル漫画に出てくる中二病が集まる集団みたいな名前!」


「それが良いのだ!」


「可愛くない!」


2人の言い合いが徐々にエスカレートしていく。


名前を付けるだけで、何でこんなに喧嘩するんだろうか…………


僕は遠目で眺めていると、決着が着かないと分かった2人は、僕の顔を見て喋り出す。


「それなら悠斗に決めてもらおうではないか!」


「そうね!悠斗君が決めて!」


2人は、僕の顔をジーーーッと凄い眼差しで見つめてくる。


そんなに熱い視線で見つめられても困るんですけど………


「チクショー!悠斗だけずるいぞー!!」


「そうですぞー!悠斗殿だけあんまりですぞー!!」


何故か、透とルパンが一緒に泣きながら僕に怒鳴ってきた。


えぇ………そんな事言われても困るんですけど…………


すると、透とルパンは見つめ合った。


「うぉぉぉぉ!ルパーーン!!」


「うぉぉぉぉ!透殿ぉぉぉ!!」


そして、2人は同じ仲間だと再確認し、抱き合ってまた泣き出した。


……………何だ………これ…………?


「えーーーっと、それじゃあこういうのはどうかな?」


そう言うと、皆は一斉に僕の顔を凄い視線で見つめてくる。


そんなに圧い視線で見つめられても困るんですけど!!


「えっと、『情報部』とかじゃダメかな?」


「『情報部』???」


皆は首を傾けるような疑問で繰り返し言った。


僕は、皆に分かるように説明を始めた。


「『情報部』なら、沢山の人から色んな情報を得る事が出来るし、前までここは『新聞部』だったんだよね。もしかしたら、『神隠し』の事件の真相が分かるかもしれない。それに『情報部』なら自然環境についての情報が入ってきて、報告したり対策出来るから一石二鳥じゃないかな?」


僕は、思いついた事をそのまま全て話すと皆は納得したような顔して同意してくれた。


「うむ!それは良いな!確かに一石二鳥だ!」


「うん!悠斗君のが一番良いよ!」


「なるほど!確かに悠斗殿が仰っている事は理にかなっていますね。」


「へっ!そういうところは昔から変わってねーな!」


『情報部』。『新聞部』に似せただけなんだけど、意外に皆は高評価してくれた。でも、これで名前も決まった事だし結果オーライかな!


こうして、今日も大変な1日を過ごした。まさか朱莉がAVOプレイヤーになっていて、朝から朱莉と戦う事になり、学校に来たら透から急に部活に誘われ、これから使う部室は『神隠しの部室』って言われてたり、色々と不安な事はあるけど、でも皆とならきっと大丈夫!今も、そしてこれからも、皆で協力し合えば何でも出来る気がする!


「よっしゃあ!」


透は張り切った声で皆に言う。


「それじゃあ、名前も決まった事だし!部活をはじ…………」


ジジッーーーーーー


えっ……………?


「うむ!もちろ…………」


ジジジッーーーーー


な、何だ…………?


「うん!皆で…………」


ジジッーーージーーーーーー


頭の中で……ノイズみたいのが……………


「それは良い……………」


ジジジッーーーーーージジーーーー


ノイズが頭に………一体何が起きて…………


何故か急に頭の中にノイズが入ってくる。ノイズが発生した時、皆の声が聞こえなくなっていく……いや、声だけじゃない。皆の姿まで消えて…………


『フフフフフ………』


今度は頭の中で、女の子の笑い声が聞こえた。


ジジッジーーーーーーーーーーーーー


そして女の子の笑い声の直後に、今度は長いノイズが頭の中に流れてきた瞬間、僕の目の前で起きていた賑やかだった光景が………今までの記憶が…………皆の姿が…………………


完全に消滅した。


・・・・・・・・・・・・


「………………………あれ?」


気がつけば、僕は全く知らない教室にいた。何故、僕がここにいるのか分からない。何か大切な事を忘れているような……思い出そうとしても、頭の中にモヤみたいのがあって思い出せない。


「………………………あれ?」


周りを見渡すと、何故か外は灰色になっていて、時計は17時14分で止まったままだ。学校には人の気配が全くない。まるで、この世界には僕だけしかいないような………僕以外時間が止まってしまっているような、そんな静かさだった。


「………………………あれ?」

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