三人の精霊と俺の契約事情
混沌
ーー押し寄せる感情の波が彼女の身体を蝕んで行く。
それは、怒りであったり哀しみであったり、いろんな感情が混沌となり彼女自身も表情のコントロールが出来なくなっていた。
意識を失い、目覚めた時には全てを破壊し尽くしていた。
幾度となく文明が築いてもまた、壊れていくーー。
その中心にはいつも自分が居たこと。
彼女自身は、気づいていない・・・
いや、本当は心のどこかでは気づいていたかも知れない。
暗い狭い部屋で、人間の姿をしたエキドナは俯きながら膝を抱えている。
目を閉じ、小刻みに身体を震わせていた。
時折、瞼の裏に写る自分とは有り得ない自分。全く記憶の無い空白の時間。
ーーもし、また眠ってしまって目が覚めたら何もない世界だったら・・・。
コワイ。
全て失う。
今の私から大切なモノを奪わないで。
俯く視線の先に問いかけるーー。
エキドナは更に小さく丸くなり顔を伏せた。
ずっと忘れていた・・・?
無かった事にしていた・・・?
違う、違うと膝を抱えながら首を左右に振るエキドナ。
分かっていた・・・?
知らない振りをした・・・?
目を閉じ、耳を塞ぐーー聞きたくないよ!!!
「本当は、分かっていたんでしょ?」
「自分の正体に・・・?」
耳を塞ぎ、目から大粒の涙を流しながらまるで、見えない何かから必死で抵抗するように首を左右に振るエキドナ。
「愛する家族には気付かれなくない?」
「本当は、気づいてるんじゃない?」
もう辞めて!!エキドナは地面に顔をつけて崩れ堕ちた。
「アポカリプスの正体は、あなただって」
エキドナの泣き叫ぶ声がバルティカ共和国全土へと響き渡ったーー。
その声は、かつてのエキドナの声とは程遠い、憎しみと邪悪が混沌とする咆哮だった。
それは、悪戯に惨殺された神竜たちが待ち望んでいた声でもあった。
死体は笑ったりはしない・・・だが、微かにニーズヘッグの口元が微笑んだのを誰も気づいてはいなかった。
ーー   邪竜アポカリプス復活  ーー
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