色彩を宿す者たち〜銀を宿した少女(元青年)は異世界を生き抜く〜
第一話 新たな世界と新たな武装
少しすると視界の白が収まり、周囲の景色が見えるようになってきた
見えてきた景色は豪奢で綺麗な装飾が計算され尽くしたかのように配置された豪華絢爛で美しい部屋、その真ん中には先程の魔法陣程では無いが充分に精緻な魔法陣が設置されていて、その上にオレと春斗、それに黒髪黒目で高校の制服だと思われる服を着た二人の少年と三人の少女が立っていた
「…勇者召喚?」
オレはその状況に思わず呟きを零す。
だが、それには春斗も同意のようで頷いて答えた
「そうみたいだな、現に王女みたいな人が魔法陣の外でスタンバってるぞ」
「あ、本当だ」
その言葉を聞いて魔法陣や部屋の内装から意識を正面に向けるとそこには金髪碧眼で華美なドレスを着た整った容姿の少女が柔和な笑みを浮かべて立っていた。
その少女からは僅かに緊張の気配が感じられるが…まあ、何処の誰とも知らない奴、それも世界すら違う相手に喋りかけるんだ、それくらい当たり前の反応だろう、逆に何も無い方が不気味だよ
そんな事を考えていると件の少女が話し始めた
「ようこそいらしゃいました。勇者様方、私はエアステア王国第一王女、アルテス・R・エアステアと申します。では早速我々の話を…っと、行きたいところですが我々このような状態です、後日改めてと言う事で宜しいでしょうか?」
王女の言葉に周りを見渡すと周囲には魔力切れを起こしている大量の騎士や魔術師風の装備の人達が顔面蒼白になり、かなりダルそうな様子で地面に寝転がっていた
その様子を見たオレや春斗、それに制服姿の少年少女達は一も二もなく頷いた
その後給仕服を着た女性達に個々の部屋へと案内されたオレ達は春斗の部屋で集まっていた。因みにあの少年少女達は少年少女達で集まっているようでここにはいない
「それで春斗はあの人達の事、どう思う?」
「そうだな、なにかに切羽詰まってるのは読めたけど、それ以外は…よく分からん。ただ悪意は感じなかったな」
「オレも似たような感じかな、でも1日でも早くって程焦ってる訳ではなさそうだよね」
城内の人の様子を見る限りなにかに対する明確な危機感はあるけどそれは一刻を争う事態と言う訳ではないみたいだ
「確かにまだ余裕はある様子だったな。だが実際の所はどうなんだろうな?」
「ああ、それって強い気配の事?なんか、城の地下に妙なのがあるね」
「確かにそっちも気になるといったら気になるんだどな。さっきからなんか、割とがっつり嫌な予感が…」
嫌な予感か…、オレは感じないけど、春斗の〈直感〉はオレよりもかなり鋭い。
特に何も起こらなければいいんだけど、かなり不吉だ。
戦えるように準備は整えて置こうかな。
ー《銀姫神装》"銀姫神装"
《固有武装:天姫銀神の双剣》
いつものイメージで戦闘態勢になれば、普段の青い巫女装束に、なにやら精緻な銀細工が追加され、溢れる力もかなり上がっていた。特に頭部に追加された銀細工のサークレットからは不思議な力を感じる。
さらに同時に召喚した固有武装はその身をさらに研ぎ澄まさせ、刀身の周りに銀色の粒子を漂わせていた。
「あれ?なんか強化されてる」
「本当だな?最後のあのアナウンスが原因か?」
「春斗も試してみれば?」
「そうだな」
ー《金帝神装》"金帝神装"
《固有武装:剣帝金神の大太刀》
春斗の武装は、なんか凄まじい変化を遂げていた。灰色の世界に来た当初の鎧の装備がもとになっているのだろうけど、あまりゴツゴツとした装備ではなく、削れるところは削って動きやすさを確保しつつも最大限の装甲を残した機能美と見ていてアリだと思える豪華さをマッチさせた装備になっている。
春斗本人の整った容姿も合わさって、そこらの王族や貴族なんかでは太刀打ちできない雰囲気を漂わせていた。
「えぇ、変わり過ぎでしょ」
「…ああ、そうだな。だが、おかげでさっきの嫌な予感が何か分かった」
「えっ、それってそんな深刻な表情になることなの?」
「この姿だと俺は限定的になるが、未来予知に近い〈直感〉が使えるみたいなんだけどな。それが城の上空に嫌な予感の出元とともに一つの映像を伝えてきたんだ」
そう言うと春斗は表情を引き締め、それがなんだったのか、オレに伝えて来た。
「この城の上空には、何重にも隠蔽された巨大な魔法陣が展開されてるみたいだ。次に見えた映像はその魔法陣が起動してそこが黒いゲートみたいなるところ、そしてそこから
…黒い津波のように大量の異形が迫ってくる光景だ」
恐らくそれは、オレのサークレットに秘められた力と同種のものによって、未来予知に近づくほどに高められ、強化された春斗の〈直感〉から導き出された未来なんだろう。
灰色の世界なら最後に経験したあの大量の敵との戦いが思い起こされるが、ここは残念ながら全く違う異世界で、そして側に城下町が広がる城の中だ。
起こりうる被害を想像して、表情が強張った。
