三人の精霊と俺の契約事情
雷対水
バチバチッと電撃が弾ける音が響くーー
海の孤島のメイザース亭の上空にデーモン達が包囲して今にも襲ってくる危機的状況である。
「メイザースを引き渡せ、命だけは助けてやらん事はないぞ」
外見は、デーモン達とは違い悪魔族の使い魔とは思えないどちらかと言えば天使属に近い外見をしているベリアルの手下が叫んだ。
天使のような漆黒の翼を羽ばたかせ、竜の角を頭に二本生やしている。
青い単発の髪の毛に蛇のような目をしている。
あ
「ベリアルの手下のクロセルなのだよ」
屋敷の応接間の窓から様子を伺うメイザース。
「メーディア、まけないよね」
心配そうにメイザースの服を引っ張りながらエルザが尋ねる。
「魔法の相性的にはメーディアちゃんのが良いですよ。 ただクロセルは厄介な悪魔族でしてね。援護が必要になるかもですよ」
メーディアは、魔力を解放するーー
メーディアの髪が静電気で逆立つ、魔力を帯びた電撃のオーラがメーディアを包み込む。
「メイザースを引き渡す気がないようだな。お前ら殺れ」
デーモン達が一斉にメーディア目掛けて襲いかかる。
「メイザース様をお守りするのが私の役目よ! 指一本触れさせないわよ」
デーモン達は、爪で引っ掻くように攻撃してくるのを後方に飛び跳ねて攻撃を避けるメーディア。
「鳴神」
メーディアが腕を水平に振ると凄まじい音とともに電撃の魔力がデーモン達目掛けて放たれた。
デーモン達、十数体のうちの五体が電撃の直撃を受け真っ黒に感電し地面に落ちた。
すかさず残り半分のデーモン達に向かい掌を向ける。
「雷鎚」
掌から電撃の魔力が放電されデーモン達は、バチバチと電撃を受けて感電した。
メイザースの屋敷の応接間の窓から見ていたアーサーと精霊達は、メーディアのあまりの強さに言葉も出ず見入っていた。
「まだ、三体残ったかーー」
「なかなかやるではないか。雷魔法など見た事がない、ベリアル様に差し出せばさぞお喜びになるだろ」
「余裕の高みの見物が出来るのも今のうちだけよ」
バチバチと電撃のオーラがメーディアの周りを包み込む。
デーモン三体が再びメーディア目掛けて襲いかかる。
「迅雷」
両手を目の前に広がって襲いかかってくるデーモン三体に電撃の無数の矢を放った。
三体は、空中で動かなくなりそのまま感電死して地面に落ちていった。
「私自らが相手をしなくてはならないとは。いくら魔力が無いとはいえ傷一つ負わせられないとはーー情けない」
クロセルは、肩をすくめてため息をついた。
「あなたもすぐに終わらせてあげます」
銀色の前髪を掻き上げて、クロセルを睨みつける。
「ふふ、 ウチの雑魚共と同じ扱いをされて少し心外だよ。メイドちゃん」
「その余裕なくしてあげます」
空中に浮いてるクロセル目掛けて高く跳ねるメーディアーー 一瞬でクロセルの目の前に移動し電撃を放つ。
「鳴神」
クロセルに電撃が直撃したーーしかし、直撃した電流が拡散して消えていく。
メーディアは、顔を歪めて改めて手応えのない事を感じた。
「霧の残像ーー」
地面にゆっくりと降りて行きながらクロセルの姿を捜す。
「ご名答、メイドちゃん。 雷魔法なんて直接喰らえばひとたまりもないんでね」
クロセルは、メーディアの真上に太陽の光が逆光になる位置に浮いていた。
メーディアは、掌で光を遮りながらクロセルを視界に捉える。
「ベリアル様のように女子を痛めつける趣味はないのだが、黙って付いて来てくれる気は無さそうなんで少し乱暴させてもらう」
クロセルは、手を上に突き上げると真後ろの海面から空に向かって水柱が上がった。
「海流の滝」
クロセルがメーディアに向けて手を下すと水柱がメーディア目掛けて襲いかかる。
「屋敷もヤバイじゃ。 エルザ障壁をーー」
「わかったの。 大地の母ガイヤよ 我にチカラを大地の障壁」
屋敷全体が薄茶色の結界に包まれる。
「メーディアさんまで障壁が届かないの」
あたふたと焦るエルザ。
「メーディアなら大丈夫さ」
キルケーは、顔色一つ変えずに窓から今まさに水柱がメーディアに襲いかかろうとする羽面を見つめていた。
「くっ、 電光石火」
メーディアは、稲光りを放ちながらその場から消え去るようなスピードを見せた。
水柱は、何もない場所に直撃し屋敷に貼ってある結果にぶつかると消滅した。
「ほう、良く回避したな。ますます連れて帰らなきゃいけないな」
「私は、メイザース様のために生きてるの。簡単には連れ去られないわよ」
バチバチと電撃を纏ったオーラがメーディアを包み込んでいる。
「ノッキングの効果がまだ残ってる、ここで奴を仕留める」
魔力を一気に解放するメーディアーー
「何やら意気込んでるな。 メイドちゃんこそ考えが甘いんじゃないかな」
クロセルは、再び手を上に突き上げると海流がクロセルの周りに集まる。
「海流の巣どうする?メイドちゃん」
クロセルは空中で水の塊の中に消えてしまっている。
「私の雷を見下すなよ」
更に勢いを増す電撃のオーラがメーディアの魔力の上昇状態を表している。
物凄い電撃がバチバチと音を立てている。
「水は、雷を通す! それが貴様の弱点だ」
ノッキングの効果で稲光りを放ちながら一瞬で水の塊の前に移動すると貯めていた電撃を全てに凝縮させて天に放すーー
「無限の紫電」
漆黒の雲に辺りは覆われ天から無数の電撃の柱がクロセルの水の塊に向けて降り注ぐ。
けたたましい音の雷鳴が轟き水の塊は稲光りで見えなくなる。
ゆっくり地面に落ちて行きながら勝利を確信している表情を見せるメーディア。
「私の最高の一撃よ。 これを耐えれるなんて事はありえないわ」
稲光りが止み漆黒の雲は消え去ったーー
水の塊は、蒸発し辺りは霧に包まれている。
「嘘よーー」
メーディアは、目を疑ったーー
目をパチクリさせ何度も確かめる。
霧の中に人影ーーいや、人より一回り大きな影が見える。
それは、人の姿をしていなかった。
「竜魔族ーー!! 」
クロセルは、恐ろしい伝説の竜の姿をしている。
クロセルにすでに理性はなく、 雄叫びをあげてメーディアを威嚇している。
「竜魔族相手に一人はさすがに無理よ」
屋敷に顔を向けて笑顔を見せてるメーディア。
それを見たキルケーとメイザースは、納得といった表情を見せた。
「分かってはいましたがとんでもない相手なのだよ」
「竜を狩るなんて聞いたことないぞ」
「アーサーきゅん、精霊ちゃん達も一緒にチカラを貸してくれませんか」
メイザースは、優しく微笑む。
「ああ、勿論だとも!! 」
ーー 水竜クロセル 討伐開始 ーー
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