三人の精霊と俺の契約事情
アヴァロン最後の死闘①
「ねえ、あの空何か変じゃない? 」
少女が指を指した先にある空は歪んだように見えていた。
その歪みは日に日に次第に大きくなっていった。
「ねえ、あの空の歪み前よりずっと大きくなってない? 大丈夫かな?」
少女が指を指した空には穴のようなものが空いてまるで世界を飲み込もうとしているようだった。
少女が隣にいる話しかけていた老婆は答えたーー
「これは、デーモンズゲートじゃな」
「でーもんずげーと?」
「この世界と魔界を繋ぐ境界線にある扉のことじゃよ」
歪んでいる空を見上げながら老婆は答えた。
「魔界と繋がるの? 嫌だなあ、悪魔族怖いよ」
少女は怯えて老婆の服を掴んだ。
老婆もこれ以上は何も言わずただジッと空を見上げていたーー
扉がゆっくり確実に開こうとしていたーー
★ ★ ★
「アーサー、これ以上ここに居るのは危険だぞ。 いつコロッセオが崩れ堕ちてもおかしくない。この場を離れた方が良い」
「ランスロットの言うとおりよ。マーリンだって巻き込まれたらただでは済まないわ。一度外へ出ましょ」
ランスロットとメーディアがアーサーに呼びかけるが聞く耳を持たずマーリンを凝視している。
「アーサー聞いてるのか? おい!」
キルケーも呼びかけるが聞こえていない訳がないが無視しているのか、アーサーはマーリンを凝視している。
「良いのかしら? みんなこの場を離れようとしているわよ。行かなくて大丈夫?」
マーリンは、口元を緩めてアーサーを挑発する。
「今、お前をここで逃せばもう捕まえられない気がする。姿形を変え記憶を操りそしてデーモンズゲートを開きこの人間界を支配する。俺はそれを阻止する為にここにいる」
決して逃さないとマーリンから目を離さないでいるアーサー。
「あなたに止められるかしら?」
「止めてみせるさ。俺の全てをかけて」
膨れ上がる魔力ーー金色の瞳が輝く。
精霊たちの体も連鎖するように輝き出す。
アーサー様の気持ちが伝わってくる。
アーサー様の気持ちに応えたい。
私も同じ気持ちです。
一人じゃありません、私たちが一緒です。
「俺もみんながいるから何度でも立ち上がれる。強くなれる」
今、最後の幕が上がるーー
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