第17話 〜熱い教師！新しい転校生！？〜

朝、スマホのアラームが鳴り響き僕は目を覚ます。今日からまた5日間学校に行かないといけない。この3日間で色々な事があり過ぎて、あまり現実感が無い。むしろ、夢だったんじゃないかと思えるほど穏やかな日常を………


「んー？おはよう悠斗！」


「おはようございます。悠斗。」


過ごせる筈もなかった。


「おはよう！2人共、朝早いね。」


僕は一階に降りて、朱莉が用意してくれた朝ご飯を見ながら欠伸をする。アーサーは眠そうな僕の顔を見たのか


「申し訳ありません。悠斗のベットで寝てしまうなんて。お背中は痛くないですか？」


「ま、悠斗なら大丈夫だ！そんな骨の無い男ではないからな！」


信長はまるで他人事のように言って、ご飯に手を伸ばす。すると、アーサーが信長の手を叩く。


「貴方は馬鹿なんですか！もし、悠斗が風邪でも、引いたらどうするんですか。あ、ごめんなさい。馬鹿ではなく、うつけ犬でしたね。」


「貴様は一々心配しすぎなのだ！悠斗もちゃんとした男だ！あれくらいで風邪など引かん！この変態狐！」


アーサーが毒舌を吐くが信長も言い返す。段々、信長が言い返せるようになってきたなぁと、僕は他人事のように見ていた。


「誰が変態狐ですか！」


「誰がうつけ犬だ！」


2人はまた喧嘩というか言い合いを始めた。僕は長くなりそうなので無視してご飯を食べる事にした。


『馬鹿犬。』


『毒舌狐！』


『クズ女。』


『タフ女！』


…………そして、しばらくしてようやく言い合いが落ち着いてきて僕もご飯を食べ終わる。


「はぁはぁ……この馬鹿貧乳うつけおたんこなす犬。」


「はぁはぁ……ふざけるな！変態デカ乳猛獣タフ毒舌狐！」


2人はまだ言い合いをしている。僕は呆れてもう終わったかと聞くと2人は同時に息ぴったりに怒鳴る。


『まだ終わってない！！』


仲が良いのか悪いのか……とにかく僕は、学校に遅れないように出る事にした。すると、2人は一緒について行くと言って、直ぐ僕のスマホに入った。少し心配だけど、仕方ないと思いそのまま学校に行く事にした。


聖陽高校   教室1年3組


「おっは！悠斗！」


僕の背中を叩き元気に挨拶をしてきた。透だ。


「おはよう透。朝から元気だね。」


「おう！あ、そうだ悠斗！知ってるか？今日、転校生が来るらしいぜ！それもすっごい可愛い子って噂らしいぜ！」


透の目が輝いている。透は昔から美少女には目がないからな。よほど嬉しいんだろうな。


「はぁ、可愛い子って誰だろうな！早く会いたいよな！悠斗！」


僕は、微笑みながら頷くと僕のスマホに入っている信長とアーサーが突然声を出す。


「どういう事だ悠斗！私というものがありながら！」


「浮気ですか！浮気なんですか！悠斗。」


ちょっ、ちょっと！何で今声を出すの！透や他の人バレたら大変な騒ぎになるよ！僕は慌てる。すると、透は信長とアーサーの声に気づく。


「ん？今お前のスマホから女の子の声がしなかったか？」


「ち、違うよ！これは……そう！着信音だよ！電話が掛かってきたんだ！あ、叔母さんだ！もしもし叔母さん！今学校だらから、それじゃあ！」


僕は慌てて出たフリをして切るフリをし、誤魔化した。


「お、おう。お前の着信音は何か変わってるな。」


何とか、バレてはいないみたいだ。そして朝のチャイムが鳴り僕達は急いで自分の席に着くと真田先生が入って来た。


「はい！今日は皆に特に男共に嬉しい話がある！今日は新しいクラスメイトを紹介する！さぁ、入って！」


「はいっ！」


ドアの先から可愛い声が聞こえてくる。可愛い声……ん？何処かで聞いた事があるような……まさか！？


「皆さん！初めまして！アイドル女優をしています。『早苗瑠美』と言います。よろしくね！」


そう言った時、クラスの全員が雄叫びを上げる。


「うぉー！ルミたんだー！」


「ルミちゃーん！！」


「ルーミー！いつも応援してるよー！」


凄い………瑠美が来た瞬間、教室がパレードのように一気に騒がしくなった。はっ！？もしかして透も！と思い透を探すと瑠美の前で『I   LOVE   ルミ』と書かれてある鉢巻を頭に巻いて叫んでいた。てか！いつの間にそんな物を作ってたんだ！？皆があまりにも盛り上がるので真田先生が痺れを切らして大きな声で叫ぶ。


「ほら！お前ら！席に戻れ！」


そう言うと、皆は慌てて席に戻り静かに座る。真田先生を怒らすと本当に怖い目に遭ってしまうからだ。


『真田夏海』26歳独身。普通にしていたら確実にモテる美人の先生なのだが、素性はとても熱いというか激しいというか……とにかく熱く、生徒思いの先生だ。


「さてと。本当ならこの時期に引っ越しは滅多に無いが、テレビなどで一番動きやすい場所がこの街らしいから引っ越してきたそうだ。お前等！くれぐれも厄介事を起こすなよ！」


真田先生は微笑みながら僕達を睨みつける。


先生………目が怖いです。