桜雲学園の正体不明《アンノウン》
番外編 ラプルの日常 その1
図書棟の管理者であるラプルの一日は長い。
彼女は睡眠を必要としない。それゆえ、彼女は暇だった。
「······暇じゃのう。なにかわしを満足させるものはないかの~」
いくら管理人としての仕事があるとはいえ、常人に比べて一日の活動時間の長いラプルにとっては毎日が暇で仕方なかった。
ふと気になったのは、周りにある膨大な量の本。今までは興味がなかったが、この際、本というものを読んでみることにした。
「ふむ、これはなかなか·········」
図書棟にある本の量は膨大で、毎日通ってもとても読み切れるものではない。
そのため、常に暇をもて余しているラプルにとってはいい暇潰しの道具になった。
まるで、小さい子供が何か面白いものを発見したかのように。毎日毎日読み続けた。
(実際にラプルの容姿は子供そのものなのであながち間違っていない)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ある日の朝、疲れた様子のラプルが、だらしなくベッドに寝転がりながらページをめくっていた。
「······ふわゎあぁぁぁ」
睡眠を必要としないラプルだが、疲れは感じる。
「この本は面白いのう」
前に読んだ“参考書”と呼ばれる本は、わしに著しく欠けている常識を教えてくれるので大変興味深いものだったが、やはり娯楽がないと飽きてしまう。
最近のわしのお気に入りはサッカーもののマンガだ。
弱小だったチームが色々あって、全国大会に出場したり、世界に行ったり、宇宙に行ったり、過去とかに行ったりするやつだ。
誰もが知るあの有名な超次元サッカーである。
昨日の夜にたまたま見つけて、朝日が出るまで読み続けてしまった。
そのために眠くもないのにあくびが出てしまった。
ふと、前に神崎月姫に言われたことを思い出した。
『ラプルさん、図書棟にばかりこもっていては体に良くありませんよ? 外に出てみてはいかがですか?』
そのときは面倒くさくて、色々と理由をつけて断ったのだが、
「ふむ、なるほど······たまには外に出るのも良いかもしれぬな」
せっかくなので、放課後にはサッカー部の見学に行くことにするかのう。
うちのサッカー部にはタレントがあるから派手にやっているはずじゃ。
リアル超次元サッカーとやらも見られるかもしれぬ。
ちょうど巻の最終ページに差し掛かったので、一旦読むのはやめにして、本来の職務を果たすとしようか。
といっても、授業中は生徒が来ることなどないし、昼休みは図書委員に任せるし、わしの仕事といえば本のチェックをしたり、新しく入荷する本を選ぶことくらいのものじゃ。
こんなにわしが暇なのはちゃんとした理由がある。いつ何が起きても対応できるようにこの図書棟を監視───守ることがわしの本来の役目。
でも、今日は大丈夫そうだから、放課後に部活見学に行っても、仕事中にマンガを読んでも許されるはず·········。
(もちろん堅物な神崎月姫などに見つかったら、正座でお説教コースは免れないのだが)
こんな風に結論付け、ぱっぱと仕事を終わらせて、放課後の部活か始まるまでマンガの続きを読むのだった。
「ぶわっはっははは!! やはり、マンガは面白いのう」
この後、たまたま本を借りにきた神崎月姫に、マンガを読んでいたことがバレて、正座でお説教を受けたのは言うまでもない。
以下作者のコメント
今回は番外編です。
いつかこの続きも出します。
本編も書き終わり次第出します。
彼女は睡眠を必要としない。それゆえ、彼女は暇だった。
「······暇じゃのう。なにかわしを満足させるものはないかの~」
いくら管理人としての仕事があるとはいえ、常人に比べて一日の活動時間の長いラプルにとっては毎日が暇で仕方なかった。
ふと気になったのは、周りにある膨大な量の本。今までは興味がなかったが、この際、本というものを読んでみることにした。
「ふむ、これはなかなか·········」
図書棟にある本の量は膨大で、毎日通ってもとても読み切れるものではない。
そのため、常に暇をもて余しているラプルにとってはいい暇潰しの道具になった。
まるで、小さい子供が何か面白いものを発見したかのように。毎日毎日読み続けた。
(実際にラプルの容姿は子供そのものなのであながち間違っていない)
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ある日の朝、疲れた様子のラプルが、だらしなくベッドに寝転がりながらページをめくっていた。
「······ふわゎあぁぁぁ」
睡眠を必要としないラプルだが、疲れは感じる。
「この本は面白いのう」
前に読んだ“参考書”と呼ばれる本は、わしに著しく欠けている常識を教えてくれるので大変興味深いものだったが、やはり娯楽がないと飽きてしまう。
最近のわしのお気に入りはサッカーもののマンガだ。
弱小だったチームが色々あって、全国大会に出場したり、世界に行ったり、宇宙に行ったり、過去とかに行ったりするやつだ。
誰もが知るあの有名な超次元サッカーである。
昨日の夜にたまたま見つけて、朝日が出るまで読み続けてしまった。
そのために眠くもないのにあくびが出てしまった。
ふと、前に神崎月姫に言われたことを思い出した。
『ラプルさん、図書棟にばかりこもっていては体に良くありませんよ? 外に出てみてはいかがですか?』
そのときは面倒くさくて、色々と理由をつけて断ったのだが、
「ふむ、なるほど······たまには外に出るのも良いかもしれぬな」
せっかくなので、放課後にはサッカー部の見学に行くことにするかのう。
うちのサッカー部にはタレントがあるから派手にやっているはずじゃ。
リアル超次元サッカーとやらも見られるかもしれぬ。
ちょうど巻の最終ページに差し掛かったので、一旦読むのはやめにして、本来の職務を果たすとしようか。
といっても、授業中は生徒が来ることなどないし、昼休みは図書委員に任せるし、わしの仕事といえば本のチェックをしたり、新しく入荷する本を選ぶことくらいのものじゃ。
こんなにわしが暇なのはちゃんとした理由がある。いつ何が起きても対応できるようにこの図書棟を監視───守ることがわしの本来の役目。
でも、今日は大丈夫そうだから、放課後に部活見学に行っても、仕事中にマンガを読んでも許されるはず·········。
(もちろん堅物な神崎月姫などに見つかったら、正座でお説教コースは免れないのだが)
こんな風に結論付け、ぱっぱと仕事を終わらせて、放課後の部活か始まるまでマンガの続きを読むのだった。
「ぶわっはっははは!! やはり、マンガは面白いのう」
この後、たまたま本を借りにきた神崎月姫に、マンガを読んでいたことがバレて、正座でお説教を受けたのは言うまでもない。
以下作者のコメント
今回は番外編です。
いつかこの続きも出します。
本編も書き終わり次第出します。
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