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時塚オイモ

第9話 〜お嬢様と女神、そして共闘〜

10分前   六本木喫茶店


「大体!何で貴様は悠斗に引っ付こうとしているのだ!」


「悠斗君は、私の命の恩人で優しい人がだから友達になりたいって思うのはおかしいですか?」


「それでも、ベタベタくっつき過ぎだ!昨日も言ったが、悠斗は私の物だ!」


信長は怖い笑みで瑠美を睨みつける。


「私も昨日言ったでしょ!悠斗君と貴方は主従関係で、それ以上でもそれ以下でもない。悠斗君は貴方の物じゃないって!」


瑠美も怖い笑みで信長に反発する。二人から、黒いオーラみたいのが出ている。店の店員さんは、二人を見て震えていた。すると、急に店に居た店員や他の人達が消えた。そして外から女の子の笑い声が聞こえてきた。


「おーほっほっほ!全く、最近の女子は品が無くて困りますわ!ねぇ、ヘラ?」


「莉奈、そんな事を言ってはいけませんよ。可哀想ではないですか。本当の事なんですから!」


もう一人、違う人の笑い声が聞こえてきた。そして、店のドアが開き入ってきたのは、お嬢様姿の女の子と美人で胸が大きくスタイルが良い女性が入ってきた。


「あら?私達の方が美人で品も良すぎて何も言い返せないみたいですわよ。ヘラ」


お嬢様姿の金髪縦ロールの女の子が、笑いながら信長と瑠美に挑発の言葉を言って美人な女性を見て言う。


「ええ、そのようね莉奈。可哀想な子達。」


美人で胸が大きい女性も笑いながら、お嬢様姿の女の子の言葉に賛同して挑発する。しかし……


「悠斗は貴様に渡すつもりはないからな!」


「それは悠斗君が決める事な筈です!貴方が決めるのはおかしいと思いますが?」


信長と瑠美は店に入ってきた二人の女性に気づかず、まだ言い合いをしていた。お嬢様姿の女の子が頑張って挑発していたのだが、信長と瑠美は一切聞いていなかった。それよりも、二人は今起きている事に全く気づいていなかった。すると、お嬢様姿の女の子はイラッとして


「ちょっと!無視なさらないで下さる!」


ついに、キレて二人に向かって怒鳴った……が


『うるさい!今は取り込み中だ!』


信長と瑠美は二人同時に大きな声で驚く程、綺麗にデュエットしてお嬢様姿の女の子に怒鳴った。


「きー!もう怒りましたわ!ヘラ!殺ってしまいなさい!」


お嬢様姿の女の子は美人の女性に命令を下して、攻撃をする。そして、美人の女性は黒い火の玉を出して信長と瑠美に向かって投げる。それに気づいた信長は刀を取り出して黒い火の玉を斬った。


「どうやら、今は休戦するしかないみたいだな。」


「そうね。今はあの二人を倒しましょう。」


瑠美は頷き、二人を見つめる。すると信長は二人を見つめながら質問をした。


「貴様等!何者だ!」


「うふふふ。仕方ありませんわね。教えて差し上げても良くってよ!」


お嬢様姿の女の子は嬉しそうにニヤつきながら偉そうに言う。だが


「あ、ごめんなさい。やっぱり結構です。」


瑠美は興味無さそうに断る。


「ちょっと!聞きなさいよ!」


お嬢様姿の女の子は怒りながら、自己紹介を始める。


「私の名前は『城ヶ崎莉奈』城ヶ崎家の御令嬢ですわ!そして……」


「我が名は女神『ヘラ』神の中で一番美しい女神ですわ!」


二人は笑いながらドヤ顔で信長と瑠美に向かって言う。


「まさか、怪盗の次は神が相手とは……差があり過ぎじゃないか!早く悠斗と合流しなければ!」


「無駄ですわよ!」


莉奈は微笑みながら信長に言う。


「無駄とはどういう事ですか!」


瑠美は不安気に莉奈を見つめながら質問をする。


「今、貴方達のお友達は私の弟と神ゼウスがお相手をしている頃ですわ!」


信長と瑠美は驚く。そもそも、相手が神のキャラクターに対しこっちは、人間のキャラクター。いくらなんでも勝ち目が薄い。でも、それでも戦わないといけない。


「お友達に会いたければ私達を、倒してから行くことですわね。ま、私達を倒せたらの話ですけども。」


この、お嬢様と女神様を倒して悠斗とルパンに会うために!


「チッ!泥棒猫!」


「誰が泥棒猫ですか!」


瑠美は信長が、言った事にイラつきながら反論する。


「本当は凄く凄ーく嫌なのだが、今は共闘するしかないみたいだ。」


「奇遇ね!私も凄く凄ーく嫌ですけど、貴方と共闘するしかないって思ってた。」


信長と瑠美は嫌そうな顔でお互いを見て頷き、戦闘態勢に入った。


「うふふふ、行きますわよ!ヘラ!」


「ええ、私達の美しさを教えてあげましょう!」


ーーーーそして信長と瑠美、莉奈とヘラの戦いが始まった。

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