第3話 〜パートナー、そして決着〜

ルパンは彼女の顔に銃を向け引き金を引こうとした時、彼女が


「くっ、ここまでか……何とも笑えない冗談だ。私はまだ、願いを叶えていないというの……に……」


そう言って悲しそうな笑顔で諦めかけた時


「ふざけるな！」


僕は彼女を庇うように彼女の前に出て両手を広げた。


「なっ！？馬鹿者！早く逃げろ！」


彼女は慌てて言うが、僕は動かない。


「男が女の子を見捨てられる訳ないだろ！それに……それに僕は！君の主なんだから！」


僕は最後まで言いきり、覚悟を決める。ここまで言ったら、もう後戻りは出来ない。でも、彼女を守れるなら！


「ふははは！馬鹿なマスターだ！いいでしょう。貴方ごと消えなさい！」


ルパンは引き金を引いた。僕は心の中で強く……強く願った。


「僕に、彼女を守れる力を下さい！」


すると、彼女が急に光だした。


「な、何だ！？力が溢れてくる。これが主の力、主の思いなのか……傷も消えてゆく。」


そう言って彼女は立ち上がり、僕に向かってくる弾を目に見えない速さで斬る。


「なっ！？」


ルパンは驚き後ろへ下がった。


「ふっ、全く……我が主は無茶な事をするものだな。」


彼女は笑みを浮かべながら僕を見る。


「ごめん。でも君も……」


無茶をしてるじゃないかと言おうとする前に彼女は


「信長だ！」


と笑顔で彼女の名前を言った。


「え？」


急に彼女は名前を言ったので、びっくりしてもう一度聞いてしまった。


「君ではない！私の名前は天下統一を目指し、最強となった武士『織田信長』だ！」


信長はドヤ顔をして僕を見る。あれ？てか、信長って女の子だっけ？銀髪？赤眼？いや、彼女はゲームのキャラクターだから不思議じゃないのか。僕はとりあえず整理が出来たので自分の名前も言う。


「そっか！僕の名前は叶目悠斗だ！悠斗でいいよ！これからよろしく、信長！」


僕は笑顔で信長を見る。


「うむ！これからよろしく頼むぞ！悠斗！」


信長も笑顔で応える。すると


「ふ、ふふふふははは！今更マスターの力を使おうとも吾輩に不可能などない！我がマスター！吾輩に力をお貸しください！」


ルパンは笑いながら両手を広げると、フードを被るマスターらしい人が姿を現した。そして、ルパンが光だす。


「さぁ！最後の戦い。ファイナルラウンドと行きましょうか！」


そう言ってルパンは再び引き金を引いた。すかさず信長は弾を斬るが、信長の額に血が出る。


「な、何だ！？速さも弾の数も、さっきよりも増している！」


僕は顔を固めて、只見ていることしか出来なかった。あんなに早く動かれたら信長が……


「ふははは！見ましたかな？驚いておりますかな？これが、吾輩と我がマスターの力なのです！」


ルパンは楽しそうに得意げな笑いで喋る。


「くっ……このままじゃ……」


僕は諦めかけた時、彼女は笑顔だった。


「何を簡単に諦めておる！悠斗！私と悠斗の力はこんなものでは無いはずだ！」


信長から強い思いを感じた。まだ、彼女は諦めてはいなかったのだ。僕は彼女の赤い瞳を見て、光を感じた。


「そう……だね。ごめん信長！やろう！僕と信長でルパンを倒そう！」


僕は決意を込めて信長を信じる事にした！すると、突然僕の右手と信長の右手が光だす。


「手が熱い！何だ？これ……しる……し？」


突然光だした僕の右手を見てみると、其処には不思議な印のようなものが刻み込まれてあった。


「うむ！行くぞ悠斗！」


そう言うと、信長の後ろに異空間のようなものが出てきて、そこから何本、何十本、何百いや、それ以上の刀が出てきた。


「小癪な真似を！私の速さについてこれますかな？」


ルパンはまた、見えなくなるほど速い動きで銃を色んな場所から撃ちまくるが信長は、まるで弾の来る場所が分かっているかのような動きで、素早く弾を全部斬っていく。


「何ですと！？」


ルパンはあまりの想定外に驚き攻撃を止める。


「ふんっ！貴様の力はそんなものか！ならば、次は私達の番だな！」


そう言って信長は、一瞬にして目に留まらぬ速さでルパンの背後に行き


「これが！私と我が主の力だ！くらえ！
『無限魔双神』！」


信長は大量の刀でルパンを刺して動きを止め、最後に自分の刀でルパンの胸を斬った。信長があんなに強いキャラクターだったなんて、僕は思いもしなかった。可愛いし、ドレス服？を着ているし。人は見た目で判断しちゃいけないというのはこういう事を言うんだなと思った。


「そんな……ば……かな……」


ルパンは倒れて、ルパンを大量に刺した刀が消えていく。ようやく勝って戦いが終わった。そして、立ち尽くしていたフードを被ったルパンのマスターはへたり込んだ。