三人の精霊と俺の契約事情
気づいてよ
「嫌・・・恥ずかしい・・・」
「・・・は?」
顔を真っ赤に染め、視線を反らしてなよなよしているリサ。
いつもの朝の恒例の口づけなのだが、いつもなら精霊たちが無理矢理してくるのに今日は、いつもと様子がおかしい。
「どうしたんだよ。 早く済ませようぜ」
「そんな酷い。 愛情のないキスはしないで」
( なんだ? どうした? 何がどうなってる?)
恐る恐る振り返り他の二人を見てるとやはり緊張感を漂わしまるで告白を待つ恋人のような表情で頬を染めて待っている。
「・・・どうなってるのだ?」
精霊たちは、昨夜のアーサーの愛情の深さに酔いしれてしまったのだ。
自分たちの一番のコンプレックスに感じていたことをアーサーは全て包み込んでくれた。
一番聞いてほしかった人に聞いてもらえた。
一番言って欲しい言葉を言ってもらえた。
彼女たちにとって、それがどれだけ救われたか。
優しく励ましてくれたことが何よりも嬉しかったのだ。
精霊たちは、そんなアーサーをもう特別な存在以外に見れなくなってしまったのだ。
「ほら、 するぞ!」
「ん。・・・・あ」
アーサー様の唇が・・・ 好きが止まらない 。
リサは、呆然となり頭から湯気が出てしまいそうなほど顔が真っ赤になっていた。
「恥ずかしい・・・なの・・・んんん」
エルザもご覧の調子だ。
「アーサー様・・・もう・・・好きにして下さい」
シルフィーに至っては何を言ってるのやら。
三人はしばらくお風呂上がりのように、 ぼーっと逆上せるように顔を赤らめていた。
* * * * * * * * * * * * *
アーサー様は、きっとまだリサの気持ちに気付いてない。
きっと他の二人もアーサー様のことが好き。
独り占めしたいなんて思ったら贅沢かな。
もしいつかこの気持ちが届くのなら、もしいつかお互いに気持ちが通じあったならその時は、心からちゃんとーーーー。
もっと素直になれたらな・・・。
アーサーが彼女たちの気持ちに気付くのはいつの事になるのだろうか。
ーー アーサーは女性に鈍感なのです ーー
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