脇役転生の筈だった

紗砂

15


鈍感……鈍感ってなんだっけ?
私はパソコンを立ち上げインターネットで調べる。

鈍感……感覚・反応などが鈍いこと。
               気の利かないこと。その様。


………調べてはみたものの意味は全く分からなかった
……まさか反応を早くしろとか、大袈裟にやれと言っているのだろうか?
頑張ってみよう。


次の日。
私はいつも通り学園に行く。


「おはよう、咲夜」

「おはよう」

「おはようございます」

「おはようございます。
…今日から頑張って鋭くなりますね」


私は少し意気込んで頑張る旨を伝えた。
すると3人とも不審そうに私を見ていた。
失礼な。


「咲夜?
一応きくけど……どういう意味で?」


どういう意味って……。


「反応を早くして、大袈裟にします!」

「「「馬鹿か(じゃないの?)(じゃないんですか!?)」」」


……酷くない?
3人して馬鹿って!!
私はそんな馬鹿じゃないし!!


「はっ…!
もしやすでに鋭くなっているかを…!?」

「……咲夜って色々と残念なところありますよね…」

「……本当、変なところで馬鹿だよね」

「……咲夜は鈍感なままでいいと思うんだ」


それぞれ愛音、奏橙、天也の順だ。
皆酷いと思うんだ。
……もう少し言い方というものが…。


「……鈍感って…私はそんなに鈍感でしょうか?」


うーん……分からない。
私って鈍感かなぁ?
いや、そんなはずはないと思うんだけどなぁ……。

そろそろ時間になってしまうため仕方なく席につく。


「……私ってそんなに鈍感なのでしょうか……?」

「海野さん…どうかしたんですか?」


私ね前の男子が振り返って不思議そうに見ていた。


「いえ…先日から天也や奏橙に鈍感と言われてしまっているので……。
私はそんなに鈍感なのでしょうか……?」


その男子は苦笑していた。
…意味が分からない。


「海野さんはそのままでいいと思いますよ?
…少し鈍感すぎるところもあると思いますが」


えぇぇぇ…。
名前もしらない男子からも鈍感って言われた……。
…って、よく考えたらよくこの男子は私の名前を知ってるよね。
あ……最初に自己紹介したか。

それからの授業も私は上の空で天也や奏橙から言われた事を気にしていた。
そのせいかいつもよりも少し当てられる回数が多かった。


「……海野、この問題解いてみろ」

「…え…はい……」


これで何度目になるだろうか…とうんざりしつつも前に出て問題を解き始めた。
……数学は苦手なんだけどなぁ……。


「終わりました」


私はチョークを置くと席に戻る。


「なっ…なっ……」


先生の様子がおかしいがどうかしたのだろうか?
そんな疑問を持っていると後ろの席の天也が教えてくれた。


「……咲夜、あの問題だが……。
最初に先生が大学レベルって言ってたぞ?」


……マジすか。
いや、確かに難しいなぁって感じたには感じたけどさ!!
まさか大学レベルとは思って無かったんだよ!!
うわぁ……どうやって誤魔化そう……。
兄に教えてもらっているって言ったら納得してもらえるだろうか?
………というか高一に大学レベルの問題を解かせるなよ。


「……海野…何故解けた?」

「お、お兄様に教えていただきましたし、前回の内容までの数式で解ける内容でしたので……」


使っている数式は前回までの内容でやったものだ。
つまりこの問題は複数の数式を合わせただけのもの。
なら、出来てもおかしくはないはず!!


「……それが出来るのがおかしいんだよ」


後ろから天也が呆れたような声で呟く。

……ご最もで…。
まぁ、私は前世の記憶があるからなぁ……。


「……まぁ、いい。
あぁ、先に言っておくが……海野がおかしいだけだからな?」


酷くないか!?
私はおかしくないのに!!
おかしいのは高一に大学レベルの問題を解かせようとする先生なのに!!

それと、何人か頷かないで欲しい!!
そして、休み時間。


「咲夜、お前大丈夫か?
いつもならあの問題、わざと間違えていただろう」


……何で天也に気付かれているのだろうか?


