三人の精霊と俺の契約事情
世界新聞社の記者
そのニュースは、世界中を震撼させた。
未だかつて退けたことの無い薔薇十字軍をホーエンハイムは撃退した。
決して大きくはない、財力、兵力もままならない小国。 援軍も呼んでないホーエンハイムが世界三大の災厄と言われている新聖教団の薔薇十字軍を退けたとなれば世界中は大騒ぎになった。
何故、そのニュースが号外となり知れ渡ることとなったのか・・・。
世界新聞社ーー 此処には世界各地での情報が集められる。ギルドの達成・クエストのクリア・世界三大災厄の現状・魔法教団そして各地での紛争。
これらの情報を提供しているのが戦場絵師。
特異能力の念写によりその人の記憶の断片を写真のように映し出すことが出来る。
これは個人差があり鮮明差が生じる、 絵のようになってしまう人もいるし、写真のようにクリアに映し出す人もいる、その中でもトップクラスの実力者がパウロという男である。
情報のみで生きている男で世界新聞社の売り上げを左右する男、そして世界の現状を一番握っている男。
今回のホーエンハイムの一件も彼がトップニュースとして流した情報なのだ。
パウロがある男に情報提供をするところから話は、始まるーー。
★ ★ ★
「どうですか? メイザースさんの捜しているあの血筋を引く者で間違いないんじゃないですか?」
「そうだねえ。君の描く念写は嘘偽りを描くことは出来ないからねえ。確かに三人の精霊を従えているように見えるねえ」
「僕が現場で見ている限りですが間違いなく三人の精霊を操っていましたよ。未だかつてこんな精霊使いは見たことないです」
席から立ち上がり身を乗り出して熱弁をふるう。
ここは、メイザースの屋敷で魔法結社アルファの本部。魔法結社アルファは魔法研究を主に行っている個人団体で魔法協会に参加していない。
その為、精霊界や帝国、新聖教団など色々な団体から批判されている。
魔法協会とは、魔法を個人意外で使用するには加入してその個人を監視する義務が生じる。また、個人でも研究や禁呪や魔術など危険を伴う魔法研究も協会に報告する義務がある。
世界を変えてしまうような禁呪もあるので前もって事前に知らせておかなければならないのだ。
あの新聖教団ですら加入しているのだ。
それくらい禁呪や魔術の扱いは恐ろしい。
「君が言うのだから本当だろうねえ。オッケーだよ。この情報を買おう」
メイザースは、封筒をパウロに差し出す。
「ありがとうございます。これが詳しい情報です。メイザースさんいつも助かります」
そういうとパウロは、封筒をスーツに仕舞うと茶封筒を代わりにテーブルに置きそそくさと退散して行った。
メイザースは、茶封筒を破りパウロから買い取った資料に目を通す。
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名前 : アーサー・ペンドラゴン
年齢 : 21age
出身 : キャメロット
身長: 175cm
体重: 60kg
* 幼い頃から魔力が全くない。
*最近、 三人の精霊と契約した。
*父は、 シーサー・ペンドラゴン
*母は、 ○×△○×△
*兄、フレディ・姉、ミランダ
*ペンドラゴン家と魔術協会は繋がりがある。
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「なるほどねえ。パウロくんにしては、久しぶりの当たりのネタかも知れないねえ」
メイザースは、資料をテーブルの上に放り投げ冷めたコーヒーを口に運んだ。
「ペンドラゴン家で魔力無しか・・・実に興味深いですねえ」
冷え切ったコーヒーを片手に不気味な笑みを見せていた。
「あの新聞記者さんお帰りになられたのですか?」
銀色のショートヘヤーのメイドの少女がコーヒーを入れ直そうとメイザースのカップを回収しにやって来た。
「先程帰ったよ。相変わらず忙しない男なのだよ」
メイザースは、はにかみながら肩をしぼめて見せた。
「あんな男の情報を信じて大丈夫ですか? きっとガセネタに決まってます」
「うーん。 今回は、 当たりかなあと思っているのだよ」
新しくコーヒーをカップに注いで貰いながら顎に人差し指を当てて目を細くする。
「何か根拠でもあるのですか」
カップにコーヒーを注ぎ終えてメイザースを疑いながらじっと見つめる。
「勘なのだよ」
少女は、 飽きれてため息をつき肩を落とすとまた奥に消えて行った。
「メーディアちゃん、 意外に私の勘は当たるのだよ」
応接間にメイザースの不気味な笑い声が響き渡っていた。
ーー アーサーの秘密とは ーー
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