アクティベート・オンライン

時塚オイモ

第14話 〜ラグナロク、仲直り?〜

「馬鹿なっ!?『ラグナロク』は10年前に決着した筈だ!第二次だと?いい加減な事を言うな!」


信長は急に慌てだす。てか、10年前!?……確か、母さんが急にいなくなったのも10年前だった………僕が6才の頃、僕の母親は突然行方不明になり何も言わず姿を消した。そして、父親も突然何も言わず姿を消した。それから、しばらくして母親の従姉妹である神谷家に僕は住む事になった。


「どういう事?その『ラグナロク』って何なんだ?」


疑問に思った事を率直にアーサーに聞くと、信長は動揺しながら僕に説明をする。


「主とキャラクター達の戦い。全国から、アクティベート・オンラインをする者達が生死を賭けて戦い合うふざけたイベントだ!」


「ええ。ですが、このままゼウスとヘラを放っておくと再び『ラグナロク』が起きてしまいます。それを阻止するために、私が来たのです。」


アーサーは自分が来た理由とゼウス、ヘラの事を真剣な顔で話してくれた。


「だが、ゼウスとヘラはどうやってこの時代に来たのだ?貴様は未来の悠斗と過去の悠斗が居たから、この時代に来られた訳だから……そうか!あの生意気な城ヶ崎姉弟が未来から……」


「違います。」


アーサーは即答に真顔で答える。信長は、それに対して不満そうな顔で舌打ちをする。


「あの2人を召喚したのは城ヶ崎姉弟ではありません。城ヶ崎姉弟を操っている黒幕がいます。その黒幕こそゼウス、ヘラを召喚し再び『ラグナロク』を引き起こそうとしているのです。それくらい気づいて下さい。薄鈍クズ犬。」


そろそろ信長がまたキレようとしているのが分かったので慌てて僕はアーサーに話す。


「な、何となく分かったよ!でも、その黒幕は一体何者なの?どうして『ラグナロク』を引き起こそうとしているの?」


「流石は悠斗!話が早くて助かります。何処の薄ーい脳しかない、うつけ犬と違って。」


アーサーはニヤつきがら信長を見ると、信長はついに堪忍袋の尾が切れて刀を出しアーサーに斬りかかる。アーサーは、斬りかかるのが分かっていたような瞬発力で剣を出し信長の刀を止める。


「貴様……もう一度言ってみろ。次は確実に斬るぞ。」


信長は意外にも何時もの大声で叫びながら怒るのではなく、冷静沈着な声で怒っている。何だろう?何時もより怖く感じる。まるで、冷静で何の感情も無いまま人を普通に殺すような……そんな感じがする。


「ふっ、貴方とは何度も戦った事がある私に勝てるとでも?うつけ犬。」


「知らん!未来とか過去とか関係ない!貴様を只斬るだけだ!」


そして、2人は剣を交える。どんどん、僕の部屋が滅茶苦茶になっていく。僕はこのままでは不味いと思い、2人の前に立ち叫んだ。


「やめろぉぉぉ!!」


僕は初めて、本気で怒鳴った。すると信長とアーサーはピタッと動きを止める。


「2人共いい加減にしろ!これ以上やるなら、僕は2人のマスターを辞めるからな!」


そう言うと信長とアーサーは静かに僕を見て謝る。


「……すまない。」


「……申し訳ありません。」


「僕に謝るな!2人で向き合ってちゃんと謝って仲良くするんだ!」


僕は強く命令する。普段怒らない僕だから、2人は少し動揺しながら向き合って謝った。そして、僕は落ち着いて慌てて2人に謝る。


「ご、ごめん。2人に酷い事を言ったよね。本当にごめん。」


「な、何を言っている!悠斗が謝る事はない!」


「そうです!私達が悪いのに悠斗が謝る必要はありません。」


2人は慌てて困った顔で仲直りしたと僕を見て言う。


「じゃあ、これで仲直りという事で……この部屋を掃除してもらおうかな?」


「はい!!」


信長とアーサーは慌てて返事をして、直ぐに片付けを始める。それじゃあ僕は2人の掃除が終わった時の為に、お菓子とお茶でも用意して置こう。そして、暫く時間が経ち


12時24分ーーーーーー


「……凄く………綺麗になったね。」


僕は2人の片付け後の綺麗さに驚いていた。まるで、まだ誰も使っていないかのような新品のような部屋がそこにあって、何か落ち着かない。もしかして、2人は結構綺麗好きなのだろうか?


「当然だ!何せ、私が片付けたのだからな!」


「全く。そもそも貴方が最初に暴れなければ、こんな事にはなっていなかったのですよ。銀髪犬。」


「何だと?貴様がふざけた事を言うのが悪いんじゃないか!この金髪狐!」


「あら。可愛い名前をありがとう。狐は犬と違って性能が良いからね。犬と違って。」


信長とアーサーがまた言い合いを始める。さっき仲直りしたばかりなのに何でこんなに早く喧嘩出来るんだ?あ!そうか。喧嘩するほど仲が良い!と言う事なのか!


『仲良くない!!』


信長とアーサーは僕を見て同時に言った。おっと、心の声が2人に聞こえてしまった。絆を深めている所為か、最近考えている事が何となく分かるみたいだ。あまり、余計な事は考えないようにしよう。とにかく、部屋を掃除したばかりなのにまた汚されたら元も子もない。僕は2人をニコッとした顔で睨みつける。


「ふーたーりーとーもー?」


そう言うと2人はピタッと動きを止めて静かにする。そして、思い出した事があるのでそれをアーサーに聞いた。


「それよりもさっき聞きそびれたんだけど、その裏にいる黒幕って誰なの?」


アーサーは難しい顔をし、暫くして口を開ける。


「そうですね。詳しい事までは分かりませんが、その黒幕はこう呼ばれています。名前を……………
『トール』と。」



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