色彩を宿す者たち〜銀を宿した少女(元青年)は異世界を生き抜く〜

スーノ

第三話 決着と魔力切れ

銀氷防壁と金炎極飛刃は、接触し金炎極飛刃が通り過ぎるまで銀氷防壁が耐え切った

ー《銀天魔導》"銀氷破弾"
そして冷夜は銀氷防壁を再度操り氷弾として飛ばす

ー春斗は大太刀で弾く
が大技の反動でいくつか掠り赤い結晶片が散る

ー《銀魔導剣技》"銀氷翔斬"
銀氷を春斗に向け斬撃として飛ばす

ー《金天剣帝技》"金炎帝突"
斬撃を回避し、大太刀の切っ先に金炎を纏わせ突撃する

ー当たる直前でサイドステップで大幅に回避
《銀天魔導》"銀氷散弾"
銀氷散弾を放ち、反撃

ー《金天剣帝技》"金炎剣盾"
金炎を纏う大太刀を回転させ、金炎の丸盾を形作り散弾を防御
盾を形作っていた金炎を大太刀に纏わせ接近し、
《金天剣帝技》"金炎帝極斬"
金炎の密度を高め大太刀を振り下ろす

「セイッ」

「ッ………」

ー春斗の足下をくぐり回避
が左足に擦り赤い結晶片が僅かに散る

ー春斗は回転と金炎の勢いを殺さず
《金天剣帝技》"金炎極飛刀"
大太刀を冷夜に投擲する

「えっ……」

振り向いた冷夜の驚愕の声が聞こえるのと同時に大太刀が冷夜に衝突し赤い結晶片が大きく弾けた

『Time up』

『Winner:白金 春斗』






「はぁ、本気でやったんだけどな」

そう言いながらオレは部屋に戻り倒れ込んだ

「今回はそこまで落ち込む事は無いだろ」

それはオレが毎回負ける事に対するいやみかと考えが浮かんだが春斗に限ってそんな事はないので直ぐに切り捨てる。そんなオレに対して

「俺、冷夜が思ってる以上に追い込まれてたからな?」

と、苦笑しながら言ってきた

よくよく見てみると少し顔色が悪いような

「って、大丈夫!?、顔色悪いよ」

「そんな、取り乱さなくてもいいって。それにこの状態なら冷夜の方がよくなってるだろ」

そう言って頭を撫でられた。

いや、それがなにか分かるから取り乱したんだよ

「魔力切れなのは分かるよ」

「そう言う事だ。だから心配する必要はない」

確かにオレぐらいに何度も魔力切れになってると殆ど症状がでないから問題ないけど、でも初めてとなると

「春斗って魔力切れするの初めてだよね。」

「そうだけど、それがどうかしたか。…あれ、なんか風景がぼやけてきてる気が」

そうなんだよね、アレ初めてなると丸1日は動けないレベルの体調不良がおきるんだよね。二回目以降だとかなり楽になって最終的には症状が殆どなくなるらしいけど。というか、オレの一回目の魔力切れの時、春斗居たはずなんだよね

「ああ、今ベット出すからそこで休んで。その症状は後で説明するから」

「わかった」







「はぁー、あの時そう言う事だったのか」

「むしろ、なんだと思ってたんだよ。」

あの後、春斗がベットで直ぐに休みあの状態に慣れてきたあと、初めての魔力切れで何があるか説明した

「いや、ただの体調不良かと」

と言うか、この世界だとただの体調不良なんて起きないのに

「うっ、そんなに呆れてなくてもいいだろ。そんな事より、これ本当になんとかなんないのか?すげー気持ち悪いだけど」

こんな感じじゃ、普段は結構カッコいいのに色々台無しだな

「まあ、無理だな。1日たったら直ぐに治るから安静にしとけよな。」

「りょーかーい」

そんな返事と共に会話が途切れた

……そしてしばらくの間、心地よい静寂が訪れた
















〔敵個体 感知、方向 西、数 1体、巨体系 タイプ・シザー  銀姫 冷夜は迎撃に当たって下さい。〕

「冷夜1人か、珍しいこともあるんだな」

「オレたちの能力値が分かってるからじゃないか?」

あと、ここの【最初の色彩】が絡んでそう、というか絡んでだろうな。まだ見ぬ"橙"と"黄"の【最初の色彩】にちょっとした怒りが湧く

「どちらにせよ、巨体系は1人で討伐は面倒」

「はは、〈直感〉だけど俺にも同じことされる気がするわ。まあ、頑張れ俺も手伝いたいけど気分が最悪だから無理」

「まあ、しょうがない。出来るだけさっさと片付けるよ。はぁー」

溜め息が漏れてしまったが仕方ない。それほどに巨体系の単独討伐はめんどくさいのだ







「相変わらず、デカイ。ただシザータイプは初めてだな」

冷夜の視線の先には高さが15m、横が25m程のただただデカイ、灰色の蟹がいた。巨体であるが故に動きこそ重鈍だが攻撃の威力はかなり重く、範囲が広い、そして何より厄介なのはその生命力の高さ。心臓でも壊さない限り死なない事。オレが面倒といった理由はそれだ。因みに巨体系の【原初の怪物】はあの蟹が小さく感じるサイドらしい

「まあ、空飛びながら甲殻を破壊すればあとは楽か」

ー《固有武装:銀天姫の双剣》
銀色の双剣が召喚され
《銀天魔導》"銀天翼"
銀色の3対6枚の翼が展開される

ー大蟹の真上に向かって飛翔する

「時間ならかなりあるし少し試してみるか」

ー《銀天姫装》"銀炎天装"
コートが籠手に変化する
《銀天魔導》"銀炎槍・鋭"
銀炎の槍が普段より槍全体が鋭くなっていく

ー《銀天姫装》"銀氷天装"
籠手がローブに変化する
《銀天魔導》"銀氷槍・鋭"
銀氷の槍が銀炎槍のような変化を起こす

ー《銀天姫装》"銀雷天装"
ローブがブーツに変化する
《銀天魔導》"銀雷槍・鋭"
銀雷の槍が周囲に展開された二本の槍と同じ変化を起こす

「次で仕上げ…」

ー《銀天姫装》"銀天姫装"
ブーツが元のコートに戻り
《銀天魔導》"銀魔合成"
三本の槍が混ざり合い冷夜程の大きさのかなりの力を感じる白銀色の大槍に変化していく

「っ………」
冷夜の頬に汗が伝う

ー《銀極》"天銀化"
白銀色の大槍が神聖な雰囲気を纏い実体化していき冷夜の手に収まる

「………出来ちゃった」

完成したあと冷夜は呆然と呟いた

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