見えてきた景色は豪奢で綺麗な装飾が計算され尽くしたかのように配置された豪華絢爛で美しい部屋、その真ん中には先程の魔法陣程では無いが充分に精緻な魔法陣が設置されていて、その上にオレと春斗、それに黒髪黒目で高校の制服だと思われる服を着た二人の少年と三人の少女が立っていた
「…勇者召喚?」
オレはその状況に思わず呟きを零す。
だが、それには春斗も同意のようで頷いて答えた
「そうみたいだな、現に王女みたいな人が魔法陣の外でスタンバってるぞ」
「あ、本当だ」
その言葉を聞いて魔法陣や部屋の内装から意識を正面に向けるとそこには金髪碧眼で華美なドレスを着た整った容姿の少女が柔和な笑みを浮かべて立っていた。
その少女からは僅かに緊張の気配が感じられるが…まあ、何処の誰とも知らない奴、それも世界すら違う相手に喋りかけるんだ、それくらい当たり前の反応だろう、逆に何も無い方が不気味だよ
そんな事を考えていると件の少女が話し始めた
「ようこそいらしゃいました。勇者様方、私はエアステア王国第一王女、アルテス・R・エアステアと申します。では早速我々の話を…っと、行きたいところですが我々このような状態です、後日改めてと言う事で宜しいでしょうか?」
王女の言葉に周りを見渡すと周囲には魔力切れを起こしている大量の騎士や魔術師風の装備の人達が顔面蒼白になり、かなりダルそうな様子で地面に寝転がっていた
その様子を見たオレや春斗、それに制服姿の少年少女達は一も二もなく頷いた
その後給仕服を着た女性達に個々の部屋へと案内されたオレ達は春斗の部屋で集まっていた。因みにあの少年少女達は少年少女達で集まっているようでここにはいない
「それで春斗はあの人達の事、どう思う?」
「そうだな、なにかに切羽詰まってるのは読めたけど、それ以外は…よく分からん。ただ悪意は感じなかったな」
「オレも似たような感じかな、でも1日でも早くって程焦ってる訳ではなさそうだよね」
城内の人の様子を見る限りなにかに対する明確な危機感はあるけどそれは一刻を争う事態と言う訳ではないみたいだ
「確かにまだ余裕はある様子だったな。だが実際の所はどうなんだろうな?」
「ああ、それって強い気配の事?なんか、城の地下に妙なのがあるね」
「確かにそっちも気になるといったら気になるんだどな。さっきからなんか、割とがっつり嫌な予感が…」
嫌な予感か…、オレは感じないけど、春斗の〈直感〉はオレよりもかなり鋭い。
特に何も起こらなければいいんだけど、かなり不吉だ。
戦えるように準備は整えて置こうかな。
ー《銀姫神装》"銀姫神装"
《固有武装:天姫銀神の双剣》
いつものイメージで戦闘態勢になれば、普段の青い巫女装束に、なにやら精緻な銀細工が追加され、溢れる力もかなり上がっていた。特に頭部に追加された銀細工のサークレットからは不思議な力を感じる。
さらに同時に召喚した固有武装はその身をさらに研ぎ澄まさせ、刀身の周りに銀色の粒子を漂わせていた。
「あれ?なんか強化されてる」
「本当だな?最後のあのアナウンスが原因か?」
「春斗も試してみれば?」
「そうだな」
ー《金帝神装》"金帝神装"
《固有武装:剣帝金神の大太刀》
春斗の武装は、なんか凄まじい変化を遂げていた。灰色の世界に来た当初の鎧の装備がもとになっているのだろうけど、あまりゴツゴツとした装備ではなく、削れるところは削って動きやすさを確保しつつも最大限の装甲を残した機能美と見ていてアリだと思える豪華さをマッチさせた装備になっている。
春斗本人の整った容姿も合わさって、そこらの王族や貴族なんかでは太刀打ちできない雰囲気を漂わせていた。
「えぇ、変わり過ぎでしょ」
「…ああ、そうだな。だが、おかげでさっきの嫌な予感が何か分かった」
「えっ、それってそんな深刻な表情になることなの?」
「この姿だと俺は限定的になるが、未来予知に近い〈直感〉が使えるみたいなんだけどな。それが城の上空に嫌な予感の出元とともに一つの映像を伝えてきたんだ」
そう言うと春斗は表情を引き締め、それがなんだったのか、オレに伝えて来た。
「この城の上空には、何重にも隠蔽された巨大な魔法陣が展開されてるみたいだ。次に見えた映像はその魔法陣が起動してそこが黒いゲートみたいなるところ、そしてそこから
…黒い津波のように大量の異形が迫ってくる光景だ」
恐らくそれは、オレのサークレットに秘められた力と同種のものによって、未来予知に近づくほどに高められ、強化された春斗の〈直感〉から導き出された未来なんだろう。
灰色の世界なら最後に経験したあの大量の敵との戦いが思い起こされるが、ここは残念ながら全く違う異世界で、そして側に城下町が広がる城の中だ。
起こりうる被害を想像して、表情が強張った。
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コメント
星夜神奈
面白かったです続き楽しみに待ってます