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三人の精霊と俺の契約事情

望月まーゆノベルバ引退

事故だよね。

  千載一遇のチャンスが来た！！
もうこの機を逃したら、契約を結ぶ機会なんてないかもしれない。

我先にとアーサーの唇を奪いに、もうスピードで三人の精霊が飛んで行くーー。

「絶対、私が勝ち取って契約を結ぶんだから」

「ふふふ。私が契約を手にしてみせるわ」

「けいやくなのお」

三人がほぼ一直線に並んだまま、アーサーの唇の直線まで来ているーー。

「「「契約は私のものよ！！なの」」」

ちゅっ！チュ！ちゅーーッ！！

アーサーと接吻をしたと同時に、辺り一面が光り輝いたーーー。

★  ★  ★

  光が収まったと、同時にアーサーはゆっくりと目を開けた。

「ーーそういえば・・・唇の感触がひとつではなかったような・・・気のせいかな」

アーサーは唇を指でなぞっている。そして、周りに精霊たちは居なくなっていた。まじまじと自分の体を見てみるが特に変わったところはなかった。

「本当に、魔法は使えるのかな」

アーサーは自分の掌を見つめていた。

「使えるようになってるわよ」

「んっ。精霊の声が聞こえたような」

  周りには誰もいないーー気のせいかと首を傾げるとまた。

「あなたの身体の中よ」

  すると、リサが身体の中から現れたーー。

「契約成功よ。これからあなたと私は運命共同体、身体も心も全て二人のものよ」

  アーサーは、リサの言っている意味がよく分からないといった感じで首を傾げた。

「ーーとにかく、俺はお前と結局契約をしたんだな」

ーーなの。

(どっかで聞いたことのあるフレーズが頭の中で・・・まさか。)

「ーー無事、契約できたの。嬉しいの」

(おい、おい、まさか・・・)

「ふふふーーお願いするわね」

  なんと、身体の中から結局三人の精霊が現れた。リサは、はーっと溜め息をついていた。

  溜め息を吐きたいのは俺だよとアーサーは目を細めてじーっと三人の精霊を見ていた。

「よろしくね。アーサー様」

リサの顔は、とてもよろしくねって言う顔はしてなく、思いっきり引きつっていた。

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