「なんで気付いてるかっていうと、お前があんなとこでミスるわけないって思ってるからだな」

「エスパーですか?」


私の考えていることを読み取るとか辞めてほしい。
このエスパーめ。


「違うからな!?
お前が特別わかりやすいだけだっての……」

「私、そんな顔に出てますか?」

「出てるな」


……嘘だ…。
私は完璧に隠してきたと思ってたのに!!
顔に出てるとか!
ハッ……もしや兄の不可解な反応は私の顔のせいだったのか!?


「1人で百面相するな……」

「してません!!」


相変わらず失礼な奴め。
こんな奴には愛音は渡さん!!
……そういえばずっと忘れてきたけど愛音は誰のルートなんだろう?
天也とかは性格的にも大変そうだなぁ。
兄は……ないな。
白鳥先輩とかはありそうかも。
まぁ、私は誰であろうと愛音を応援するけど。
…それにしても、恋愛かぁ……。
私とは程遠いなぁ。
兄がいるし、友人も少ないし何より顔もあんまりなぁ……。
不器用で何も出来ないし……。
はぁ……考えれば考える程自分の魅力が無いや…。
あるとすれば勉強くらい?


「咲夜、どうかしたのか?」

「いえ……天也はどなたか好きな方はいますか?」


いたら相手がいないのは私だけかぁ……。
今更だけど、紫月と奏橙は婚約したんだよなぁ……。
愛音は来年には相手が出来るだろうし……。
私だけボッチとかは悲しいなぁ。


「なっ…なっ……どうしたんだよ!?」


うん?
天也の狼狽えよう……まさか、いるのかな?
付き合ってはいないだろうから片思い?
うわっ……天也に似合わないなぁ……。
まぁ、それでも一応は友人の初恋?
だろうし、応援はするけどさ。


「いるんですか。
応援しますね!」

「……あぁ、もういい」


何で落ち込むのだろうか?
そんなに私にバレたくなかったのかな?


「ハハハッ……さすが咲夜。
上げて落とすのが上手いね」


奏橙が腹を抱えて笑っていた。
無性に蹴り飛ばしたくなってくるのは何故だろうか?


「上げて落とすなんて…私、何かやりましたか?」

「あぁ……うん。
いいや」


……本当になんだろう?
まぁ、いいか。
私には関係ない事だろうし。


「それで、天也が好きな人はどんな方なのですか?」

「……優しくて面白くて面倒見がよくて頭がよくて料理も上手い…。
しかも可愛くて綺麗だしだれに対しても平等に接してる。
守ってやりたいと思う……。
時々ぼうっとしてる事や面倒事に首を突っ込んだりしてるが芯がまっすぐしてるイメージがある。
それと、鈍感なところもあるな」


ふむ……。
話を聞く限り凄くいい人っぽいな。
さすがあの天也の初恋相手。
だが、鈍感ってこの頃よく聞くなぁ。


「天也の事ですから誰かは教えてくださらないのでしょうから陰ながら応援することにしますわ」

「……天野って勇気あるよなぁ……」

「あそこまで言われて気付かない海野さんって……」

「…海野先輩のせいじゃないか?」


なんかクラスメイトから散々に言われてるがいいとするか。


「天也、もう諦めたら?」

「奏橙、真剣に考えている天也に対してそれは酷いと思うのですが……」

「「「「「海野さんがそれをいう?(おっしゃいますか?)」」」」」


うわっ……。
クラスメイト全員に言われた!?
地味に辛い!!
というか、普通に聞かれてる!?
いや、まぁ、いいんだけどさ……。


「……理不尽ですわ…」

「当然だと思いますよ?」

「理不尽って……辞書貸してあげようか?」


2人とも酷くない!?
特に奏橙!!
意味くらい知ってるし!!


「……少しくらい教えてくれてもいいと思うのですが……」


本当、ヒントくらいくれてもいいと思うんだ。


「まぁ、頑張ってよ」


放り投げられた感が半端ないんだが。


「天也も頑張ってよ」

「あぁ……。
頑張ってはみるさ。
……どうやっても無理な気がしてくるがな」

「大丈夫です!
私も応援してますから!」


私がそう言うと天也は落ち込んだように机に伏せてしまった。
…私は何か不味い事をいっただろうか?


「……咲夜、しばらく天也の恋愛関係については何も言わないであげて」

「……うぅ…納得いきませんわ。
ですが……分かりました…」


私が言うとこうなるんだもんなぁ。
相手はなんとなく、というか愛音だろうってのは分かってるけどさ。
本当、納得いかない。



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