第三話 灰色の街と夢

「んー本当に人気がないな」

街は人気が完全になく街の設備も使えなくなっていた。

「それに、今更ながらぱっと見、石で出来た街にも見えるけど、」

ガキッン

「全く違うみたいだな」

魔銀の剣で斬りつけた壁は傷こそ付いているが切れた様子は全くなかった
剣の腕には、結構自信があったんだけど…

「はぁ〜、こんな事で落ち込んでる場合じゃないな。どっかで休みたい」

今の冷夜は、身体的な疲労は殆どないがこの世界に来てからまともな休息をとっていないので精神的な疲労がかなり溜まっていた

「そういえばここの建物って入れるのか？」

ガチャ

「・・・入れるみたいだな」

どうやら設備が使えなくなっているので、扉にかかっていたであろうオートロックなども機能していないらしい

「失礼します…」

ガチャ

「…この場所なんでこんなに生活感がないんだ。もしかして誰も住んで居なかった部屋なのか？」

部屋には、机や椅子、ベットなどの基本的な家具はあったがそれ以外には何もなかった

「まあ、空き家ならその方が今はその方が都合がいいや、ベットを借りよう」

ポフッ

「・・・やばいすごい寝心地いい……」

冷夜は精神的な疲労もありすぐに寝入っていった

「すぅ………すぅ………Zzz」





















「・・いれ・・おー・・い・」

「冷夜！」

「ッ、ごめんなんかいった？」

「いや、たいしたことじゃないからいいが冷夜が急にぼーっとしだしたからどうしたのかと思っただけだ」

今、冷夜話に掛けている男性にしては少し長めの薄めの金髪にやや鋭い碧眼の青年は冷夜の親友の白金しろがね春斗はると、母親が日本人とのハーフで春斗の髪と目の色は母親譲りであり、容姿もかなり整っている。因みに細マッチョ

「さぁ〜？なんかぼーっとしてた。」

「なんかってなんだよ。まあいいや帰ろうぜ」

「そうだな、今日は家の道場くるのか？」

「ああ、行くぞ。久しぶりに勝負しようぜ！」

「了解、じゃあ家帰ったら準備しとく。」









「只今、帰りました。」

「冷夜、帰ったか。今日は時間があるが稽古つけてやろうか？」

「今日は久しぶりに春斗と勝負するからその後でも大丈夫？」

今、冷夜が喋っているのは、冷夜の祖父で剣術の達人である銀姫ぎんき 凍士とうし既に80代後半の筈なのに見た目が40代前半くらいに見える。超人である

「ふむ、わかった。なら勝負が終わったら二人ともに稽古を付けてやるから伝えといてくれ」

「わかったよ」







「お邪魔します！    冷夜準備出来てるか？」

「おう、できてるぞ、あと終わったじいちゃんが稽古つけてくれるってよ」

「……まじか(まあ、アレはめちゃくちゃ辛いけどその分リターンもかなり大きいからやれるならやっときたいしいいか)」

「ん？なんかいったか？」

「いや、なんでもねーよ」




「「じゃあ、やるか！」」

春斗の使っている剣は春斗と同じくらい(春斗の身長173cm)の大剣対して冷夜が使っている剣は80cmほどの長剣である

「こっちから行くぞ！冷夜！」

春斗は基本的に一撃が重いパワーアタッカー剣筋こそ読みやすいものの攻撃が速く天才的な体重移動からくる急な軌道の変化に要注意 

防御にまわると押しこまれる回避してもどうせ追ってくる迎撃は無理

ってことで受け流して剣で抑え込む

「ハァッ！」

剣の側面で逸らす

「くぅぅ・・」

ガンッ

よし、地面に着いたここで抑えこ…もう手放してるっ

正面から拳撃

片足を軸にして半回転しながら回避、腕を両手で掴んで地面に投げつける

手首を掴まれたっ、

「なんでその体勢で掴めるんだよ！」

まずっつーか綺麗に着地してるし、投げられる

「セイッ！」

ドンッ

なんとか受け身を取れた。ここから片手を軸に足払い！

「ハァァァ！」

「ッ…」

ドン

そのまま立ち上がって踵落とし

「ハァ！」

踵が腹に向かって吸い込まれて行くように近づいていき、そして・・・


















・・・目が覚めた

「んぅ、あの夢ってここに来る前日の事だよな。あの試合ってあの後どうなったんだっけ？」

「ギリギリで踵落としを躱して逆に組み伏せて俺の勝ち。だったろ。」

……………えっ